カテゴリー: 化粧品成分

  • アルコールフリー化粧品とは?アルコール・エタノールが入っていない化粧品の選び方

    アルコールフリー化粧品とは?アルコール・エタノールが入っていない化粧品の選び方

    「少し肌に付いただけで赤くなってしまうので、アルコールが入っている化粧品は使えない」、「アルコール入りのスキンケアは、揮発する感触やニオイが苦手」。

    化粧品に含まれるアルコールが苦手という人は、とても多いですよね。そこでここでは、化粧品のアルコールを避けたい人のために、アルコールフリー化粧品について解説します。

    アルコールフリー化粧品の定義や、アルコールフリー化粧品の選び方を知りたい人は参考にしてください♪




    アルコールフリー化粧品とは?

    エタノールが入っていない化粧品を指す

    化粧品における「アルコールフリー」とは、「エタノール(エチルアルコール)」が入っていない製品を指します。そのため、「エタノールフリー」といわれることもあります。

    エタノールには殺菌・収れん効果があり、その性質が化粧品にも多く利用されています。しかし、やや皮膚刺激が強い成分のため、敏感肌や乾燥肌の人が高濃度のエタノールを使用すると、刺激を感じたり肌が乾燥することがあります。

    また、体質的にアルコールにアレルギーを持つ人もいます。そのような人の場合は、少量のエタノールであってもアレルギー反応が出る可能性があります。

    アルコールフリーなのに「○○アルコール」が入っている?

    アルコールフリーが謳われている製品でも、成分表示を見ると「ベヘニルアルコール」や「フェノキシエタノール」など、「○○アルコール(エタノール)」という成分名が書かれていることがあります。

    アルコールフリー化粧品に含まれる「○○アルコール(エタノール)」は、構造上の特徴から「アルコール/エタノール」という名前が付いているものの、お酒や消毒薬のアルコールとはまったく性質が異なるものがいくつかあります

    アルコールやエタノールと紛らわしい成分名のもので、実際はアルコールとは別物の成分の代表的なものを挙げておきます。

    • ステアリルアルコールベヘニルアルコールセタノール:硬さ調整・乳化に使われることが多い成分
    • フェノキシエタノール:防腐剤の一種




    アルコールフリー化粧品のメリット

    エタノール入りのものに比べて低刺激

    アルコールフリーの化粧品のメリットの一つは、エタノール入りの化粧品に比べて刺激が少ないことです。

    特に注射の際のアルコール消毒でピリピリとした刺激を感じる人や、肌が赤くなる人は、アルコールフリーの化粧品の方が快適に使用できる可能性があります。

    美肌菌が残りやすい

    エタノールを排除することで、肌に必要な「美肌菌」が残りやすいメリットもあります。

    エタノールに殺菌効果があることは多くの人が知る通りですが、化粧品に配合されるエタノールは他の成分でだいぶ薄まっているため、そこまで強い殺菌力はありません。

    しかし、肌をすこやかに保つ上で欠かせない、「美肌菌」と呼ばれる常在菌を減らしてしまう可能性は考えられます。

    したがって、美肌菌を減らさないためには、エタノールが含まれない化粧品を使う方がよいでしょう。

    肌のうるおいが奪われない

    エタノールには高い揮発性があるため、肌に塗るとすぐに揮発します。揮発するときに肌の熱を奪うので、すーっとした清涼感も得られます。

    さっぱりとしてさわやかな使い心地が魅力ですが、揮発するときに肌の水分も奪ってしまうため、乾燥肌・敏感肌にはよくありません。

    乾燥が気になる肌質の人が使うなら、アルコールフリー化粧品の方が肌のうるおいが奪われないので適しています。




    アルコールフリー化粧品の選び方

    避けるのは「エタノール」「無水エタノール」「変性アルコール」

    アルコールフリー化粧品を選びたいときは成分表示を確認し、以下の成分が含まれていないかをチェックします。

    • エタノール(濃度95%以上のエタノール)
    • 無水エタノール(濃度99%以上のエタノール)
    • 変性アルコール(飲用への転用を防ぐため、臭気などを加えたエタノール)

    上記3つは純然たるアルコールですので、アルコールが苦手な人とは相性がよくありません。

    また、これらの成分が含まれていない化粧品は、商品説明に「アルコールフリー」「エタノールフリー」「アルコール無添加」などと書かれていることもあります。そうした表示を目安に選んでもよいでしょう。

    アレルギーでないなら、少量のエタノールは問題ない場合も

    アルコールフリー化粧品を選びたい人は、大まかに「肌に異常が出ることはないが、アルコールの刺激・使用感が苦手」という人と、「アルコールにアレルギーがある」という人がいるかと思います。

    アレルギーの場合は少量のエタノールであっても反応する恐れがあるため、一切のエタノールを避けた方がよいでしょう。

    ですが、単に使用感が苦手なだけの場合は、少量のエタノールであれば問題なく使えることもあります。アルコールによる乾燥が心配な人も、少量のエタノールであれば問題ないでしょう。

    成分表示の後ろの方にエタノールが出てくる製品は、基本的にエタノールは少量です。(ただし、医薬部外品は例外アリ。)そのため、アルコール特有のスーッとした感触はありません。

    揮発する感触が抑えられている製品もある

    エタノールが多く含まれる製品でも、処方によって揮発する感触が抑えられているものもあります

    アルコールフリー化粧品ではありませんが、単にアルコールの使用感が苦手なだけの場合は、こうした製品も選択肢に入れられるかもしれません。

    エタノール以外の苦手成分にも注意

    アルコールフリー化粧品であっても、他の配合成分によっては、必ずしも低刺激でないものもあります。

    苦手な成分が複数ある人は、エタノール以外にも苦手な成分が含まれていないかをよく確認しましょう。

    なお、化粧品は全成分表示が義務付けられていますが、医薬部外品は表示指定成分以外の記載がないことがあります。

    配合成分について不明な点がある場合は、苦手な成分を伝えた上で、メーカーに問い合わせてみるとよいでしょう。「○○の成分にアレルギーがあるのですが、この製品は使えますか?」と尋ねれば、ほとんどのメーカーは親切に教えてくれます。

    まとめ


    アルコールフリー化粧品とは、エタノールが含まれない化粧品を指します。化粧品のアルコールを避けたい人は、以下の成分が含まれていない製品を選ぶとよいです。

    • エタノール
    • 無水エタノール
    • 変性アルコール

    なお、アレルギーではなく、アルコールの使用感が苦手なだけの人の場合は、少量のエタノールなら問題なく使えることもあります。少量のエタノールまで避けなくても済むのであれば、その分選択肢が広がります。

    成分表示の後ろの方にエタノールが出てくるときは配合量が少ないので(医薬部外品は例外アリ)、可能な人はそうした製品にも目を向けてみるとよいでしょう。




  • 「紫外線吸収剤」と「紫外線散乱剤」はどっちがいい?メリット・デメリットを比較

    「紫外線吸収剤」と「紫外線散乱剤」はどっちがいい?メリット・デメリットを比較

    冬の終わりとともに、今年も徐々に紫外線が強まってきましたね。近年トレンドの紫外線防止成分といえば、酸化チタンや酸化亜鉛の「紫外線散乱剤」。

    肌にやさしいイメージがあるので人気ですが、実際は「紫外線吸収剤」が使われている日焼け止めクリームやファンデーションもたくさん売られています。

    「紫外線吸収剤」と「紫外線散乱剤」は、本当はどちらがよいのでしょうか?

    ここではメリット・デメリットを比較しながら、「紫外線吸収剤」と「紫外線散乱剤」のどちらを選ぶべきかを解説します。

    紫外線防止成分について正しく知りたい人は、参考にしてください♪



    紫外線「吸収剤」の特徴とメリット・デメリット

    紫外線「吸収剤」の特徴

    「紫外線吸収剤」とは紫外線を吸収し、化学反応によって熱など別の弱いエネルギーに変化させることで、紫外線が肌の細胞に浸透することを防ぐ成分です。

    「紫外線を吸収する」と聞くと、「何だか恐ろしげな未知のもの」というイメージを持つ人もいるでしょう。ですが、「特定の光を吸収する成分」は数え上がればキリがないほど、私たちの身近にたくさんあふれています。

    例えばリンゴが赤く見えるのは、リンゴの皮に緑や青など「赤以外の色の光」を吸収する成分が含まれていることで、赤い光だけが反射するからです。

    同様に青いシャツには、「青以外の色の光」を吸収する成分が含まれているので、私たちの目には青く見えます。

    紫外線「吸収剤」の種類

    現在使用されている主な紫外線吸収剤は、「オキシベンゾン」「メトキシケイヒ酸エチルヘキシル」、「t-ブチルメトキシジベンゾイルメタン」などです。いずれも化学的に合成された成分という意味で、「ケミカル」と呼ばれます。

