男性のための香水の選び方・付け方。自分の好きな香りが分かるお手軽サブスクも紹介!

この記事を書いた人
小鳥遊 文子
コスメコンシェルジュ

【保有資格】 ・2022年~:日本化粧品検定1級 ・2023年~:特級コスメコンシェルジュ/化粧品成分上級スペシャリスト(化粧品成分検定1級) 化粧品を信仰しない、フラットな目線からの記事作成を心掛けています。

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香水といえば以前はほぼ女性のためのアイテムで、男性はごく一部のオシャレな人が使う程度でした。ですが、近頃は20代・50代を中心に、男性の間でも香水を楽しむ習慣が浸透しつつあります。

自分に似合う香水を上手に使いこなせたら、とてもスマートで素敵ですよね。とはいえ、ファッションアイテムの中でも、少々難しいアイテムであるのも事実。特に使い慣れないうちは、付けすぎなどの失敗もしやすいです。

そこでここでは、男性のための香水の選び方・付け方を解説します。自分の好きな香りを知りたい人に便利な、香水サブスクも紹介します。

香水初心者を脱却したい人は、参考にしてください♪




香水(フレグランス)とは?

 

香りを楽しむための製品にはさまざまな用途のものがありますが、「香水」または「フレグランス」と呼ばれるのは、「肌に付ける香り製品全般」です。

アルコールを溶剤とする液状のものが主流ですが、スティックタイプやワックスのような形状の「練り香水」など、いくつかの形状が存在します。また、液状のものでもアルコールを含まないものもあり、「~ウォーター」などの商品名で販売されています。

また、後ほど詳しく説明しますが、香水は香料の濃度によっても、「オーデコロン」「オーデパルファム」など4つの種類に分類されます。

男性が香水を付ける理由は3つ

20代・50代を中心に、男性にも香水利用者が増えている

香水はもともと、「体臭を隠すためのもの」としてヨーロッパで使用されていました。一方、体臭が薄い人が多く、水質などの入浴環境にも恵まれた近代の日本では、「主に女性のファッションアイテム」という扱いになっていたように思います。

ですが、近頃は男性の間でも香水の人気が高まってきています。特に都心では、男子学生がよい香りの香水を付けて電車に乗っている、という光景も頻繁に見かけるようになりました。

また、ファッションに敏感な20代だけでなく、生活に余裕が出てきた50代男性にも香水利用者が増えているのだそう。

日本の男性たちが香水を付けるようになった理由は、主に3つあるといわれています。

  1. コミュニケーション・身だしなみ
  2. 気分転換
  3. 自己表現・自信を持つため

①コミュニケーション・身だしなみ

男性が香水を利用する理由の一つは、「コミュニケーション」だといわれています。 香水は清潔な印象を与えるための「身だしなみ」であると同時に、自分の個性を伝える手段としても使えます。

そのため、コミュニケーションのためのツールとして、香水を使う男性が増えているのです。

人によっては、「恋のお相手によい印象を持ってもらうため」ということもあるでしょう。特に恋愛対象が女性の場合、女性は香りに敏感な人が多いため、香水を上手に使いこなすと効果的なこともあるようです。

②気分転換

気分転換のためのアイテムとしても、男性の間で人気が高まっています。穏やかな香りでリラックスしたり、あるいは爽やかな香りでアクティブな気分を促したりといった使い方ですね。

忙しい毎日を過ごす人が、オンオフを切り替えるためのツールとしても香水は役立ちます。

③自己表現・自信を持つため

男性が香水を使う理由には、「自己表現」もあります。自分のキャラクターや与えたい印象に合った香りを纏うことで、「自分はこういう人間」と周囲にアピールする手段になります。

また、「汗臭さや体臭を感じさせない、よい香りの自分」でいることで、自信を持ちたいという理由もある模様。 冒頭の「コミュニケーション」にも通じますが、香水を纏うことで自分に自信が持てれば、仕事の場でも恋愛でも、より積極的に他人と関わることができますね。




最初は「シーン別に3本」揃えるとよい

香水はたくさん種類があるので、慣れないうちは「どれを買えば・・・?」と迷ってしまいますよね。

好きな香りのもの、興味のある銘柄のものを気分の趣くままに買ってもよいですが、上手に使いこなしたいと考えているのであれば、まずは「シーン別の3本」を揃えるとよいです。

