マカデミア種子油でやわらか美肌を叶えた体験談と、ニキビへの影響・使用上の注意点

この記事を書いた人
小鳥遊 文子
コスメコンシェルジュ

【保有資格】 ・2022年~:日本化粧品検定1級 ・2023年~:特級コスメコンシェルジュ/化粧品成分上級スペシャリスト(化粧品成分検定1級) 化粧品を信仰しない、フラットな目線からの記事作成を心掛けています。

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馬油やオリーブオイル、ツバキ油など、肌や髪をしっとりとやわらかく保ってくれる「油脂」。顔や体、髪のお手入れに取り入れている人も多いですよね。

そんな「油脂」の中から、今回はマカデミア種子油を紹介します。マカデミア種子油の肌や髪への効果ニキビへの影響使用上の注意点を書いていきます。

メリット・デメリットの両方を把握できるように書くので、マカデミア種子油の購入を迷っている人は参考にしてください♪




マカデミア種子油の特徴とスキンケア効果

マカダミアナッツから採れる「油脂」の一種

マカデミア種子油とは、マカダミアナッツから低温圧搾によって得られる種子油で、「油脂」の一種です。「マカデミアナッツオイル」「マカデミアナッツ油」と呼ばれることもあります。

ナッツ類の中でも希少性が高いマカダミアナッツを原料とするため、油脂としてはやや高価です。

なお、ナッツ自体を指すときは「マカダミア」と表記・発音するのが一般的ですが、オイルになると「マカデミア」と呼ばれることが多いようです。

もともとは英語の「Macadamia」で、ローマ字読みすると「マカダミア」ですが、発音は「マカデーィミア」で「マカデミア」に近いニュアンスなので、どちらも間違いではないと思います。

オレイン酸とパルミトレイン酸が豊富で酸化しにくい

「油脂」は脂肪酸とグリセリンが結合した物質です。油脂の種類によって、含まれる脂肪酸の種類や割合が異なり、油脂としての性質も異なります。

マカデミア種子油は60%近くをオレイン酸が占めており、パルミトレイン酸も豊富に含みます。この2つは比較的酸化しにくい脂肪酸で、さらにマカデミア種子油には抗酸化ビタミンとして知られる「ビタミンE」も含まれています。

そのため、マカデミア種子油は安定性が高く、肌に塗っても長時間、酸化せずに安定した性質を保つことができます。酸化した油は肌荒れの原因になりますが、マカデミア種子油はそうした心配が非常に少ないため、スキンケアに適した油脂といえます。

水分の蒸発を防ぎ、肌にハリ・つやを与える

マカデミア種子油に多く含まれる「パルミトレイン酸」は、ヒトの皮脂にもともと含まれる成分です。肌にハリ・つやを与えることから、「若さ脂肪酸」とも呼ばれています。

しかし、肌のパルミトレイン酸は加齢とともに減っていくため、マカデミア種子油によってパルミトレイン酸を補うことは、※エイジングケアに繋がると考えられています。

マカデミア種子油は油分なので、肌に水分を閉じ込めて、蒸発を防ぐエモリエント効果もあります。オイルの中でも肌なじみがよく、さらっとした使い心地のため、顔やボディーの保湿にとても適しています。