    なお、地上に届く紫外線には「肌が赤くなるUV-B波」と、「肌が黒く焼けるUV-A波」の2つがあります。

    紫外線吸収剤は種類によって、「UV-B波の吸収にすぐれているもの」と「UV-A波の吸収にすぐれているもの」が存在します。

    紫外線「吸収剤」のメリット

    紫外線吸収剤のメリットは何といっても、紫外線防止効果の高さです。少量でもしっかり紫外線を防いでくれるので、屋外でのスポーツやレジャーにも安心です。

    透明なテクスチャーで白浮きしないことも、大きなメリットの一つ。たっぷり塗っても白くならないので、肌色や仕上がりを気にせずに使えます。日焼け止め特有のキシキシ感がないのも魅力です。

    紫外線「吸収剤」のデメリット

    肌の上で化学反応する性質上、敏感肌の人には刺激になることがあります。紫外線吸収剤自体も化学物質のため、化学物質に敏感な人には不向きでしょう。

    昔に比べて皮膚刺激が少ないものが使われるようにはなりましたが、デリケートな肌質の人は注意が必要です。

    また、紫外線吸収剤は化学反応するごとに分子が壊れていくので、塗って時間が経つと紫外線を防ぐ力が弱くなります。したがって、長く効果を持たせるには、特にこまめな塗り直しが必要です。

    さらに、紫外線吸収剤がサンゴにダメージを与えることも分かってきています。そのため一部の国や地域では、紫外線吸収剤が入った日焼け止めを規制する動きも出ています。



    紫外線「散乱剤」の特徴とメリット・デメリット

    紫外線「散乱剤」の特徴

    「紫外線散乱剤」は、紫外線を反射・散乱させることで、紫外線が肌に浸透するのを「物理的に防ぐ」成分です。

    肌にやさしいイメージがあるため、近年の日本では「紫外線散乱剤」が主流になっています。

    また、米国でも海洋生物や環境への影響を考えて、「紫外線散乱剤」を使用する製品が増えつつあるようです。

    紫外線「散乱剤」の種類

    紫外線散乱剤としてよく使われているのは、「酸化チタン」と「酸化亜鉛」です。金属由来の成分で化学的に合成されたものではないため、「ノンケミカル」と呼ばれます。

    白い粉体なので、ファンデーションなどの「白色顔料」としても使われています。

    紫外線「散乱剤」のメリット

    紫外線散乱剤はメイクアップ製品の顔料としても使われる低刺激な成分で、化学反応によって紫外線を防ぐ仕組みではないため、肌への負担が少ないことが大きなメリットです。

    「UV-A」、「UV-B」の両方を防げるのもメリットの一つ。化学反応せず、構造が壊れにくいため、「吸収剤」に比べると効果も長持ちします。

    ただし、汗や皮脂、こすれなどで落ちると効果が下がるため、定期的な塗り直しは必要です。

    紫外線「散乱剤」のデメリット

    紫外線散乱剤のデメリットは、「白浮き」と「きしみ」です。原料の粉体自体が白い色をしているため、肌に塗ると白く残りやすいのです。

    近年は原料の粉体を微粒子化できるようになったことで、白浮きはだいぶ軽減されました。しかし、それでも「吸収剤」のように無色透明に仕上げることはできません。

    また、「酸化チタン」には、紫外線などの光に当たると強い酸化力を発揮する問題もあります。

    「光触媒作用」と呼ばれるもので、酸化チタンを塗った状態で光を浴びると、「肌の上で活性酸素が発生→雑菌や化学物質などが分解される」という現象が起こってしまうのです。

    こうした現象が、肌に刺激になる場合もあるといわれています。

    化粧品工場で働く人に健康リスクが生じる可能性

    紫外線散乱剤として使われる「酸化チタン/酸化亜鉛」が微粒子化されるようになったことで、これらの原料を扱う工場で働く人の健康リスクも懸念されています。

    微粒子化といっても肌に浸透できるほどの小ささではないため、私たち消費者が普通に使用する分には問題ありません。

    しかし、製品に配合する前の粉体の状態の場合は、呼吸によって肺に侵入する可能性が考えられます。

    そのため、微粒子化された粉体が舞う工場で働く人の安全確保が課題になっています。

    なお、微粒子化された「酸化チタン/酸化亜鉛」を不安視する人が多く、製品化するためのルールも厳しいことから、ヨーロッパでは「紫外線吸収剤」が主流です。



    紫外線「吸収剤」と「散乱剤」の比較表

      紫外線「吸収剤」 紫外線「散乱剤」
    紫外線防止効果
    肌へのやさしさ
    仕上がり 無色透明 白浮きが気になる場合アリ
    使用感 なめらか キシキシした感触
    海外でも使えるか

    ※他の配合成分によっては使えない場合アリ。

    紫外線「吸収剤」「散乱剤」、どちらを選ぶべき?

    日焼け止めクリームなどに含まれる紫外線防止成分は大まかに、3パターンの使い方がされています。

    • 紫外線「吸収剤」のみを配合
    • 紫外線「散乱剤」のみを配合
    • 「吸収剤」と「散乱剤」を両方配合

    「吸収剤」「散乱剤」のどちらにも長所・欠点があるため、どちらが優れているとは一概にはいえません。肌質や成分の品質などによっても、どちらを選ぶべきかが変わってきます

    日焼け止め効果を重視するなら「紫外線吸収剤」

    日焼け止め効果を重視するのであれば、「紫外線吸収剤」が適しています。

    紫外線吸収剤は皮膚刺激が強いイメージがありますが、近頃は紫外線吸収剤をシリコーンなどでコーティングすることで、肌への刺激を抑える技術も開発されています

    そのため昔と違い、紫外線吸収剤が配合されているからといって、必ずしも刺激が強いとは限らなくなってきています。ですが、絶対大丈夫とも言い切れないため、肌との相性が心配な人は、サンプルなどでパッチテストをしてみるとよいでしょう。

    なお、紫外線吸収剤は時間とともに紫外線防止効果が低下していくため、使用する際は特にこまめな塗り直しが必要です。

    肌へのやさしさを重視するなら「紫外線散乱剤」

    肌へのやさしさを重視するなら、「紫外線散乱剤」がおすすめです。

    ですが、人によっては「散乱剤」が合わないこともあるため、すべての人に肌トラブルが起こらないわけではありません。こちらも必要に応じて、パッチテストをしてから使うと安心です。

    また、紫外線散乱剤は問題なく使えても、他に刺激の強い成分が配合されていることもあります。敏感肌の人や苦手な成分がある人は、成分表示をよく確認しましょう。

    化粧水などにも紫外線吸収剤が入っていることがある

    記事内容からは少し逸れますが、化粧水などの日焼け止め効果のない製品にも、紫外線吸収剤が入っていることがあります。これは、製品自体が紫外線によって劣化するのを防ぐためです。

    化粧品成分の中には紫外線に弱い成分があり、そうした成分が使われている製品には、変質を防ぐ目的で少量の紫外線吸収剤が配合されていることがあるのです。

    日焼けを防ぐ目的のときとは違い、配合量はごくわずかです。ですが、紫外線吸収剤にアレルギーがあるなど、少量でも反応してしまう人は注意が必要です。

    まとめ

    少し前までは「紫外線吸収剤」は皮膚刺激が強いとされていました。ですが、近頃は肌への刺激を抑えるための技術が開発されているので、「紫外線吸収剤」が配合されていても必ずしも刺激が強いとは限りません

    また、逆に肌にやさしいとされる「紫外線散乱剤」が合わない人もいます

    紫外線防止効果や仕上がり、使用感も異なりますし、どちらがよいかはケースバイケースなので一概にはいえません。

    記事を参考に、肌質や利用シーンなどを踏まえた上で自分に合った製品を選んでくださいね。




  • 化粧品の防腐剤は危険なの?「パラベンフリー」を選べば敏感肌にも安全?

    化粧品の防腐剤は危険なの?「パラベンフリー」を選べば敏感肌にも安全?

    「肌に悪い」といわれることの多い、化粧品の防腐剤。ですが、お店で売っている化粧品のほとんどは防腐剤が入っているので、不安になってしまいますよね。

    そもそも、化粧品の防腐剤は本当に危険なのでしょうか?パラベンなどの防腐剤を確実に避けるには、化粧品をどのように見分ければよいのでしょうか?

    ここでは、化粧品に含まれる防腐剤の肌への影響と、防腐剤を避けたい人が化粧品選びで注意すべきポイントを解説します。

    化粧品の防腐剤が心配な人は、参考にしてください♪



    なぜ化粧品に防腐剤を入れるの?