  1. 日常使い用
  2. 気分転換用
  3. 特別なとき用

①日常使い用

毎日の出勤前やジム帰りなど、日常的に使用するための香水です。もっとも使用頻度が高いので、自分が心地よく感じられて飽きずに使える香りを選ぶのがよいでしょう。

職場で利用する場合は、個性が強すぎず、あまり好き嫌いが分かれない香りであることも考慮するとよいです。

ただし、職場・職業によっては勤務中は香水が使えないこともあるため、その点は注意が必要です。事前に社則を確認するか、判断に悩むようなら上司に尋ねてみるとよいでしょう。

②気分転換用

週末や就寝前などに使う、気分転換用の1本もあるとよいでしょう。職場で使うものとは違い、基本的に「自分のための香り」になるため、純粋に趣味に走ってもOKです。

いつもと違う香水も、相性や香り立ちの傾向が分かるまで、この枠で試してみるとよいです。 「春夏向きの香り」「秋冬向きの香り」を使い分けることで、季節感を楽しむのもよいものです。

ただし、寝香水として使うものだけは、あまり嗅覚が疲れない香りのものを選ぶようにしましょう。

③特別なとき用

余裕があれば、「よそ行き用」の香水も持ってみましょう。大切なデートのときや、改まったパーティーなどにドレスアップするための香水です。

もっとも濃度の濃い「パルファン」を選ぶと、よりフォーマルな印象になります。香調は落ち着いたウッディ系がおすすめ。

ただし、食事が主役の席の場合は、香水は付けないのがマナーです。香水の匂いがあると、他の人が食事の味や香りが分からなくなってしまうからです。




香水の種類

濃度による種類

 

香料の濃度(賦香率)

香りの持続時間

特徴

パルファン

Parfum Extrait

15~30%

5~7時間

濃度が濃く、深みがあり、少量で長く香る。

パフューム、パルファムとも。

オードパルファン

Eau de Parfum

Esprit de Parfums

7~15%

4~6時間

濃度が高く、少量で長く香る。

近年人気のタイプ。

オードパルファムとも。

EDPと略称が記載されている場合アリ。

オードトワレ

Eau de Toilette

5~10%

3~4時間

比較的カジュアルで気軽に使える。

もっとも一般的なタイプ。

EDTは略称。

オーデコロン

Eau de Cologne

2~5%

1~2時間

カジュアルなタイプ。

全身にたっぷり使えるライトな香り。

香水は香料の濃度によって、濃い方から順にパルファン、オードパルファン、オードトワレ、オーデコロンの4種類があります。

ですが、香水の濃度の分類については法律などによる統一ルールはなく、ブランドや調香師が自由に決められます。そのため、一般的な目安は上記の表のようになっていますが、必ずしもこの通りとは限りません。

例えば最近は「オーデパルファン」が人気のため、コロン並みのライトな香りのものがオーデパルファンとして売られていることもありますし、逆に比較的軽いはずのオードトワレの香りが翌日まで持続することもあります。

したがって、実際の香りの強さ・持続時間は自分で嗅いで確かめるか、難しい場合は口コミを参考に判断するのがよいでしょう。

また、情報源によっても目安とされる濃度と持続時間の数値が多少異なるため、上記の表も絶対的なものではありません。

香調による種類

「香調(ノート)」といって、香りのタイプで分類する方法もあります。「フローラルノート」「シトラスノート」などと呼ばれるものがそうです。

また、香調は「主香調」と「副香調」に分けられます。ほぼレディース香水にしか見られない香調もありますが、ざっと見てみましょう。

主香調

シトラス

オレンジやレモン、ベルガモットなどの柑橘類の香り。苦手な人が少なく、もっとも無難な香り。

グリーン

青草をもんだような香り。爽やかで落ち着いた印象。

シングルフローラル

ローズやジャスミンなど、1種類の花で構成される香り。

シンプルでカジュアルな印象。

フローラルブーケ

複数種の花の香りを組み合わせたもの。華やかさ・優雅さが感じられる。レディース香水に多い。

フローラルアルデハイド

花の香りに、合成香料のアルデハイドを合わせた香り。シャネルの「N°5」が有名。

シプレー

オークモス(苔)とシトラスをベースに、フローラルやアニマリックを組み合わせて作られる。

 