肌に浸透しやすいことから、バニシングオイル(消えて見えなくなる油)と呼ばれることもあります。

※年齢に応じたお手入れ。




肌をやわらかくして、なめらかさを与える

マカデミア種子油は角層の柔軟効果も非常に高く、肌になめらかさを与えてくれます。そのため、乾燥による肌のゴワつきや毛穴が気になるときのお手入れに適しています。

抗炎症作用と軽い日焼け止め効果

マカデミア種子油は「有効成分」ではないので断言はできませんが、炎症を抑える作用が期待できる成分らしいということもいわれています。

そのため、肌荒れが気になるときのお手入れによいという考え方があります。

また、軽い日焼け止め効果もあるので、紫外線が気になる人にもおすすめです。ただし、マカデミア種子油の日焼け止め効果はあくまで軽微なものなので、過信は禁物です。

特に外出時など長時間紫外線にさらされるときは、日焼け止めクリームも併用しましょう。

ヘアオイルとしても使える

マカデミア種子油は肌だけでなく、ヘアオイルとして髪にも使えます。肌と同様に、髪もマカデミア種子油を塗るとやわらかくなります

そのまま手のひらに伸ばしてなじませてもよいですが、洗い流さないトリートメントに混ぜると広範囲に行き渡らせやすいです。




マカデミア種子油でやわらか美肌を叶えた体験談

初めて買うならミニボトルがおすすめ

マカデミア種子油は原料がナッツ類なので、ナッツアレルギーの人にはアレルゲンになってしまうことがあります。

ですが、アレルギーは症状が軽微であったり、アレルゲンに触れる機会が少ないと気付かないこともあるので、本当はナッツアレルギーなのに自覚していない人もいるでしょう

そのため、マカデミア種子油を初めて買うときは、合わなかった場合を考えてミニボトルでお試しするのがおすすめです。

私も特に問題ないとは思いますが、化粧品に少しだけ入っているときには分からなくても、マカデミア種子油100%のオイルではトラブルが起こることもあるかもしれません。そこで、マカダミ屋の一番小さい20mlのものを買ってみました。

私が買ったのはAmazonでしたが、公式サイトだと送料無料・693円で販売しています。

手持ちのスキンケアに混ぜると塗りやすい

1回分の美容液とマカデミア種子油を手に取った状態です。これを均等に混ぜてから、ハンドプレスで顔全体になじませて使っています。

私の当面の目標は、ゴワつきの改善です。肌荒れすると鼻~頬の毛穴ゾーンの肌が硬くなり、毛穴の汚れが溜まりやすくなるのです。

そこでマカデミア種子油に目を付けたわけですが、1回の使用量はごく少量なので、手持ちの美容液と混ぜてから塗ると顔全体に行き渡らせやすいです。油と混ざるものであればよいので、油分を含むクリームや美容オイルなどと混ぜてもよいでしょう。

肌の状態や組み合わせるスキンケアによっても適量が異なりますが、乾燥肌の私は1回2滴を基本にしています。混ぜる美容液はしっとりした使い心地の「エトヴォス アルティモイストセラム」。

手のひらで均等に混ぜ合わせてから、ハンドプレスの要領で顔全体になじませて使っています

自前の皮脂のような肌なじみのよさ

マカデミア種子油を肌に塗ると、まるで自前の皮脂のようになじみます。スクワランオイルやベビーオイルは肌から浮く感じがしますが、マカデミア種子油は角層と一体になったかのようにしっとりと肌に溶け込み、シア脂に近い使用感が味わえます

そういえば昔、肌に必要な油分があった頃は、こんな感じの肌の感触だった気がします。

ゴワつきが落ち着き、なめらかな肌に

マカデミア種子油でお手入れ後、メイクしていない状態の画像です。

メイクのせいなのかマスクのせいなのか、このところ外出から帰ってくると酷く肌荒れしていることがあります。

先日もそれほど忙しかったわけでもないのに、まるで徹夜明けのときのように、肌がゴワついて毛穴の開きが目立ってしまっていました。小鼻の横も、捲れた角質と角栓でケバケバしています。一度こうなると、いつもは肌のコンディションが戻るのにかなりの日数がかかります。

ですが、今回は翌日にはゴワつきがだいぶ落ち着き3日ほど経つ頃にはなめらかでキメの整った肌に戻っていました。今のところはアレルギーなどもないようです。

肌をやわらかく保つことはさまざまなトラブルの予防に繋がるので、これからは肌のコンディションに合わせて、マカデミア種子油を上手に取り入れていきたいと思います。




髪のパサつきを抑えるのにもよい

マカデミア種子油は、髪のパサつきを抑えるのにもよいです。シャンプー後、洗い流さないトリートメント代わりに数滴なじませておくと、しっとりとして適度に重さのある髪になれます

