近年、高齢者が化粧品を使うことが、心のケアやリハビリにも役立つとして注目されています。
ですが、高齢者がスキンケアやメイクを行うことには課題もあります。さまざまな理由から身だしなみを整えることが億劫になってしまったり、あるいは古い価値観の人から心無いことを言われてしまったりする人もいるからです。
そこで、ここでは高齢者が化粧品を使うメリットについて解説します。また、体の機能が衰えてからも使いやすいように工夫された化粧品も紹介します。
年齢を重ねても身だしなみを諦めたくない人や、高齢者のお世話をする機会のある人は、ぜひ参考にしてください。
高齢者が化粧品を使わないとどうなる?
肌や容姿が衰える
最近は「化粧療法」ということが言われるようになってきましたが、ほんの少し前までは、介護施設には化粧品を持ち込めないのが当たり前でした。また、家族から「年寄りが化粧なんて」と言われてしまうことも、未だにあるようです。
では、高齢になって化粧品を使わない生活をしていると、どうなるでしょうか?一つは、手入れをしなくなることで肌や容姿の衰えが早くなります。
特に女性の場合は、年齢とともに皮脂分泌量が減少するため、肌が乾燥しやすくなります。スキンケアをせずに放置すれば、ますます乾燥が進み、シミ・シワなどのお肌の老化も進んでしまいます。身だしなみに気を遣わなくなることで老け込む、という側面も無視できません。
「メイク」も本来は、若い人よりもミドル・シニア世代に必要なものです。若い人であれば素顔のままでも持ち前のハリ・つやで美しく見えますが、年齢が高くなってくるとそうはいかなくなってきます。
気持ちのハリがなくなる
「肌の調子がよい日は、気持ちも明るい」「メイクをするとしゃきっとした気分になる」といった経験を持つ人は、少なくないでしょう。スキンケアで肌を整えたり、メイクでお顔を整えたりすることは、心にもよい影響を与えます。
ですが、「スキンケアもメイクもしてはいけない」ということになったら、どうでしょうか? 鏡に映るのがいつもくすんで精気のない顔だったら、気持ちのハリを保つことが難しくなるのではないでしょうか?
人に会うのが億劫になる
20代や30代でも、肌荒れしているときやメイクが決まらない日は、人に会うのが億劫になりますよね。体力が衰えて体の自由が利かなくなる年頃であれば、なおさらではないでしょうか。
実際にある震災の現場では、インフラを復旧させるのに手一杯で個人の美容などは後回しになっている間に、高齢者が孤独死してしまうということがあったそうです。 もしもその高齢者が、もう少し身だしなみに気を遣う余裕を持たせてもらえていたら、お友達やご近所との交流も続いていて、体調の変化に誰かが気が付いてくれたかもしれません。
また、スキンケアやメイクをすることで、他人と交流する元気のある高齢者が増えれば、周りの人たちとの支え合いも活発になるでしょう。そうすれば、困ったときに助けてもらえる人が増えます。
高齢者が化粧品を使うメリット
美しい外見を保てる
ある程度年齢を重ねてからは、手をかけるか否かで外見が大きく変わってきます。高齢になってもスキンケアやメイクを続けることは、第一に美しい外見を保つことに直結します。
特に若いときにメイクをしていた人が歳を取って止めてしまうと、服が似合いにくくなることから、ファッションへの興味も失っていきがちです。
ですが、体力が低下して行動範囲が狭くなるほど、「もっとも多く視界に入る人間は鏡の中の自分」になっていきます。鏡の中に映る自分が少しでもキレイな方が、気分よくすごせますよね。
自尊心が高まる
見た目がすべてではありませんが、それでも外見が整っていた方が自尊心が高まりやすいのも事実です。 高齢者といっても基本的なメンタリティーは若いときと変わりませんので、何歳であっても自分の姿が美しい方が、自尊心が高まって幸せな気持ちになれます。
幸せであれば、他人に対しても余裕のある振る舞いができるので、人間関係も円滑になるでしょう。
社会参加しやすくなる
人は外見が整うと外に出かけたり、人に会ったりしたくなります。高齢になっても同じです。 実際に化粧品を使うことで自信が持てるようになると、地域の集まりに参加するなど、人とのつながりも増える傾向があるようです。
また、積極的に外へ出かけていくことで、体力や体の機能が向上する効果も期待できます。高齢者用介護施設でも、自分で化粧品を使ってフタの開け閉めもすることで、筋力が向上するケースが報告されています。