    防腐剤なしの化粧品は腐りやすい

    夏場に、飲みかけのミネラルウォーターや麦茶を腐らせてしまったことはないでしょうか?水はとても腐りやすいものの一つです。

    そして、化粧水など多くの化粧品には「基剤」として多量の水が配合されているため、そのままだと腐りやすいのです。「植物エキス」が配合されている化粧品も、菌のエサになるので腐りやすいです。

    化粧品を開封後に手の脂や汗、雑菌、ホコリなどの「菌・菌のエサ」が混入すれば、ますます腐りやすくなります。

    腐って変質した化粧品は、繁殖した雑菌が皮膚刺激や肌荒れなどのトラブルを引き起こすので使えません。見た目には分からなくても、肌に塗ると刺激を感じたり、かぶれたりなどの問題が起こります。

    自宅保管しても変質しない品質が求められる

    化粧品が私たち消費者の手に渡ったあとは、「一般の人による自宅保管」になります。そのため、「高温多湿を避ける」程度の素人管理でも、ある程度の期間は変質しない品質が求められます。

    特にシャンプーやボディーソープといった「浴室で保管される前提の製品」の場合は、湿度の高いお風呂場に置きっぱなしにしても、すぐには腐らないように作る必要があります。

    そこで活躍するのが防腐剤。防腐剤を配合することで菌の繁殖を抑え、化粧品が腐敗・変質するまでの期間を引き延ばしているのです。

    保管環境や使い方にもよりますが、品質が安定する期間の目安としては、使用期限の記載がある場合を除いて「未開封で3年・開封後は1年」です。

    例外として「油」は腐らない

    例外として油は基本的に腐らないため、油分のみで構成された美容オイルなどは、防腐のための成分は必要ありません。

    ただし、一見オイルのように見えても、植物エキスなどの腐りやすい成分が含まれている場合は、何らかの防腐対策が必要になります。



    防腐剤の肌への影響・危険性

    基本的には使用実績が長く、安全性も高い

    化粧品への配合が認められている防腐剤にはさまざまな種類がありますが、今日もっともよく使われている「メチルパラベンエチルパラベンフェノキシエタノール」の3つは、使用実績が長く、安全性も高く評価されています

    「パラベンフリー」を謳う化粧品が多数存在するのもパラベンが危険だからではなく、「旧表示指定成分のリストに掲載されていたせいで、消費者のイメージが悪いから」というのが主な理由です。

    「旧表示指定成分」というのは、「ごく稀にアレルギー等の皮膚トラブルを起こす可能性のある成分」です。1980年に作られた古いリストのため、パラベンのように後に「安全性にほとんど問題ない」とされた成分も含まれています。

    ほとんどの防腐剤には「殺菌作用」はない

    「化粧品の防腐剤は、美肌に必要な皮膚常在菌も殺してしまうからよくない」という情報を、見聞きしたことがある人も多いかと思います。

    ですが、化粧品に使われる防腐剤のほとんどには、「殺菌作用」はありません。即座に菌を殺すような強い作用はなく、「菌の繁殖を抑制・阻止することで、時間をかけて菌を減らし、最終的に死滅させる」という効き方が基本です。

    こうした作用を「静菌」といい、「殺菌」に比べると非常に穏やかです。

    ただし、例外的に「殺菌剤としての効果を併せ持つ防腐剤」も一部に存在します。デオドラント製品などに使われる「ベンザルコニウムクロリド」と、アクネ菌殺菌成分として知られる「イソプロピルメチルフェノール」です。

    稀にアレルギー症状を起こす人がいる

    化粧品に配合される防腐剤は、使用できる種類と配合上限が法律で制限されています。そのため、少なくとも国内の正規ルートで流通している化粧品の防腐剤は、ほとんどの人には問題のない成分です。(日本とは基準が異なる海外では、国内で使用禁止の防腐剤が使われることもあります。)

    ですが、だいたいどんな成分にも「肌質・体質に合わない人」というのは出てきます。化粧品の防腐剤も稀にアレルギー症状などを起こす人がいるので、その人たちにとっては「肌によくない成分」ということになります。

    また、体調不良などで肌の常在菌のバランスが乱れているときは、防腐剤によって肌に必要な善玉菌が減る可能性もあるでしょう。

    肌の調子がよくない人は気を付けた方がよい

    これまで普通に化粧品を使っていて特に問題がないのであれば、防腐剤についてそこまで神経質になる必要はありません。

    もともと化粧品の防腐剤は法律で細かく規制されているので、メチャクチャな防腐剤の使い方をしている化粧品メーカーはないはずです。

    ですが、体質や環境などで肌が敏感傾向に傾いているときは、多くの人にとって問題なく使える成分でも刺激になることもあります。

    したがって、敏感肌の人や肌の調子がよくない人は、なるべくなら防腐剤を避けると安心です。



    化粧品に使われる防腐剤の種類

    パラベン

    旧表示指定成分で、「パラオキシ安息香酸エステル」と書かれていたものがパラベンです。

    パラベンには複数の種類があり、代表的なところでは抗菌作用が弱い順に「メチルパラベン」「エチルパラベン」「プロピルパラベン」「ブチルパラベン」などがあります。

    少量で幅広い菌・微生物に効き、安全性の高さも実証されています。「たくさん入れなくても防腐できる」というところがポイントですね。

    フェノキシエタノール

    パラベンに比べると抗菌力は劣りますが、パラベンが効きにくいタイプの菌に効きます。効く菌の種類が違うため、パラベンとフェノキシエタノールが一緒に配合されることもあります。

    その他の防腐剤

    化粧品に使える防腐剤には他にも、安息香酸ナトリウム、サリチル酸、ソルビン酸カリウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、ヒノキチオールなどがあります。



    「防腐剤フリー」「パラベンフリー」でも防腐剤が入っている?

    パラベン以外の防腐剤が入っている場合

    「パラベンフリー」と書かれている製品の場合、「パラベン以外の防腐剤」が配合されていることがあります。パラベン以外でもっともよく見かけるのは、フェノキシエタノールです。

    「パラベンに限らず、防腐剤全般が肌に合わない」といった人の場合は、成分表示をよく確認すると安心です。

    防腐効果を持つ保湿剤などを使用している場合

    「防腐剤フリー」と書かれている製品には、「化学添加物としての防腐剤」の代わりに、「静菌作用を持つ保湿剤や植物エキス」を配合している製品もあります。

    こうした目的でよく使われる保湿剤は、「BG」や「ペンチレングリコール」、「1,2-ヘキサンジオール」、「1,3-プロパンジオール」です。

    植物エキスなら「甘草エキス」や「ラベンダー花エキス」、「ローズマリーエキス」などが該当します。

    これらの成分だけで防腐対策している製品もありますし、防腐剤の配合量を抑えるために、防腐剤と一緒に配合することもあります。

    防腐剤を使っていなくても、これらの成分が合わない人は注意が必要です。

    「キャリーオーバー成分」に要注意

    成分表示を見れば、どんな成分が配合されている化粧品なのかだいたいは分かります。しかし、「キャリーオーバー成分」は記載義務がないため、書かないメーカーがほとんどです。

    「キャリーオーバー成分」とは、「原材料の栽培・製造工程で、わずかに残る可能性のある成分」です。例えば、植物エキスを抽出するための「溶媒」などがそうです。

    化粧品の原材料によっては、キャリーオーバー成分にパラベンなどの防腐剤が含まれることもあります。したがって、成分表示に防腐剤の名前がなくても、キャリーオーバー成分としてわずかに含まれていることがあるのです。

    これはパッケージを見ても分からないので、情報が必要な場合はメーカーに問い合わせましょう。



    防腐剤を使わない化粧品の特徴

    使用期限の記載がある

    もともと腐る心配が少ない製品は別として、例えば化粧水などの傷みやすい製品に防腐のための成分を入れない場合は、品質を安定させられる期間が極端に短くなります。

    特に3年以内に変質する恐れがある製品については、使用期限の記載が義務付けられています

    菌が入り込みにくい容器

    防腐剤を使わない化粧品はカビや雑菌に弱いため、菌が入り込みにくいよう容器に工夫されていることが多いです。

    開封されるまで密封状態が保たれる仕様の容器や、中身が空気に触れにくいエアレスポンプ容器などです。

    ただし、防腐剤が入っている化粧品でもエアレスポンプなどが使われていることもあるため、見た目だけでは防腐剤無添加かどうかは判断できません。

    まとめ

    多くの化粧品にとって、防腐剤は菌の繁殖を抑えて変質を防ぐ上で、大切な役割を担っています。

    化粧品に使用できる防腐剤は種類や配合上限が決められており、ほとんどの種類は即座に菌を殺すような強い作用はありません。肌に悪いイメージの強いパラベンやフェノキシエタノールも、実際は使用実績が長く、安全性が高く評価されているものです。

    したがって、これまで問題なく化粧品を使えているのであれば、防腐剤に対してそこまで神経質になる必要はないでしょう。

    ですが、防腐剤が肌に合わない人の場合は、成分表示に書かれない「キャリーオーバー成分」にも注意する必要があります。




  • 化粧品に含まれる高分子ヒアルロン酸の効果は?低分子ヒアルロン酸とはどう違うの?

    化粧品に含まれる高分子ヒアルロン酸の効果は?低分子ヒアルロン酸とはどう違うの?