強めのカチオン界面活性剤が入ったトリートメントを使ったときに似た手触りですが、カチオン界面活性剤に比べると「膜感控えめ」のライトなしっとり感です。

カチオン界面活性剤のような皮膚刺激もないので、安心して使えます。

ボディーケアに使えば全身マシュマロ肌も夢じゃない

マカデミア種子油はボディーのお手入れにも使えます。マッサージオイルとしても人気がありますが、私のおすすめはボディークリームなどに混ぜて保湿する方法です。

手足のカサつきが気になるときや、ヒジやかかとの硬さが気になるときにも、マカデミア種子油のエモリエント効果と柔軟効果が役立ちます。

私も手足に塗ってみてよかったので、次回は大きいボトルで買って、バスオイルとして全身に使おうと思っています。




マカデミア種子油のニキビへの影響

ニキビへの影響は賛否両論

マカデミア種子油のニキビへの影響については、「ニキビを悪化させる」という意見がある一方で「ニキビ改善によい」とする意見もあり、賛否両論です。

その理由は、マカデミア種子油には美肌に役立つ効果がある反面、ニキビの原因菌であるアクネ菌やマラセチア菌のエサになりやすい性質もあるからです。

個人的には、ニキビの原因の違いから、「思春期ニキビ」と「大人ニキビ」では、マカデミア種子油を塗ったときの影響の出方が違ってくるのではないかと考えています。

思春期ニキビ・脂性肌には合わない可能性大

10代の思春期ニキビは、成長期特有の活発な皮脂分泌が原因です。そのため、この時期のニキビを改善するには、正しい洗顔などによって過剰な皮脂を抑えることが必要になります。

肌の油分が多すぎる状態なので、スキンケアも油分を控えるのが基本です。マカデミア種子油などのオイルを塗るのも、基本的には控えた方がよいでしょう。

また、ニキビはなくても脂性肌の人の場合も、マカデミア種子油を塗ることで、ニキビや毛穴のトラブルが生じる可能性があります。

大人ニキビにはマカデミア種子油がよい可能性も

大人ニキビの場合は原因の一つが「肌の乾燥」なので、マカデミア種子油で保湿することで改善が見込める可能性が考えられると思います。

また、マカデミア種子油は肌をやわらかくするので、「毛穴が詰まりにくくなる」、「ニキビ跡が残りにくくなる」といった効果も期待できるでしょう。

ただし、上で書いたように「アクネ菌など皮膚常在菌のエサになる」という側面もあるため、ニキビが悪化する可能性も否定できません

したがって、大人ニキビが気になる人がマカデミア種子油を使う場合は、いきなり全顔に塗らず、最初は狭い範囲で試した方がよいでしょう。

それでニキビや毛穴の状態が悪くなるようなら、無理に続けず使用を止めてください。




マカデミア種子油の使用上の注意点

ナッツアレルギーの人は注意が必要

マカデミア種子油は原料がナッツ類なので、ナッツアレルギーの人は体質に合わない可能性があります。ですが、一口にナッツアレルギーといっても、どのナッツがアレルゲンになるかは個人差があります。

マカダミアナッツが自分のアレルゲンかどうかが分からない場合は、事前に医師に相談すると安心です。

なお、ナッツアレルギーでない人もマカデミア種子油が肌に合わない場合は、速やかに使用を中止しましょう。

塗りすぎは肌荒れの原因になる

マカデミア種子油は適量を塗れば美肌に役立ちますが、量をたくさん塗りすぎると、かえって肌荒れしてしまいます

私の場合は全顔に対して1~2滴だとキメが整って毛穴も目立ちにくくなりますが、3滴使うと肌荒れして毛穴も目立ってしまいました。

人によっても適量が異なると思いますので、最初は1滴から試して、自分なりの適量を探してみるとよいと思います。

冬季はオイルが固まることがある

マカデミア種子油は低温になると固まるため、冬季は固まってしまうことがあります。ですが、品質に影響はないので、溶ければ普通に使えます。

もしマカデミア種子油が固まってしまったときは、ホットタオルで容器を包むか、暖かい部屋に置いておき、ゆっくりと溶かしましょう。暖房などの高温で急に温めるのはよくないようです。

なお、マカダミ屋の実験によると、約5℃の冷蔵庫の冷蔵庫に6時間入れたところで、中身の1割程度が固まったそうです。

ホホバオイルなどに比べると固まりにくい方ですが、冬季は置き場所に気を付けた方がよいでしょう。

まとめ

マカデミア種子油は、オレイン酸とパルミトレイン酸を豊富に含む「油脂」です。安定性が高く、肌の上で酸化する心配が少ないため、スキンケアに適しています。

さまざまな美容効果が知られていますが、特筆すべきは肌や髪をやわらかくする効果です。肌なじみも非常によく、まるで自分の皮脂のように感じられるので、油分を足したいときにおすすめです。

ただし、たくさん塗りすぎるとかえって肌荒れするので、自分なりの適量を見極めることが大切です。

なお、ニキビへの影響は賛否両論で悪化の可能性もあるため、もしニキビ肌の人が試すのであれば、最初は狭い範囲で様子を見ると安心です。

この記事で紹介した商品の総評
マカダミ屋 マカダミアナッツオイル 20ml
 (4.5)

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