心が豊かになる
化粧品を使ってスキンケアやメイクをすることは、「楽しいこと」でもあります。若いときにスキンケアやメイクを楽しんでいた人であれば、特にそうでしょう。
また、「見て・触って・嗅いで」という形で、五感を刺激してくれるものでもあるため、適度な刺激を受けられるという点においても、よい効果を発揮してくれます。
このように、心豊かに生きていくためにも化粧品は役立ちます。体力が衰え、狭い世界で生きざるを得なくなってからは、特にその効果が大きいのではないかと考えられます。
男性の高齢者にもメリットあり
化粧品を使うことで元気になるのは、女性だけではありません。今の高齢者世代だと、男性はもともと化粧品を使う習慣がないことも多いでしょう。
ですが、スキンケアやハンドケアをていねいに行い、自分を慈しむことは、男性にとっても気分のよいものです。 これまで化粧品を使う機会がなかった人こそ、新鮮な喜びが感じられるかもしれませんね。
体の機能が低下しても使える「モモテ」
簡単に使える容器・剤形
年齢が高くなると身体機能が衰えるため、できないことが増えてきます。化粧品一つ使うにも、「自分でフタが開けられない」「どれがどれだか見分けがつかない」といったことが起きてくるので、そのせいでメイクやスキンケアを諦める人もいます。
そうしたニーズに応えたのが、2024年3月1日に発売されたスキンケアブランド「モモテ」です。視力や握力・指先の力の低下があっても、高齢者が自分で使えるように工夫された容器・剤形が特徴です。
デリケートなシニアの肌を考えた処方
年齢を重ねることで薄くデリケートになった肌に配慮するため、スティンギングテストやパッチテスト、アレルギーテスト*¹も実施しています。
アルコール・パラベン・香料・鉱物油・タール系色素は不使用。日本製なので、品質も安心です。
うるおい成分にはセラミド*²や尿素を配合。美容成分にモモ種子エキスやカミツレ花エキスなども配合しています。肌への刺激を抑えた処方なので、子どもからお年寄りまで、家族みんなで使えます。
*¹すべての人に皮膚刺激やアレルギーが起こらないということではありません。
*²グルコシドセラミド
モモテのラインナップと全成分
- 泡洗顔料 300mL 1,980円
- 泡化粧水 300mL 2,750円
- 乳液 200mL 2,750円
- オールインワンジェル 90g 3,300円
「モモテ」は現在、洗顔と保湿合わせて4つのアイテムが販売されています。各アイテムの詳細と全成分を紹介します。
泡洗顔料
水、グリセリン、DPG、PEG-75、ラウロイルメチルアラニンNa、ココイルグルタミン酸K、モモ種子エキス、カミツレ花エキス、ヤマザクラ花エキス、タベブイアインペチギノサ樹皮エキス、グルコシルセラミド、尿素、アスコルビルリン酸Na、ラウリン酸ポリグリセリル-10、ラウロアンホ酢酸Na、デシルグルコシド、クエン酸、ヒドロキシプロピルシクロデキストリン、ブチルカルバミン酸ヨウ化プロピニル、オレンジ果皮油、BG、α-グルカン、エチルヘキシルグリセリン、フェノキシエタノール
アミノ酸系洗浄成分を主成分とする洗顔料です。マイルドな洗浄力で、年齢を重ねて乾燥しやすくなったお肌をやさしく洗い上げます。
ポンプを押すだけで泡が出てくるので、泡立ての手間がなく、誰にでも簡単に使えます。
また、パウダーファンデーションなどの軽いメイクも落とせます。「お化粧はしたいけれど、メイク落としと洗顔料で二度洗いするのは大変」という人にもおすすめです。
保湿成分にグルコシルセラミドと尿素を配合しているので、つっぱり感のない肌に洗い上がります。
*ラウロイルメチルアラニンNa、ココイルグルタミン酸K
泡化粧水
水、BG、DPG、グリセリン、モモ種子エキス、カミツレ花エキス、ヤマザクラ花エキス、タベブイアインペチギノサ樹皮エキス、グルコシルセラミド、尿素、アスコルビルリン酸Na、ハトムギ種子エキス(保湿成分)、ベニバナインゲン種子エキス、メマツヨイグサ種子エキス、サボンソウ葉エキス、オウレンエキス、プラセンタエキス、ヒアルロン酸Na、グリチルリチン酸2K、トレハロース、PEG-32、キサンタンガム、クエン酸、クエン酸Na、ポリソルベート20、α-グルカン、ヒドロキシプロピルシクロデキストリン、エチルヘキシルグリセリン、ブチルカルバミン酸ヨウ化プロピニル、フェノキシエタノール