フゼアノートの女性用という位置付け。

オリエンタル

オポポナックスやアンバー、バルサム、スパイスなどを効かせた、甘く濃厚でエキゾチックな香り。

フロリエンタル

フローラル系香料と、オリエンタル系香料を組み合わせて作られる。甘さのある個性的な香り。

副香調

フルーティー

柑橘系以外のフルーツの香り。夏向きのレディース香水に多い。

アルデハイディック

脂肪族の合成香料アルデハイド(アルデヒドとも)を使用した香り。少量で香りに深みが出る。

パウダリー

おしろいのような、粉っぽさが感じられる香り。

ウッディ

サンダルウッドやシダーウッドなど、樹木の香り。知的で落ち着いた印象を与えるので、ビジネスシーンにもマッチ。

モッシィ

オークモスなどの苔の香り。湿った土のような、重厚でクラシカルなイメージ。

スパイシー

クローブ、ナツメグ、シナモン、ペッパーなどのスパイスの香り。個性的な香水が多い。

タバックレザー

葉巻煙草と皮革を想起させる香り。ダンディーな男性のイメージ。

バルサミック

樹脂・樹液の香り。甘くて深く、重厚。

アニマリック

アンバーやムスクなどの、動物性香料の香り。官能的な香りとされる。

 

動物愛護の観点から、現在は合成香料で代用されている。

メンズフレグランスの代表的な香調4つ

 

香調

特徴

代表的な香水

マリンノート

海を連想させる爽やかな香り。夏向き。

ブルガリ/アクア プールオム マリン オードトワレ

 

ドルチェ&ガッバーナ/ライトブルー プールオム

 

ジバンシィ/ウルトラマリン

フゼアノート

シダ植物をイメージした香りで、湿った土のような重めの香り。

 

昔の男性用整髪料の匂いに似ている。

 

ラベンダーやオークモスの「クマリン」という成分を中心とした調香が特徴。

 

ハーバル、ウッディ、マリン、フローラルとの組み合わせが一般的。

ラルフ ローレン/ポロ

 

カルバン クライン/CK-be

 

シャネル/エゴイストプラチナム

レザーノート

レザージャケットなどの「革製品」を連想させる香り。

 

渋く落ち着いた印象で、ウッディやオリエンタルと相性がよい。

 

スモーキーなタバコノートと組み合わせることも。

ブルガリ/ブルガリ ブラック

 

ペンハリガン/テリブル テディ オードパルファム

 

グッチ/グッチ バイ グッチ プールオム

ウッディノート

シダーウッドやサンダルウッドなど、樹木の穏やかで落ち着いた香り。

 

樹木の種類によっても香りの個性が異なる。

 

シトラスやスパイシーなど、さまざまな香りと組み合わせられる。

シャネル/ブルー ドゥ シャネル

 

ディオール/ソヴァージュ オードゥ トワレ

 

ジバンシィ/ジェントルマン オンリー

メンズフレグランスによく使われる香調には、他にもシトラスなどもあります。

なお、男性がレディース香水を付けてはいけないという決まりはないので、フローラル系などのレディース香水を男性が楽しんでも構いません。

ただし、大事なプレゼンのときや、年配者が多い親戚の集まりの場などは、シトラス系やウッディ系など本人の性別・キャラクターとの違和感が少ない香りにしておくと無難です。

香水は時間の経過で香りが変わる

多くの香水は、付けてから時間が経過するにつれて、香りが変化していきます。付けてすぐに短時間だけ香るのが「トップノート」、トップノートに続いて香るのが「ミドルノート」。 そして終盤に香るのが「ラストノート」です。

香りの種類によって持続時間がことなるため、「どのタイミングで香るか」で使われる香りの種類が分かれます。 例えば「シトラスは軽くてすぐに飛んでしまうのでトップノート」、「残香性が高い樹木系はラストノート」といった具合です。

 

持続時間

特徴

よく使われる香り

トップノート

10~30分

最初に香り、香水の「第一印象」となる部分。

シトラス系、グリーン系、フルーティー系、ハーバル系

ミドルノート

(ハートノート)

30分~1時間

その香水の個性の核となる、中心的な香り。

レディース香水の大半はフローラル系

ラストノート

(ドライダウン)

2~3時間

(6~7時間以上のものも)

香水を付けて最後に香る部分。

 

香り立つまでに時間がかかるが、残香性が高く、長く香るのが特徴。

バニラ、ムスク、アンバー、オリエンタル系、ウッディ系、バルサミック系など

このようにおおよそ3段階で香りが変化するのが一般的ですが、中には「シングルノート」といって、最初から最後まで同じ香りが続くタイプの香水もあります。




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