    私は最近、化粧品成分について学ぶ中で、「高分子ヒアルロン酸」という言葉に出会いました。ヒアルロン酸といえば代表的な保湿成分の一つですが、「高分子」と付くと途端にどういうものか分からなくなりませんか?それに、確か「低分子」という言葉もあったはず・・・。

    「高分子ヒアルロン酸」とはいったい何なのか?「低分子ヒアルロン酸」とはどう違うのか?

    そんな疑問を解決したくて詳しく調べましたので、今回はその内容を紹介します。化粧品に含まれるヒアルロン酸について知りたい人は、参考にしてください♪



    高分子ヒアルロン酸とは?

    高分子ヒアルロン酸の特徴

     

    高分子ヒアルロン酸とは、ムコ多糖類の一種です。簡単にいうと納豆やオクラなどの「ネバネバ」の主成分で、水に溶けやすい性質を持ちます。

    自然界にもともとあるもので、人間の体内にもいたるところに存在します。特に目・皮膚のうるおいや、関節のなめらかな動きに大きく関わっており、人体の機能を正常に保つ上で欠かせない成分の一つです。

    ちなみに「高分子」とは、分子量が大きいことを意味します。したがって「高分子ヒアルロン酸」をもう少し化学っぽく説明するなら、「分子がたくさんつながったヒアルロン酸」ということになります。

    高分子ヒアルロン酸の効果

    高分子ヒアルロン酸の特徴は、高い保水力。ヒアルロン酸は分子量が大きくなるほど、水分を抱え込む力が高くなります。

    また、分子量が大きいので、肌に塗っても角質に浸透しません。そのため、肌表面にうるおいの膜を張って保護し、内部の水分の蒸発を防ぐ効果があります。



    低分子ヒアルロン酸とは?

    低分子ヒアルロン酸の特徴

    低分子ヒアルロン酸とは、自然界に存在する「高分子ヒアルロン酸」に人工的に手を加えることで、分子量を小さくしたものです。

    低分子ヒアルロン酸の効果

    低分子ヒアルロン酸は分子量が小さいため、肌に塗ったときに角層に浸透しやすい特徴があります。そのため、スキンケアなどに配合すると、肌の内側からうるおう効果が期待できます



    高分子ヒアルロン酸と低分子ヒアルロン酸の違いとは?

    一番の違いは「分子量」

    高分子ヒアルロン酸と低分子ヒアルロン酸のもっとも大きな違いは、「分子量」です。

    高分子ヒアルロン酸は分子がたくさんつながっていて大きく、低分子ヒアルロン酸は分子が少ししかないので小さいです。

    真珠のネックレスまるごとが高分子ヒアルロン酸」、「ネックレスをブチブチと短く切って、真珠数個ずつの長さにバラしたものが低分子ヒアルロン酸」と考えると分かりやすいでしょう。

    使用感と効果も違う

    ヒアルロン酸の分子量によって、使用感も異なります。高分子ヒアルロン酸は「しっとり」低分子ヒアルロン酸は「さっぱり」した感触です。

    また、高分子ヒアルロン酸は分子量が大きく分解されにくいため、保湿効果を長く持続させたいときに向いています。

    一方、低分子ヒアルロン酸は角層の内部までうるおいを届けることができますが、高分子ヒアルロン酸のように肌表面に保護膜を作ることはできません。また、高分子ヒアルロン酸に比べて分解されるスピードが速いため、効果の持続時間も劣ります。



    ヒアルロン酸の種類

    化粧品の成分表示を見て、「ヒアルロン酸Naと加水分解ヒアルロン酸はどう違うの?どうして両方配合されているの?」などと疑問に思ったことはないでしょうか?

    ヒアルロン酸は「どんな状態に加工されているか」によっていくつかの種類があり、種類によって特徴や効果が異なります

    そのため、化粧品では配合する目的によって複数のヒアルロン酸が使い分けられており、2種類以上のヒアルロン酸が同時に配合されることもあります。

    【ヒアルロン酸の種類】

    • ヒアルロン酸Na
    • 加水分解ヒアルロン酸
    • アセチルヒアルロン酸Na
    • ヒアルロン酸ヒドロキシプロピルトリモニウム

    ヒアルロン酸Na

    高分子ヒアルロン酸と呼ばれるもので、肌表面にうるおいの保護膜を作ります。化粧水などに配合すると、ごく少量であってもとろみが出ます。分子量が大きなものほど、粘り気が強くなります。

    化粧品に配合されるヒアルロン酸としてはもっとも多く利用される種類で、単に「ヒアルロン酸」というときは、このヒアルロン酸Naを指す場合が多いです。

    なお、化粧品の成分表示では「ヒアルロン酸Na」と記載しますが、薬用化粧品では「ヒアルロン酸ナトリウム」と記載する決まりになっています。

    加水分解ヒアルロン酸

    低分子ヒアルロン酸と呼ばれるもので、上のヒアルロン酸Naを分解して小さくしたものです。「浸透型ヒアルロン酸」と呼ばれることも。

    アセチルヒアルロン酸Na

    水に溶けやすいヒアルロン酸Naに油性成分をくっつけることで、水になじみやすい部品と油になじみやすい部品を持たせています。

    肌なじみがよく、保水力と柔軟性もヒアルロン酸Naよりすぐれています。ヒアルロン酸Naの約2倍の保水力を持つことから、「スーパーヒアルロン酸」とも呼ばれています。

    ヒアルロン酸ヒドロキシプロピルトリモニウム

    「+」の電気を持たせることで、肌や髪に残りやすくしたヒアルロン酸です。髪にしっかり吸着されてキューティクルを剥がれにくくするため、ヘアトリートメントに使用されます。

    化粧下地などの肌に塗る製品にも使用されることがありますが、+に帯電することで皮膚刺激が強くなっているため、毛髪以外への使用は控えた方がよいでしょう。



    ヒアルロン酸配合の化粧品の選び方

    どの種類のヒアルロン酸が配合されているのか

    これまで述べてきたように、ヒアルロン酸は種類によって使用感や効果が異なります。したがってヒアルロン酸配合の化粧品を選ぶときは、「どの種類のヒアルロン酸が配合されているのか」を確認することが大切です。

    例えば、さっぱりした使い心地を求めている人には「加水分解ヒアルロン酸」が適していますが、しっとりした使用感を求めるなら「ヒアルロン酸Na」の方が適しています。

    その他の美容成分も目的に合っているか

    化粧品の中には、ヒアルロン酸と他の美容成分を組み合わせたものも数多く販売されています。一番人気はシワ改善・ブライトニング・抗肌荒れ効果を持つ「ナイアシンアミド」です。

    ブライトニングや抗酸化であれば、「ビタミンC」も人気です。乾燥肌にはバリア機能をサポートする「セラミド」や「ヘパリン類似物質」などがよいでしょう。

    必要に応じてヒアルロン酸以外の成分にも注目し、自分の肌悩みに合った成分が組み合わされているものを選ぶとより効果的です。

    ヒアルロン酸が肌に合わない人もいる

    ヒアルロン酸はもともとヒトの体内にも存在するため、基本的にはアレルギーなどの心配が少なく、安全性の高い成分です。

    しかし、ヒアルロン酸による皮膚炎が起こる人も稀にいます。また、ヒアルロン酸は問題なかったとしても、一緒に配合されている別の成分が合わないこともあるでしょう。万全を期すのであれば、使用前にパッチテストをすると安心です。

    まとめ

    高分子ヒアルロン酸はしっとりとした使用感で、肌表面にうるおいの保護膜を作れる成分です。化粧品の成分表示名は「ヒアルロン酸Na」または「ヒアルロン酸ナトリウム」です。

    そして高分子ヒアルロン酸を分解して小さくすると、低分子ヒアルロン酸になります。こちら肌に浸透しやすいため、角質内部にうるおいを届けたいときに向いています。成分表示名は「加水分解ヒアルロン酸」です。

    ヒアルロン酸は種類によって使用感や効果が異なるので、肌悩みに合った種類が配合されている化粧品を選ぶとよいでしょう。




  • 「無添加化粧品」「オーガニックコスメ」なら安全?敏感肌のための賢い化粧品の選び方

    「無添加化粧品」「オーガニックコスメ」なら安全?敏感肌のための賢い化粧品の選び方

    「敏感肌だけど、無添加と書いてある化粧品を買えば大丈夫?」、「お店で『これはオーガニックコスメなので肌にやさしくておすすめ』と言われた」。

    何となく肌にやさしそうなイメージを持つ人も多い、「無添加化粧品」と「オーガニックコスメ」。ですが、無添加化粧品やオーガニックコスメであれば、間違いなく安全な化粧品なのでしょうか?