手からたれずに使える、泡タイプの化粧水です。周りに飛び散ることもないので、安心して使えます。
主な保湿成分は、グルコシルセラミドと尿素。ビタミンC誘導体*も配合しています。素早く肌になじむので、時間をかけずにお手入れできます。肌への刺激が少ない弱酸性。
*アスコルビルリン酸Na
乳液
水、BG、水添ポリデセン、テトラエチルヘキサン酸ペンタエリスリチル、トリエチルヘキサノイン、グリセリン、モモ種子エキス、カミツレ花エキス、ヤマザクラ花エキス、タベブイアインペチギノサ樹皮エキス、グルコシルセラミド、尿素、アスコルビルリン酸Na、トウキンセンカ花エキス、トコフェロール、ローマカミツレ花油、ラベンダー花油、グリチルレチン酸ステアリル、ラウロイルグルタミン酸ジ(オクチルドデシル/フィトステリル/ベヘニル)、アルギニン、リン酸セチル、α-グルカン、スクレロチウムガム、キサンタンガム、カルボマー、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルシクロデキストリン、ジメチコン、ステアリン酸グリセリル、ベヘニルアルコール、セタノール、エチルヘキシルグリセリン、フェノキシエタノール、ブチルカルバミン酸ヨウ化プロピニル
年齢を重ねて乾燥し、しぼんだ肌にうるおいを与える乳液です。摩擦なく伸びるので肌に負担がかかりにくく、なじませたあとはピタッと密着して嫌なベタつきがありません。
厚みのある乳液なので、マッサージにも使えます。ふっくらとした使い心地が好みの人におすすめです。肌への刺激が少ない弱酸性。
オールインワンジェル
水、グリセリン、BG、水添ポリイソブテン、ベタイン、DPG、ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン、メチルグルセス-10、モモ種子エキス、カミツレ花エキス、ヤマザクラ花エキス、タベブイアインペチギノサ樹皮エキス、グルコシルセラミド、尿素、アスコルビルリン酸Na、トウキンセンカ花エキス、シロキクラゲ多糖体、グリチルリチン酸2K、グリコシルトレハロース、ポリソルベート20、カルボマー、水酸化K、ポリアクリルアミド、(アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C10-30))クロスポリマー、(C13,14)イソパラフィン、キサンタンガム、ラウレス-7、メタリン酸Na、ヒドロキシプロピルシクロデキストリン、加水分解水添デンプン、α-グルカン、エチルヘキシルグリセリン、ブチルカルバミン酸ヨウ化プロピニル、フェノキシエタノール
みずみずしくも濃厚な使い心地のオールインワンジェルです。化粧水・美容液・乳液・クリーム・目元クリーム・ネッククリーム・パック・マッサージクリームの役割を兼ね備えているので、これ一つで保湿ケアを完了できます。
これだけ塗ればよいので、スキンケアの順番を気にする必要がなく、「複雑な手順だと分からなくなってしまう」という人も一人でお手入れできます。
摩擦感のないぷるんとしたジェルで、塗り心地も快適です。肌への刺激が少ない弱酸性。
容器はパカっと開いて片手で閉められる設計で、中身を取ったあとにフタを回す煩わしさがありません。高齢者はもちろん、子育て中の人などもササっと手早くお手入れできて便利です。
モモテはどこで買える?
モモテの商品が買えるのは、ナリス化粧品のオンラインショップのみです。税込み3,000円未満の購入の場合は、送料が550円かかります(全国一律)。
ドラッグストアやスーパーなどの実店舗では販売していません。
まとめ
高齢者が化粧品を使うことにはさまざまな効果があり、単に外見を整えるだけでなく、自尊心が高まり、社会参加もしやすくなるなどたくさんのメリットがあります。 そのため近頃は介護施設などでも、「化粧療法」など化粧品を利用したケアが積極的に行われるようになってきています。
また、化粧品は女性のものということもなく、男性の高齢者であってもクリームを使ったハンドケアなどは喜ばれているようです。
身体機能が衰えても自分で使えるように工夫された化粧品も売られているので、それぞれの人に合ったものを上手に取り入れることで、心豊かに暮らしていけたらよいですね。