私事ですがしばらく前に、原因不明の肌荒れが急に収まったことがありました。生活習慣やスキンケアは特に変えておらず、それまでと一つだけ違っていたのは「カルシウムの摂取量が増えたこと」でした。
やけに「骨ごと食べられる系の魚」が食べたい日が続いたため、ほとんど毎日のように煮干しやサバ缶を口にしていたのです。
そこでもしやと思い、調べてみると案の定、カルシウムは肌に大きく影響するという情報が得られました。
せっかくなので今回は、調べた情報をもとにカルシウムと肌の関係について解説しようと思います。
カルシウム補給できる簡単お料理レシピも紹介するので、肌荒れに悩んでいる人はぜひ参考にしてください♪
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カルシウムと肌の関係
ターンオーバーを整えて強い肌を作る
カルシウムというと、歯や骨を作る栄養素というイメージがありますが、肌の健康とも深く関わっています。
私たちが普段「肌」として目で見ているのは、肌表面の「角質層」です。角層には、乾燥や紫外線などの外的刺激から肌内部を守る役割があります。
「角質細胞」となる細胞は表皮の一番奥にある基底層で生まれ、有棘層(ゆうきょくそう)→顆粒層→角質層の順に通過しながら成長し、少しずつ肌表面に向かって押し上げられていきます。
そして角質層の下の、顆粒層の細胞が角質細胞に変わるときに、「トランスグルタミナーゼ」という酵素が働きます。 この「トランスグルタミナーゼ」を活性化させる栄養素が、カルシウムなのです。
カルシウムが十分に届いている肌は、必要十分な角質細胞が毎日補充されるため、外的刺激に強いだけでなく、キメが整ってうるおいに満ち、なめらかで美しく見えます。
カルシウム不足はバリア機能の低下の原因に
肌のカルシウムが不足すると、角質細胞の成長に関わる酵素が上手く働かなくなるため、充実した角質が作れなくなります。
その結果、ターンオーバーが乱れてバリア機能の低下や乾燥、肌荒れなどが起こります。
したがって、敏感肌や乾燥肌などの悩みがある人は、カルシウムを補うことにも意識を向けてみるとよいかもしれません。
また、「思い当たる原因がないのに、肌の調子が悪い」という人も、カルシウム不足を疑ってみると解決する可能性があります。
安眠を促すことで美肌を作る
カルシウムには神経の興奮を鎮める働きもあるため、神経過敏や不眠によい栄養素としても知られています。
良質な睡眠が美肌に欠かせないことは、言わずもがな。カルシウムは安眠を促すという意味でも、美肌に欠かせない栄養素といえるでしょう。
また、カルシウムには過敏になった神経の感受性を緩和することで、ストレスを和らげる効果もあるといわれています。ストレスは肌荒れの原因の一つなので、カルシウムでストレスを軽減することも肌荒れの改善に繋がります。
カルシウムの補い方
食べ物で補う
カルシウムは肌だけでなく、全身の健康にも必要なものなので、毎日の食事で補うのがもっとも理想的です。
口から食べた栄養素は、体のどこで使われるかを自分で決められないため、どのくらい肌に届くか不確定ではあります。ですが、自然な摂取方法なので、同じものばかり大量に食べるなどしない限りは副作用などのリスクが少ないです。
カルシウムが多く含まれる食品には、乳製品や野菜、豆類などがあります。特に焼き豆腐、わかさぎ、牛乳、小松菜は、カルシウムが非常に多く含まれます。
なお、カルシウムは成長期の子供に必要なイメージがありますが、成人してからも骨の細胞は少しずつ入れ替わるため、大人にも大切な栄養素です。
特に女性は閉経を迎えると、骨密度が低下する「骨粗鬆症」のリスクが高まるため、骨粗鬆症の予防策としてもカルシウムが必要です。
サプリメントで補う
サプリメントにも、カルシウムが摂れるものがいろいろなメーカーから売られています。体調不良などで食事から十分な栄養素が取れないときは、サプリメントでカルシウムを補うのもよいでしょう。
ですが、栄養摂取の手段は、あくまで食事がメイン。サプリメントばかりでは栄養が偏りますし、質の悪いサプリメントでかえって健康を害することもあります。
そもそも食べることは生きることの基本になるため、そこをあまり疎かにするといろいろなことが歪んでしまい、美肌からも遠ざかってしまいます。
化粧品で補う
種類はあまり多くありませんが、カルシウム入りの化粧品も売られています。
肌にダイレクトにカルシウムを届けたいなら、こうした商品も検討してみるとよいかもしれません。
カルシウム補給できる簡単お料理レシピ
カルシウムを多く含む食材を使った、お料理レシピを2つ紹介します。どちらも難しくないので、自炊を始めたばかりの人にも作っていただけると思います。
【林 弘修 監修】小松菜と厚揚げのおひたし
小松菜と厚揚げは、どちらもカルシウムを豊富に含む食材です。入手しやすい食材で作れて、飽きずに食べられる味付けなので、定番の副菜として覚えておくと便利です。
- 小松菜 2株(作り方の画像を参照)
- 厚揚げ 60g(1/4枚)
- 水(茹でる用) 適量
- 水(冷やす用) 適量
- (A)水 50ml
- (A)しょうゆ 大さじ1/2
- (A)みりん 小さじ1
- (A)本だし 小さじ1/2
つゆの染みた厚揚げが、小松菜のエグ味を消してくれます。小松菜が苦手な人でも食べやすいです。
冷蔵庫に入れて、翌日に食べても美味しく召し上がれます。
【林 弘修 監修】焼きチーズ豆腐
絹ごし豆腐でも作れますが、カルシウム補給を目的とするなら、木綿豆腐がおすすめです。絹ごし豆腐に比べて、約2倍のカルシウムが含まれています。
包丁いらずで手早く作れるので、遅く帰ってきた日のメインディッシュにも。
- 木綿豆腐1丁(350g)
- (A)マヨネーズ 大さじ1(約12g)
- (A)にんにくチューブ 小さじ1/2(約2.5g)
- ピザ用チーズ 20g
- 黒コショウ 少々 おこのみで
にんにくを避けたい場合は、和がらしに変更しても作れます。
さっぱりとした木綿豆腐に、黒コショウのアクセントを効かせています。冷蔵庫で保存すれば、翌日まで美味しく食べられます。
炭水化物を控えたいときの、主食代わりにもおすすめです。