    ここでは安全な化粧品を選びたい人のために、「無添加化粧品」と「オーガニックコスメ」について、定義とメリット・デメリットを解説します。

    「無添加化粧品」、「オーガニックコスメ」の選び方と注意点も解説するので、参考にしてください♪



    無添加化粧品の定義とメリット・デメリット

    もともとは「表示指定成分無添加」のことだった

    今よりも化粧品の品質がずっと低かった1970年代は、化粧品で肌トラブルを起こす人も多く、中でもタール系色素が原因の「女子顔面黒皮症」が大きな問題となっていました。

    そこで1980年に当時の厚生省が定めたのが、「※表示指定成分」というルールです。「表示指定成分」とは、それまでにアレルギーなどの報告があった102種類の成分のことで、該当する成分を配合したらパッケージに記載する決まりになりました。

    そうした流れで登場したのが、「アレルギーの報告があった成分は使っていない表示指定成分無添加化粧品」です。これが無添加化粧品の始まりです。

    ※現在は旧表示指定成分102種類に香料を加えた、合計103種類が表示指定成分とされています。

    現在の無添加化粧品には明確な定義がない

    現在は、「無添加化粧品」に明確な定義はありません。これは、2001年に化粧品の成分表示のルールが変わったことが大きく影響しています。

    以前は「旧表示指定成分」に該当する成分だけ表示すればOKでしたが、2001年4月からは全成分表示が義務付けられました。(薬用化粧品のみ、表示指定成分の記載だけでも可。)

    「表示指定成分」の定義も、香料を加えた103種類に増えたので、以前とは少し変わっています。

    さらに、紫外線吸収剤など最近になってイメージダウンした成分や、合成ポリマーなどの新しく開発された成分もあるため、現在は無添加化粧品の定義は非常にあやふやな状態になっています。

    無添加化粧品で排除されやすい成分

    無添加化粧品の基準はメーカーによってまちまちですが、「アレルギーや皮膚障害の可能性があるとされる成分」が排除されるのが一般的です。

    また、実際は安全性が高いとされている成分でも、消費者のイメージが悪いという理由で排除される成分もあります。

    「無添加」と書かれている化粧品から排除されることが多い成分には、以下のものが挙げられます。

    • 旧表示指定成分
    • 石油系合成界面活性剤
    • 防腐剤(パラベン)
    • 鉱物油
    • エタノール
    • 紫外線吸収剤
    • 合成香料
    • 合成着色料




    無添加化粧品のメリット

    • 添加物による肌荒れ・アレルギーを回避できる
    • 添加物による肌ストレスがないため、美容成分の効果が発揮されやすい

    無添加化粧品を使うメリットは、概ねこの2つに集約されます。

    無添加化粧品のデメリット

    • 防腐剤無添加だと腐りやすくなる
    • 原料臭が気になることがある
    • 値段が高くなりやすい

    製品の処方にもよるので一概にはいえませんが、無添加化粧品のデメリットはだいたいこの3つでしょうか。

    こうした欠点を抑えるため、無添加化粧品では防腐剤の代わりに静菌作用のある保湿剤を配合したり、あるいは精油で香り付けすることで原料臭を消すなどの工夫がされていることがあります。

    「どの成分が無添加なのか」を確認して選ぶ

    無添加化粧品はメーカーが自由に定義を決められるため、「どの成分が無添加なのか」がメーカーや製品によって異なります

    例えば、こんな例があります。

    【無添加化粧品A】

    合成着色料・合成香料無添加だが、パラベンは配合されている

    【無添加化粧品B】

    石油系界面活性剤・パラベンは無添加だが、エタノールが多く配合されている

    「無添加化粧品A」はパラベンが肌に合わない人には向きませんし、「無添加化粧品B」はエタノールに過敏症がある人は使えません。しかし、無添加化粧品と呼ぶための統一ルールはないため、どちらも無添加化粧品と表示できます。

    したがって化粧品を選ぶときは「無添加」という言葉に惑わされず、自分が苦手な成分が排除されているかどうかをしっかり確認することが大切です。



    オーガニックコスメの定義とメリット・デメリット

    日本にはオーガニックコスメの明確な定義がない

    オーガニックコスメも肌にやさしいイメージがあるため、好む人が増えています。しかし、日本ではオーガニックコスメにも明確な定義がありません

    「オーガニック=有機の」という意味であることから、有機栽培された植物が使われているものをオーガニックコスメと呼ぶのが一般的、という程度です。「有機栽培」とは、農薬や化学物質を使わない栽培方法を指します。

    国や業界が定める統一の基準はないため、有機栽培の植物が一つしか使われていなくてもオーガニックコスメと表示できるのです。

    海外ではオーガニックコスメの認証団体がある

    日本ではオーガニックコスメの統一基準がありませんが、海外にはオーガニックコスメの認証団体が多数あります。

    団体によって基準が異なりますが、それぞれ具体的で明確な基準が設けられています。代表的な団体名をいくつか挙げてみましょう。

    • コスモス(COSMOS):欧州5団体による、オーガニックと自然化粧品の世界統一基準を決めるための組織。2010年設立の新しい団体だが、すでに24,000以上の製品をカバー。
    • エコサート(ECOCERT):1991年にフランスで設立。世界最大規模の認証団体。
    • エーシーオー(ACO):オーストラリアで2002年設立。もっとも厳しいオーガニック認証の一つ。

    国内でも、海外でオーガニック認証を受けている化粧品が流通しています。オーガニックであることにこだわるのなら、信頼できる団体が認証している製品に注目してみるとよいでしょう。



    オーガニックコスメのメリット

     

    • 化学肥料や農薬を使わない=化学物質を排除できる可能性が高い
    • 使用感をよくする成分など、「余計な成分」が使われていないことが多い
    • 洗浄系アイテムは洗浄力がマイルド
    • 精油が配合されていることが多く、植物本来の香りが楽しめる

    化学物質を避けたい人や、必要最低限の成分で構成されたシンプルな処方の化粧品を選びたい人は、オーガニックコスメの中から探してみると理想に近い製品が見つかるかもしれません。

    オーガニックコスメのデメリット

    • 化学物質・合成成分が一切使用されていないとは限らない
    • 植物成分が多く含まれることで、かえって刺激やアレルギーが出ることがある
    • 防腐剤が使われていないか配合量が少ないため、雑菌が繁殖しやすい
    • 原料コストが高いため、製品価格が高くなりやすい

    いいことずくめのイメージが強いオーガニックコスメですが、デメリットもあります。特に注意が必要なのは、「必ずしも肌にやさしいとは限らない」という点です。

    オーガニックを謳う化粧品でも添加物や化学物質が含まれている製品もありますし、最大のアピールポイントである「植物」にアレルギーを持つ人も少なからず存在します。

    オーガニックだからと過信せず、成分表示を確認して選ぶ

    オーガニックコスメといっても、必ずしもすべての人が安全に使えることが保証されているわけではありません。

    そのため、オーガニックコスメだからと過信せず、成分表示をしっかり確認して選ぶことが大切です。

    特に肌が弱い人は、パッチテストも行うとよいでしょう。不純物が含まれていないかなど、成分表示だけでは分からないこともあるからです。

    また、オーガニック系のシャンプーやメイク落としは洗浄力が低いため、ハードな整髪料や落ちにくいメイクは落とせない可能性があります。

    洗浄系のアイテムにオーガニックコスメを使いたいのであれば、メイクなども落としやすいものを選ぶようにしましょう。

    まとめ

    「無添加化粧品」の定義はメーカーによって異なり、必ずしも刺激の強い成分すべてが排除されているとは限りません。したがって、無添加だからとやみくもに信用するのではなく、「どの成分が無添加なのか」をよく確認することが大切です。

    また、肌へのやさしさが期待される化粧品には「オーガニックコスメ」もありますが、こちらも日本には統一の基準がありません。そのため、必ずしも化学物質がまったく含まれないとは限りませんし、そもそも植物にアレルギーがある人もいるため、オーガニックだから安全とは言い切れないのが本当です。

    オーガニックコスメについても成分表示をよく確認し、肌に合ったものを選ぶようにしましょう。




  • シリコーンは毛穴に詰まって肌に悪い?化粧品やシャンプーに配合する効果とデメリット

    シリコーンは毛穴に詰まって肌に悪い?化粧品やシャンプーに配合する効果とデメリット

    「シリコンは毛穴に詰まって薄毛の原因になるらしい」「専門家を名乗る人がシリコンは安全と言っていた」、「男性はクレンジングしないから、シリコン入りのスキンケアは避けるべき?」。

    化粧品やシャンプーに関する話題で登場するシリコンは、正しくは「シリコーン」と呼びます。さて、このシリコーンですが、専門家の間でもまったく正反対の意見が飛び交っているため、どちらが正しいのか消費者としては判断に困ってしまいますよね。

    そこでここでは、化粧品やシャンプーに含まれるシリコーンについて、効果とデメリットを解説します。シリコーンの肌や髪への影響を知りたい人は参考にしてください♪



    そもそもシリコーンとは?

