敏感肌でもメイクしたい。肌にやさしいファンデーションの選び方

この記事を書いた人
小鳥遊 文子
コスメコンシェルジュ

【保有資格】 ・2022年~:日本化粧品検定1級 ・2023年~:特級コスメコンシェルジュ/化粧品成分上級スペシャリスト(化粧品成分検定1級) 化粧品を信仰しない、フラットな目線からの記事作成を心掛けています。

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ちょっとした刺激でも肌荒れなどのトラブルを起こしたり、痒みやヒリつきなどの不快症状が出てしまう敏感肌。刺激を与えないためにメイクもなるべく控えたいところですが、敏感肌でもファンデーションを使いたいときもありますよね。

そこでここでは、敏感肌でもメイクしたい人のために、肌にやさしいファンデーションの選び方を紹介します。肌にやさしいファンデーションの目安となる基準や、肌への負担が少ない処方のファンデーション5商品を紹介します。

敏感肌でファンデーション選びに困っている人は、参考にしてください。




敏感肌はバリア機能が低下した状態

敏感肌とは一言でいえば、「バリア機能が低下しているために、刺激に弱い肌状態のこと」です。医学的な定義はありませんが、異物が肌に入り込みやすく、刺激を感じやすい肌が敏感肌と呼ばれています。

健康な肌は、肌表面に角質細胞が隙間なく並び、さらにその上を皮脂膜(汗と皮脂が混ざったもの)が覆っています。

角質細胞と皮脂膜で二重にガードすることで、紫外線や乾燥などの外部刺激から肌を守り、ウイルスなどの異物の侵入を防ぎます。それと同時に、肌内部の水分の蒸発を防ぐ役割も果たしています。

しかし、敏感肌と呼ばれる肌は、乾燥などの理由で角質細胞に隙間ができ、皮脂膜も十分に形成できません。そのため、多くの人にとって問題にならないような紫外線やホコリ、花粉、化粧品なども刺激になってしまい、赤みやかぶれ、肌荒れなどのトラブルを引き起こします

肌にやさしいファンデーションの目安

  1. アレルギーテスト済み
  2. スティンギングテスト済み
  3. ノンコメドジェニックテスト済み
  4. 苦手な成分が入っていない
  5. 適度な紫外線防止効果

敏感肌は刺激に弱い肌状態なので、刺激となる要因を可能な限り排除するのが望ましいです。

本来であればメイクやファンデーションも控えたいところですが、ホコリや紫外線などから肌を保護するという意味では、何かしら塗っておく方が素肌のままよりマシな場合もあります。

そこで外部刺激から日中の肌を守る方法の一つとして、ファンデーションの利用が考えられます。 また、単純に容姿を整える目的でファンデーションを使いたいときもあるでしょう。

敏感肌の人がファンデーションを使うなら、肌への刺激が少ないものを選ぶことが大切です。 刺激が少ないファンデーションの目安としては、上記5つのポイントを基準に選んでみるとよいでしょう。

化粧品との相性は個人差もあるため、この条件を満たしていれば絶対にトラブルが起きないということではありません。ですが、この条件を考慮しながら選ぶことで、肌に合うファンデーションに出会える精度は向上すると思います。

①アレルギーテスト済み

ヒト皮膚に対するアレルギー性試験」を実施した商品であることを意味します。

ただし、「水」などのほとんどの人に無害な成分であってもアレルギー反応が出てしまう人もいるため、すべての人にアレルギーが起こらないことを保証するものではありません。

②スティンギングテスト済み

「スティンギング」とは、痒みやほてり、ヒリヒリ感などの一過性の感覚刺激を指す言葉です。 「スティンギングテスト済み」と書かれている商品は、 敏感肌の人に一過性の皮膚刺激が起きないか確認するテストを実施していることを表しています。

ですが、こちらも人によって体質・肌質が異なるため、すべての人に感覚刺激が起きないとは限りません。

③ノンコメドジェニックテスト済み

「コメド」とは毛穴に皮脂が詰まって膨らんだ状態のもので、ニキビの第一段階です。 「ノンコメドジェニックテスト済み」とは、コメドができにくいことをテストで確認したことを意味しています。

ただし、同じ商品を使ってもコメドができるかどうかは個人差もあるため、すべての人にコメド・ニキビができないとは限りません。

④苦手な成分が入っていない

合わない成分が分かっている人は、成分表示を見て「苦手な成分が入っていないか」という点を確認するのがもっとも確実です。

敏感肌の人が苦手としやすいファンデーションの成分には、アルコール(エタノール)や紫外線吸収剤などが挙げられます。

また、ファンデーションは着色や紫外線防止などの目的で、酸化亜鉛や酸化鉄などの金属成分も多く使われます。金属アレルギーの人は、自分のアレルゲンの金属が含まれていないかもよく確認しましょう。

