「少し肌に付いただけで赤くなってしまうので、アルコールが入っている化粧品は使えない」、「アルコール入りのスキンケアは、揮発する感触やニオイが苦手」。
化粧品に含まれるアルコールが苦手という人は、とても多いですよね。そこでここでは、化粧品のアルコールを避けたい人のために、アルコールフリー化粧品について解説します。
アルコールフリー化粧品の定義や、アルコールフリー化粧品の選び方を知りたい人は参考にしてください♪
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アルコールフリー化粧品とは?
エタノールが入っていない化粧品を指す
化粧品における「アルコールフリー」とは、「エタノール(エチルアルコール)」が入っていない製品を指します。そのため、「エタノールフリー」といわれることもあります。
エタノールには殺菌・収れん効果があり、その性質が化粧品にも多く利用されています。しかし、やや皮膚刺激が強い成分のため、敏感肌や乾燥肌の人が高濃度のエタノールを使用すると、刺激を感じたり肌が乾燥することがあります。
また、体質的にアルコールにアレルギーを持つ人もいます。そのような人の場合は、少量のエタノールであってもアレルギー反応が出る可能性があります。
アルコールフリーなのに「○○アルコール」が入っている?
アルコールフリーが謳われている製品でも、成分表示を見ると「ベヘニルアルコール」や「フェノキシエタノール」など、「○○アルコール(エタノール)」という成分名が書かれていることがあります。
アルコールフリー化粧品に含まれる「○○アルコール(エタノール)」は、構造上の特徴から「アルコール/エタノール」という名前が付いているものの、お酒や消毒薬のアルコールとはまったく性質が異なるものがいくつかあります。
アルコールやエタノールと紛らわしい成分名のもので、実際はアルコールとは別物の成分の代表的なものを挙げておきます。
- ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、セタノール:硬さ調整・乳化に使われることが多い成分
- フェノキシエタノール:防腐剤の一種
アルコールフリー化粧品のメリット
エタノール入りのものに比べて低刺激
アルコールフリーの化粧品のメリットの一つは、エタノール入りの化粧品に比べて刺激が少ないことです。
特に注射の際のアルコール消毒でピリピリとした刺激を感じる人や、肌が赤くなる人は、アルコールフリーの化粧品の方が快適に使用できる可能性があります。
美肌菌が残りやすい
エタノールを排除することで、肌に必要な「美肌菌」が残りやすいメリットもあります。
エタノールに殺菌効果があることは多くの人が知る通りですが、化粧品に配合されるエタノールは他の成分でだいぶ薄まっているため、そこまで強い殺菌力はありません。
しかし、肌をすこやかに保つ上で欠かせない、「美肌菌」と呼ばれる常在菌を減らしてしまう可能性は考えられます。
したがって、美肌菌を減らさないためには、エタノールが含まれない化粧品を使う方がよいでしょう。
肌のうるおいが奪われない
エタノールには高い揮発性があるため、肌に塗るとすぐに揮発します。揮発するときに肌の熱を奪うので、すーっとした清涼感も得られます。
さっぱりとしてさわやかな使い心地が魅力ですが、揮発するときに肌の水分も奪ってしまうため、乾燥肌・敏感肌にはよくありません。
乾燥が気になる肌質の人が使うなら、アルコールフリー化粧品の方が肌のうるおいが奪われないので適しています。
アルコールフリー化粧品の選び方
避けるのは「エタノール」「無水エタノール」「変性アルコール」
アルコールフリー化粧品を選びたいときは成分表示を確認し、以下の成分が含まれていないかをチェックします。
- エタノール(濃度95%以上のエタノール)
- 無水エタノール(濃度99%以上のエタノール)
- 変性アルコール(飲用への転用を防ぐため、臭気などを加えたエタノール)
上記3つは純然たるアルコールですので、アルコールが苦手な人とは相性がよくありません。
また、これらの成分が含まれていない化粧品は、商品説明に「アルコールフリー」「エタノールフリー」「アルコール無添加」などと書かれていることもあります。そうした表示を目安に選んでもよいでしょう。
アレルギーでないなら、少量のエタノールは問題ない場合も
アルコールフリー化粧品を選びたい人は、大まかに「肌に異常が出ることはないが、アルコールの刺激・使用感が苦手」という人と、「アルコールにアレルギーがある」という人がいるかと思います。
アレルギーの場合は少量のエタノールであっても反応する恐れがあるため、一切のエタノールを避けた方がよいでしょう。
ですが、単に使用感が苦手なだけの場合は、少量のエタノールであれば問題なく使えることもあります。アルコールによる乾燥が心配な人も、少量のエタノールであれば問題ないでしょう。
成分表示の後ろの方にエタノールが出てくる製品は、基本的にエタノールは少量です。(ただし、医薬部外品は例外アリ。)そのため、アルコール特有のスーッとした感触はありません。
揮発する感触が抑えられている製品もある
エタノールが多く含まれる製品でも、処方によって揮発する感触が抑えられているものもあります。
アルコールフリー化粧品ではありませんが、単にアルコールの使用感が苦手なだけの場合は、こうした製品も選択肢に入れられるかもしれません。
エタノール以外の苦手成分にも注意
アルコールフリー化粧品であっても、他の配合成分によっては、必ずしも低刺激でないものもあります。
苦手な成分が複数ある人は、エタノール以外にも苦手な成分が含まれていないかをよく確認しましょう。
なお、化粧品は全成分表示が義務付けられていますが、医薬部外品は表示指定成分以外の記載がないことがあります。
配合成分について不明な点がある場合は、苦手な成分を伝えた上で、メーカーに問い合わせてみるとよいでしょう。「○○の成分にアレルギーがあるのですが、この製品は使えますか?」と尋ねれば、ほとんどのメーカーは親切に教えてくれます。
まとめ
アルコールフリー化粧品とは、エタノールが含まれない化粧品を指します。化粧品のアルコールを避けたい人は、以下の成分が含まれていない製品を選ぶとよいです。
- エタノール
- 無水エタノール
- 変性アルコール
なお、アレルギーではなく、アルコールの使用感が苦手なだけの人の場合は、少量のエタノールなら問題なく使えることもあります。少量のエタノールまで避けなくても済むのであれば、その分選択肢が広がります。
成分表示の後ろの方にエタノールが出てくるときは配合量が少ないので(医薬部外品は例外アリ)、可能な人はそうした製品にも目を向けてみるとよいでしょう。