    化粧品ではシリコーンオイルを指す

    「シリコーン(Silicone)」とは、一言でいうと有機ケイ素化合物のことです。人工的に作られる化合物で、自然界には存在しません。

    シリコーンにはオイル状のものやゴム状のもの、樹脂状のものがあり、有機基の種類によって特性や効果が異なります

    安全性・安定性が高いため、調理器具や医療用品など、幅広い分野で利用されています。

    そして、化粧品成分の世界でシリコーンといえば、オイル状の「シリコーンオイル」を指します

    化粧品によく使われるシリコーンには、メチコンやジメチコン、シクロメチコン、シロキサンなどがあります。

    シリコン?シリコーン?どっち?

    「シリコン」と「シリコーン」はどちらも英語ですが、それぞれ全く違う単語でスペルも異なります。

    • シリコン=Silicon
    • シリコーン=Silicone

    当然、それぞれの単語が指す意味も異なります。「シリコン(Silicon)」とは、「ケイ素」です。ケイ素はミネラルの一種で、地殻に多く含まれる「元素」です。人間の体内にも存在します。

    そして、「シリコンから作られる化合物」が「シリコーン(Silicone)」なのです。

    したがって、化粧品の成分の場合は「シリコーン」と呼ぶのが正しいです。ですが、「シリコン」と呼ぶ化粧品メーカーもあるなど、国内では厳密に使い分けられていない場面もあります。

    シリコーンにはいろいろな種類がある

    シリコーンにはいろいろな種類のものがあり、種類や状態によって性質が異なります。ここでは肌への影響を知る観点から、大まかに2つのタイプに分けて考えてみたいと思います。

    • 鎖状シリコーン肌に長くとどまる。ジメチコン、アモジメチコンなど。
    • 環状シリコーン時間とともに揮発して肌から消える。揮発することで、肌表面に被膜を形成。シクロペンタシロキサンやシクロメチコンなど。




    シリコーンを化粧品やシャンプーに配合する効果

    スキンケアやファンデーションのベタつきを抑える

    シリコーンの大きな特徴の一つは、「さらっとした感触」です。そのため、油分を多く含むウォータープルーフの日焼け止めやファンデーションなどは、ベタつきを抑えて使用感をよくするためにシリコーンが配合されているのが一般的です。

    保湿クリームなどのスキンケア製品でも、さらっとした使用感にするためにシリコーンを配合することがあります。

    また、シリコーンは撥水性が高く、油にも溶けないため、メイクが汗・皮脂で落ちるのを防ぐ効果もあります。

    ハリつや感の演出・毛穴など凹凸のカバー

    シリコーンは皮膚や毛穴から体内に浸透することはなく、肌の表面に残ります。

    肌の上にシリコーンの被膜が形成されることで、一時的にハリつや感が演出され、毛穴などの凹凸がカバーされる効果が得られます。

    シリコーンが肌を覆っている間だけの効果で、根本的に肌を改善するものではありませんが、「今すぐシワっぽさや毛穴を消したい」というときには簡単で便利です。

    毛髪同士の摩擦を軽減し、ツヤを与えてサラサラにする

    シャンプーなどのヘアケア製品にも、シリコーンがよく使われています。ヘアケア製品に含まれるシリコーンの役割の一つは、洗髪・すすぎの際の毛髪同士の摩擦を軽減すること。

    さらに、髪にツヤを与えて指通りをよくし、サラサラとした手触りにする効果もあります。髪が絡まりにくくなって摩擦も少なくなるので、ヘアダメージを抑えたいときに向いています。

    ただし、スキンケアなどと同様に、こちらも髪にシリコーンが付着している間だけの一時的な効果です。毛髪自体を補修・改善する効果はありません。

    アレルギーが起こりにくい

    化粧品成分としてのシリコーンオイルの大きなメリットには、アレルギーが起こりにくい成分であることも挙げられます。

    すべての人にアレルギーが起きないわけではありませんが、シリコーンオイルにアレルギーを持つ人は5000万人に1人程度とする情報があります。



    シリコーンは毛穴に詰まる?肌荒れする?

    シリコーンはまだ分からないこともある

    結論からいうと、シリコーン自体は肌に悪くないという考え方が現在の化粧品業界の主流なのかな、という感じです。

    ただ、シリコーンは比較的新しい素材で、化粧品に使われるようになったのもわずか45年ほど前のこと。化粧品成分としては歴史が浅いため、まだ分かっていないこともあるようです。

    そのため少なくとも今の段階では、「シリコーンは無害」と言い切るのも、逆に「シリコーンは悪」と断言するのも、客観的で冷静な意見とはいえないように思います。

    そもそもシリコーンの種類や状態によっても性質が違うので、一括りに語るのは少し乱暴ですし、肌質などの個人差によってもよいか悪いかが違ってくるでしょう。

    「鎖状シリコーン」はコメド・ニキビの原因になる

    シリコーンには生分解性がないため、ニキビの原因となるアクネ菌の餌になりにくいといわれています。

    しかし、アクネ菌は酸素のない環境を好む嫌気性です。シリコーンの被膜によって酸素が遮断されれば、アクネ菌にとって住みやすい環境になりそうです。

    そうしたことが影響しているのか分かりませんが、「鎖状シリコーン」が配合された化粧下地などを使うと、コメドやニキビができてしまう人もいます

    シリコーンが直接的に毛穴を詰まらせるのとは違いますが、コメド・ニキビができやすい人は、ジメチコン、アモジメチコンなどの「鎖状シリコーン」が含まれるメイクアップ製品は避けた方がよいでしょう。

    「環状シリコーン」は毛穴を塞がない

    「鎖状シリコーン」がコメドの原因になることが分かってきたため、最近のメイクアップ製品は揮発性があって肌に残らない「環状シリコーン」が選択されることが増えてきました。

    「環状シリコーン」は、シクロペンタシロキサンやシクロメチコンなどです。このタイプのシリコーンは時間とともに揮発して肌から消えるため、化粧下地などに配合しても毛穴を塞ぐ心配がありません

    ただし、「揮発するときに肌を乾燥させるのでは」という意見はあります。

    スキンケアに含まれる少量の「鎖状シリコーン」は問題なし

    メイクアップ製品の「鎖状シリコーン」はコメド・ニキビができやすい人は注意が必要ですが、スキンケア製品にも質感調整のためにジメチコンなどの「鎖状シリコーン」が配合されることがあります。

    ですが、オールインワンジェルなどの保湿アイテムに含まれる少量の「鎖状シリコーン」に関しては、コメドの原因になるなどの問題はないとされています。

    あくまで「配合量が多いと、コメド・ニキビができる場合アリ・・・」ということだと考えればよいでしょう。

    シリコーンの被膜の中の皮脂が酸化する可能性はある

    シリコーン自体で肌荒れすることはないと考えられていますが、シリコーンの被膜の中で、古くなった皮脂が酸化して肌トラブルを引き起こす可能性は指摘されています。

    被膜形成型のシリコーンを配合したスキンケアやメイクアップは、あまり長く塗ったままにしておくと、被膜の中で皮脂などの汚れが変質する可能性があるのです。

    クレンジングで落としきれなかったシリコーンも、周りに付着した皮脂が酸化することで、肌荒れを引き起こすことが考えられます。

    メイクアップだけでなく、スキンケアの場合も同様です。シリコーンの被膜ができるタイプの保湿クリームなどを使うときは、毎日の洗顔・入浴で定期的に被膜を洗い流した方がよいでしょう。



    シリコーンの髪への影響は?

    髪に蓄積する「ビルドアップ」が起こることがある

    コンディショナーやヘアトリートメントに含まれるシリコーンでは、髪に蓄積する「ビルドアップ」が起こることがあります。

    ビルドアップが起こると髪が硬くなり、うねりが出たりパーマがかかりにくくなるといわれています。

    ですが、基本的にはヘアケア製品のシリコーンはしっかり洗えば落ちるので、ビルドアップが疑われるときは洗浄力が高めのシャンプーでリセットするとよいです。

    また、ノンシリコーン製品でもビルドアップは起こります。ノンシリコーンシャンプーなどはシリコーンの代わりに、指通りをよくする「ポリクオタニウム-10」が配合されるのが一般的ですが、この「ポリクオタニウム-10」も髪に蓄積することがあるのです。

    細い髪・毛量が少ない髪はペタッとしてしまう

    基本的にはヘアケア製品に含まれるシリコーンが、髪や頭皮にダメージを与えることはないといわれています。ですが、「シリコーンと相性の悪い髪質」というのはあります。

    シリコーンと相性が悪いのは、細い髪や毛量が少ない髪です。

    シリコーンに覆われることで一本一本の髪の毛が重くなるため、全体的にペタっとして、余計にボリュームが乏しくなってしまうのです。



    被膜によって補修成分・美容成分の浸透を妨げる可能性

    シリコーンは、髪や肌に被膜を形成することでさまざまな効果を発揮します。ですが、そのデメリットとして、毛髪補修成分や美容成分の浸透を妨げる可能性が指摘されています。

    被膜タイプのシリコーンが配合されたヘアトリートメントやスキンケアを使うときは、他のアイテムとの使用順序を工夫することが大切です。

    美容液などの成分が弾かれては困るアイテムを先に使い、シリコーンの被膜ができるアイテムは仕上げに「フタ」として使うとよいでしょう。

    シリコーンは落としにくい?