⑤適度な紫外線防止効果

敏感肌には紫外線も刺激となるため、日中は紫外線対策も必要です。日焼け止めや化粧下地にもUVカット効果のある商品があるので、必ずしもファンデーションに必須の機能ではありませんが、必要に応じて紫外線防止効果にも注目してみるとよいでしょう。

紫外線防止効果は高ければよいというものではなく、利用シーンに合った効果のものを選ぶ方が、肌への負担を抑えられます。 例えば通勤・通学など日常生活程度の行動のときはSPF20以下のごく軽いもの、ちょっとしたレジャーのときはSPF30前後くらいが目安といわれています。

ですが、夏場は汗で流れやすいなど、季節や個別の事情によっても適切なSPF値は変わってきます。

また、紫外線防止成分には大まかに「紫外線吸収剤」と「紫外線散乱剤」があり、どちらが合うかは人によって異なります。必要に応じて、紫外線防止成分に何が使われているかも確認すると安心です。

紫外線防止成分の種類について詳しくは、次の記事で紹介しています。

「紫外線吸収剤」と「紫外線散乱剤」はどっちがいい?メリット・デメリットを比較




保湿力や有効成分、形状にも注目

敏感肌を守るには保湿力も大切

敏感肌を保護し、乾燥による不快感やトラブルを防ぐために保湿力も大切です。 ファンデーションの保湿成分には、スクワランなどのオイルやヒアルロン酸などがよく使われています。

なお、塗らないときより乾燥すると感じるものは、肌に合っていないので使用を控えましょう

単に保湿力不足ということだけでなく、合わない成分による肌トラブルの症状として乾燥している可能性もあり、使い続けることでより重篤なトラブルを引き起こすこともあります。

ニキビ・肌荒れには医薬部外品がおすすめ

敏感肌の人は、ニキビや肌荒れの症状に悩まされている人も多いです。ニキビ・肌荒れがあるなら、「医薬部外品」のファンデーションから選ぶのもよい方法です。

グリチルリチン酸ジカリウムやアラントインなどの、「抗炎症作用のある有効成分」を配合しているファンデーションであれば、メイクしながら肌荒れ・ニキビを防げます。

ベースメイクで肌荒れしやすい人も、こうした商品を試してみるとよいかもしれません。

形状によって使用感が異なる

ファンデーションは形状によっても、使用感が異なります。 肌への負担の少なさや軽いつけ心地を重視するなら、パウダーファンデーションや粉末状のルースファンデーションが適しています。

ですが、しっとりした塗り心地を求めるなら、リキッドファンデーションやクッションファンデーションがよいでしょう。

なお、製品によっても使用感が異なるため、この通りでない場合もあります。製品ごとの使い心地については、口コミサイトなどを参考にするとよいでしょう。




落としやすさも考慮して選ぶ

 

ファンデーションは塗っている間だけでなく、落とす工程でも肌に負担がかかります

特に敏感肌の人は「メイク落としで肌荒れする」ということも多いため、ファンデーションを選ぶときは落としやすさも考慮した方がよいでしょう。

石鹸落ちファンデから選ぶ

クレンジングを避けたい人がファンデーションを選ぶなら、石鹸で落とせるタイプの商品から選ぶのがよいでしょう。

ただし、「石鹸落ち」を謳っているにもかかわらず、実際には石鹸では落ちない商品もあるので注意が必要です。本当に石鹸で落とせるか、顔に使う前に手の甲などで試してみると安心です。

利用者が多い商品の場合は、口コミも参考になると思います。

洗顔料を避けたいなら油で落とせるものを

敏感肌の人は乾燥傾向でもあるため、洗顔料や石鹸を頻繁に使えない人もいます。そうした肌質の場合は、石鹸で落とすファンデーションは避けた方がよいでしょう。

このタイプの肌質の人のメイク落としには、私は「美容オイルでメイクを落とす方法」を提案しています。ベビーオイルやスクワランオイルで、メイクを浮かせて落とす方法です。

アレルギーが起こりにくい種類のオイルを選べば肌への負担が少なく、クレンジングも洗顔料も使わずにメイクを落とせます。

しかし、この方法は「石鹸落ちファンデ」は落とせないことがあるため、このやり方を使いたい人は「メイク落としが必要=油で落とせるファンデーション」の方がよいのです。

そして、あまり油性が強く密着性の高いファンデーションも落とせないため、「メイク落としで落とせるもので、なおかつ落ちにくさはまあまあ」のファンデーションから選ぶ必要があります。

美容オイルでメイク落としするやり方は、次の記事で詳しく紹介しています。

【脱クレンジング】美容オイルでメイク落とし。おすすめのオイルの種類とやり方




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