    ヘアケア・スキンケアのシリコーンは洗浄料で落とせる

    シャンプーなどのヘアケアやスキンケアに含まれるシリコーンは、クレンジングしなくても石鹸などの洗浄料で洗えば落とせます

    そのため、少なくともヘアケアやスキンケアのシリコーンがいつまでも肌に残り続けることは、基本的にはないと考えられます。

    ただし、シリコーンは撥水性が高く水に溶けないため、湯シャンや水洗顔では落ちない可能性が高いです。

    したがって、入浴や洗顔の際に洗浄料を使わない人は、シリコーン入りのヘアケアやスキンケアは避けた方がよいでしょう。入浴・洗髪が1日置きなどの人も注意が必要です。

    落ちにくいメイクは強いクレンジングが必要になる

    シリコーンが落としにくいといわれる主な原因は、「落ちにくいメイク・日焼け止め」です。

    落ちにくさを謳うファンデーションや化粧下地、日焼け止めなどは、そもそも油分が多く含まれているために、洗浄力の高いクレンジングが必要になることが多いです。

    シリコーン自体も、化粧もちを高めるために分子が大きく落としにくいものが使われる傾向があります。

    こうした製品を落とすには洗浄力が高い=肌を乾燥させやすいクレンジングを使うことになるため、メイク落としの工程で肌に負担がかかります。

    シリコーンはモノによって落としやすさが違う

    ここまで読んで、「シリコーン入りのメイクアップや日焼け止めに強いクレンジングが必要なら、スキンケアやシャンプーのシリコーンも普通に洗っただけでは落ちないのでは?」と疑問に思った人もいるでしょう。

    実は一口にシリコーンといっても、種類や分子サイズによって落としやすさがまったく違ってきます。種類によって落としやすいものとそうでないものがあり、同じ種類でも分子の大きさによって落としやすさが異なるのです。

    そのため、スキンケアやシャンプーなどの「クレンジングを使わずに落とす前提の製品」には、落としやすいタイプのシリコーンが選択されるのが一般的です。



    肌だけでなく、環境に対する課題もある

    シリコーン自体は安全性の高い化粧品成分とされており、メリットが大きいのも確かです。しかし、環境に対する課題はあります。

    先ほど少し触れましたが、シリコーンは生分解性がないため、下水処理場でも微生物によって分解されることがありません。化学反応による劣化もしにくい物質なので、土中や海中に放出されるとそのまま自然環境の中に残り続ける可能性が高いのです。

    特に環境への影響が懸念されているのは、シクロテトラシロキサンやシクロペンタシロキサン、シクロヘキサシロキサンなどの「環状シリコーン」です。

    そのため、「洗い流す製品には環状シリコーンを配合しない」など、自主的に規制を設けているメーカーも存在します。

    まとめ

    化粧品に配合されるシリコーンには多くの効果・メリットがあり、基本的には安全性も高いといわれています。

    ですが、歴史が浅い成分でまだ分からないこともあるため、現段階では「無害」とも「悪」とも断言できないのが本当のところではないかと思います。肌質などの個人差でも、合う人・合わない人がいる可能性もあります。

    そのため、専門家を名乗る人の意見であっても鵜呑みにせず、最終的には各自で判断するのがもっとも後悔が少ないのではないでしょうか。

    記事を参考に、化粧品のシリコーンとどう付き合っていくのか、あるいは避けるのか、自分なりの正解を探してみてくださいね。




  • 化粧品の界面活性剤は肌に悪い?界面活性剤の肌への影響と役割・付き合い方

    化粧品の界面活性剤は肌に悪い?界面活性剤の肌への影響と役割・付き合い方

    化粧品の骨格を作る上で、重要な役割を果たしている界面活性剤。ですが、界面活性剤に関するネガティブな情報も多いため、不安に感じている人もいるのではないでしょうか。

    そこでここでは、界面活性剤に不安を感じている人のために、界面活性剤の肌への影響について解説します。

    また、化粧品における界面活性剤の役割と、界面活性剤との上手な付き合い方にも触れていきます。化粧品の界面活性剤が不安な人は、参考にしてください♪



    界面活性剤とはそもそも何なのか?

    本来混ざり合わない性質の物質同士を、混ぜるためのもの

    水と油を一つのコップに注ぐと、分離して境目ができますね。こうした物質同士の境目を、「界面」と呼びます。界面活性剤とは、「界面」の性質を変えることで、本来混ざり合わない物質同士を混ぜる性質を持ちます

    例えば、乳液は水分と油分をバランスよく肌に与えることを目的としたアイテムですが、水と油だけで乳液を作ろうとしても、分離してしまって上手くいきません。

    そこで役に立つのが界面活性剤です。界面活性剤は「水になじみやすい部品」と「油になじみやすい部品」を持っているので、水分と油分に界面活性剤を加えると、均等に混ざり合った乳液を作れるのです。

    卵や石鹸は、身近な界面活性剤の一種

    界面活性剤というと、「人工的に合成された特異なもので、ものすごく体に悪いもの」というイメージを持っている人も多いかもしれません。

    ですが、実は界面活性剤は自然界にも存在します。例えば、マヨネーズに入っている「卵」がそうです。マヨネーズの材料は、お酢・植物油・卵黄。お酢と植物油だけでは分離してしまうため、卵黄の持つ「乳化作用」を利用して作ります。

    赤ちゃんの重要な栄養源である「母乳」にも、カゼインやリン脂質という名の界面活性剤が含まれていて、母乳を消化しやすい状態にするのに役立っています。

    また、自然物ではありませんが、古来から世界中で利用されている「石鹸」も、代表的な界面活性剤の一つです。

    「石油由来の合成界面活性剤」だけを指す場合も多い

    卵や母乳の例で分かるように、界面活性剤にはさまざまな由来のものがあります。大豆に含まれる「レシチン」なども界面活性剤です。

    ですが、特にネガティブなニュアンスで界面活性剤というときは、「石油由来の合成界面活性剤」のみを指す場合も多いです。

    そのため、「石油系界面活性剤は使用していません」などと書かれている製品であっても、石油由来以外の界面活性剤は含まれていることがあります。



    化粧品における界面活性剤の役割

    界面活性剤のさまざまな働き

    界面活性剤にはさまざまな働きがあり、種類によっても働きが異なります。界面活性剤でできることには、以下のものが挙げられます。

    • 洗浄
    • 可溶化
    • 乳化・乳化補助
    • 柔軟
    • 帯電防止
    • 殺菌

    化粧品の成分を、均等に混ざった状態で安定させる

     

    化粧品における界面活性剤の主な役割の一つは、成分を均等に混ぜた状態で安定させることです。

    界面活性剤を入れることで、水性成分と油性成分が分離せずに混ざり合った状態を長期間維持できるため、乳液やリキッドファンデーションのような、水と油がムラなく混ざった製品が作れるのです。

    肌の汚れやメイクを落とす

    水だけでは落ちない余分な皮脂やメイクを落とすのも、界面活性剤の重要な役割です。界面活性剤の持つ油になじみやすい部品が、皮脂やメイクの油分を包み込んで浮かせてくれます。そして、水になじみやすい部品も持っているので、水やぬるま湯ですすげばさっと洗い流せるのです。

    もしも石鹸や洗顔料などの界面活性剤がなければ、肌に蓄積された汚れがくすみやニキビなどのトラブルを引き起こしたり、見た目の美しさを損なったりするでしょう。

    近頃人気のミセラーウォーターなども、界面活性剤の働きを利用したアイテムです。洗浄作用を持つ界面活性剤が含まれているので、コットンで拭き取るだけで肌の汚れやメイクを除去できます。

    スキンケアの浸透を助ける

    界面活性剤には、スキンケアの肌への浸透を助ける役割もあります。

    健康な肌には皮脂膜があり、角層のバリア機能もしっかり働いています。そこに化粧水などのスキンケアを塗っても、肌の油分に弾かれてしまって浸透できません。

    そのため、スキンケアの浸透を助ける目的で、化粧水や美容液などに少量の界面活性剤を含ませることがあります。界面活性剤の油になじむ部品の働きで、スキンケアが皮脂に弾かれてしまうのを防いでいるのです。

    静電気を防いで髪をやわらかくする

    ヘアコンディショナーやトリートメントを使うと、髪質がよくなったりまとまりやすくなったりするのも、界面活性剤の恩恵によるところが大きいです。

    コンディショナーやトリートメントに使われる界面活性剤は、「カチオン型界面活性剤」といって、髪の水分保持力を高めることで静電気を防ぎ、やわらかくしっとりとした質感を作ります



    界面活性剤を完全に避けるのは難しい

    化粧品の多くは水性成分と油性成分で作られている

    界面活性剤を不安に感じる人の中には、「界面活性剤を完全に避けたい」と考えている人もいるでしょう。ですが、化粧品を使う以上は、界面活性剤を完全に避けることはとても難しいです。

    何故なら、大半の化粧品は水性成分(≒水)と油性成分(≒油)で作られているため、水と油を均等に混ぜるために界面活性剤が必要になることが多いからです。むしろ化粧品成分の世界では、「界面活性剤は、化粧品のベース成分の一つ」として扱われているほど、その役割は無視できないものになっています。

    ごく一部には「一切の界面活性剤を排除した化粧品」も販売されていますが、選択肢は非常に限られます。

    問題視されているのは「石油系合成界面活性剤」

    一般の人には悪の代名詞のように思われてしまっている界面活性剤ですが、すべての界面活性剤が危険なわけではありません。問題視されているのは、「石油系合成界面活性剤」だけです。

    【主な石油系合成界面活性剤】

    • 高級アルコール系:成分名に「~硫酸」などが付くもので、シャンプーに多用される。ラウリル硫酸Naやラウレス硫酸Na、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウリル硫酸TEA(トリエタノールアミン)など。
    • α-オレフィンスルフォン酸Na:高級アルコール系に近いタイプの、洗浄系界面活性剤。安全性が高いとされているが、皮膚刺激は強いとされる。

    石油系合成界面活性剤は低コストなのがメリットですが、洗浄力が非常に強く、肌への浸透性も非常に高いため、“美肌菌”と呼ばれる常駐菌を減らしてしまう可能性があり、バリア機能の低下も招くといわれています。

    そのため、石油系合成界面活性剤は極力避けた方がよいかもしれません。ですが、それ以外の界面活性剤に関しては、アレルギーなどで肌質・体質に合わないのでない限りは、そこまで神経質にならなくてよいでしょう。



    界面活性剤の種類と、肌への影響

    界面活性剤は、「水になじみやすい部品=親水基(疎油基)」と「油になじみやすい部品=親油基(疎水基)」でできています。

    そして、界面活性剤は水に溶けたときの親水基のイオン状態によって、大きく4種類に分類できます。どのタイプの界面活性剤なのかによって、皮膚刺激の強さも変わってくるため、敏感肌の人は知っていると便利です。

    少し専門的な内容ですが、それぞれの違いを簡単に説明していきましょう。

    陰イオン・アニオン型界面活性剤

    水に溶かすと親水基が陰イオンになる界面活性剤です。主に洗浄力や泡立ちが、化粧品に利用されています。ボディーソープや洗顔料、シャンプーの他、台所用洗剤や衣料用洗剤にもよく使われる種類です。

    記事の最初の方で「石鹸も界面活性剤の一つ」と言いましたが、石鹸はアニオン型界面活性剤に分類されます。

    アニオン型界面活性剤は皮膚刺激が比較的弱いとされますが、種類によっても刺激の強さが変わってきます。アニオン型界面活性剤の中でも、アミノ酸系やタンパク系のものは、肌への刺激が特に弱いとされています。

    陽イオン・カチオン型界面活性剤

    水に溶けたときに、親水基が陽イオンになる界面活性剤です。柔軟・帯電防止・殺菌作用といった働きを持つため、コンディショナーやトリートメント、制汗剤などに利用されています。化粧品以外では、衣類の柔軟剤や消毒剤などにもよく使われます。

    肌や髪に吸着されて長くとどまることもあって、皮膚刺激はやや強め。トリートメントや柔軟剤を使用する際は、肌に付着させないよう注意した方がよいでしょう。

    両性イオン・アンホ型界面活性剤

    両性イオン型は、水に溶けたときの親水基のイオン状態が、pHによって変わります。酸性のときはカチオン型界面活性剤、アルカリ性のときはアニオン型界面活性剤の性質が現れます。

    化粧品への配合目的は、洗浄・乳化補助肌への刺激が弱く、マイルドな洗浄力を特徴とするため、ベビー用シャンプーや高級シャンプー・コンディショナーに多用されています。泡立ちもやや弱めです。

    洗浄力・泡立ちを向上させるために、他の界面活性剤と組み合わせて配合されることもあります。

    シャンプーでは「ベタイン系シャンプー」と呼ばれるものが両性イオン型です。

    非イオン・ノニオン型界面活性剤

    水に溶けても、親水基がイオン化せず、他の界面活性剤と組み合わせやすい性質を持ちます。化粧品への配合目的は乳化・可溶化・増粘

    イオン化しないため、肌への刺激はほとんどないといわれています。化粧水や乳液、クリームなどの成分表示でよく見かけるタイプの界面活性剤です。

    見分け方は、成分名の最後に「~グリセリル」「~水添ヒマシ油」と付いている成分が非イオン界面活性剤です。



    界面活性剤との付き合い方

    皮膚刺激が少ない洗浄成分に注目して選ぶ

    界面活性剤の肌への影響が気になるのは主に、シャンプーやボディーソープなどに含まれる「洗浄成分」としての界面活性剤ではないでしょうか。洗浄系の界面活性剤は種類によって、洗浄力や肌への刺激の強さが異なります

    肌へのやさしさを重視したいのであれば、アミノ酸系やタンパク系の洗浄成分が配合されているものを選ぶとよいでしょう。洗浄力や泡立ちは弱めですが、髪や肌を労わりながら洗えます。

    また、「ベタイン系シャンプー」なども、肌への刺激が弱い両性イオン型界面活性剤が洗浄成分なので、敏感肌の人にも使いやすいです。

    避けた方がよいのは、高級アルコール系。石鹸系の洗浄成分も脱脂力が強いことがあるため、注意が必要です。

    手早く洗ってしっかりすすぐ

    洗浄系の界面活性剤が長く肌に乗っていると、負担がかかります。髪や顔、体を洗うときは手早く洗い、洗浄料が肌に残らないようしっかりすすぎましょう

    特に髪の生え際やうなじ、フェイスラインや耳の後ろなどは、すすぎ残しが出やすい個所です。泡が残っていないか触って確認しながら、よく洗い流しましょう。

    トリートメントは地肌に付着させない

    界面活性剤の中でも、特に肌への刺激が強めなのが、コンディショナーやトリートメントに含まれるカチオン型界面活性剤です。

    コンディショナーやトリートメントを使うときは地肌に付かないよう、髪だけに塗布しましょう。(説明書に「地肌にも使える」と書かれているものは別です。)

    また、生え際やうなじ・耳の後ろなどのすすぎ残しも、肌トラブルの原因になることがあります。すすぎの際はヌルつきが残っていないか確認しながら、よく洗い流しましょう。

    なお、シャンプーのときは頭を下に向けて洗うと、肌にシャンプーやトリートメントが付きにくいです。

    カチオン型界面活性剤が入っていないトリートメントを選ぶ

    トリートメントなどに含まれるカチオン型界面活性剤は、触って分かるほど明らかに髪の質感が向上します。ですが、皮膚刺激が比較的強いため、肌に付かないように気を付けても合わない人もいるでしょう。

    どうしてもコンディショナーやトリートメントが合いにくい場合は、カチオン型界面活性剤が入っていない製品を選ぶ方法もあります。

    ~クロリド」や「~アンモニウム」といった成分名のものがカチオン型界面活性剤なので、成分表示にそういう名前がない製品を探してみるとよいでしょう。

    一例として、「カウブランド 無添加トリートメント しっとり/さらさら」や、「ミノン薬用コンディショナー」などはカチオン型界面活性剤不使用です。

    皮膚刺激が少ない界面活性剤一覧

    最後に、肌への刺激が少ない界面活性剤の種類と見分け方をまとめておくので、製品選びの参考にしてください。

    • アミノ酸系:成分名に「~グルタミン酸」「~アラニン」「~グリシン」などが付く。洗浄成分。
    • タンパク系:成分名に「~加水分解ケラチン」「~加水分解コラーゲン」「~加水分解シルク」などが付く。洗浄成分。
    • 両性イオン型:成分名の最後に「~ベタイン」と付く。ベタイン系シャンプーなどの洗浄成分。
    • 非イオン界面活性剤:「~グリセリル」「~水添ヒマシ油」と付くもの。化粧水や乳液、クリームなどによく使われる。

    まとめ

    界面活性剤というと肌に悪いイメージがありますが、危険とされているのは「石油系合成界面活性剤」のみです。

    石油を原料とするもの以外の界面活性剤については、肌に合わないのでなければそこまで神経質にならなくてもよいでしょう。

    また、界面活性剤は種類によっても、皮膚刺激の強さが異なります。そのため、一つの種類が肌に合わなくても、別の種類の界面活性剤なら問題なく使えることもあります。

    上手く付き合えば生活や美容に役立つ便利な存在でもあるので、記事を参考に賢く活用してくださいね。