セラミドNPの効果・他のセラミドとの違い。セラミドスキンケアの上手な選び方

この記事を書いた人
小鳥遊 文子
コスメコンシェルジュ

【保有資格】 ・2022年~:日本化粧品検定1級 ・2023年~:特級コスメコンシェルジュ/ 化粧品成分上級スペシャリスト(化粧品成分検定1級) 化粧品を信仰しない、フラットな目線からの記事作成を心掛けています。 ※当サイトの記事は、原則として人間が作成しています。生成AIを利用する場合も必ず、最終チェックを人の手で行っています。

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こんな肌悩み、ありませんか?

  • 花粉やホコリなど、ちょっとしたことですぐに刺激を感じてしまう
  • メイクをすると肌荒れする
  • 季節の変わり目は肌荒れが憂鬱
  • スキンケアを頑張っているのに、いつも肌がカサついている
  • バリア機能に自信がない

こうした肌悩みを抱えている人におすすめの成分の一つが、「セラミドNP」です。ここでは、セラミドNPの効果・他のセラミドとの違い、セラミドスキンケアの上手な選び方を解説します。

強い肌・うるおった肌になりたい人は、参考にしてください♪

セラミドNPの特徴・効果

ヒト型セラミドの一種

セラミドNPは、肌のうるおいとバリア機能に欠かせない「ヒト型セラミド」の一種です。以前は「セラミド3」と呼ばれていました。

セラミドは角層の「細胞間脂質」の主成分です。細胞間脂質とは、外的刺激や異物の侵入から肌内部を守るバリアの役割を担うものです。アトピー性皮膚炎の患者さんなど、外的刺激に弱い肌にはセラミドが非常に少ないという報告もあります。

なお、化粧品成分でセラミドと呼ばれる成分には、ヒト型セラミドを含めて大きく分けて4つの種類が存在します。

セラミドの種類

特徴

成分名

ヒト型セラミド

肌のセラミドに分子構造が近く、なじみやすい。

ただし、値段が高め。

セラミド+アルファベットまたは数字

例:セラミドNP、セラミド3など

擬似セラミド

肌のセラミドに似せて作った合成成分。ヒト型セラミドに比べて効果は劣るが、安価なことがメリット。

ラウロイルグルタミン酸ジ(フィトステリル/オクチルドデシル)など

糖セラミド

(天然セラミド)

植物性セラミドと動物性セラミドがある。セラミドの原料となる成分。厳密にはセラミドではないが、セラミドに類似の効果が期待できる。

コメヌカスフィンゴ糖脂質、セレブロシドなど

セラミド類似体

セラミドに似た構造・性質の成分。

スフィンゴ脂質、ウマスフィンゴ脂質、フィトスフィンゴシンなど

セラミドNPの効果/他のヒト型セラミドとの違い

「ヒト型セラミド」は、特に肌のバリア成分に近い構造を持つもので、セラミドと呼ばれる成分の中でも特に肌への効果が高いとされます。化粧品成分として使用されるヒト型セラミドには複数の種類があり、種類によっても肌への効果が異なります。

「セラミドNP」の効果は角層の水分増加と、バリア機能のサポートです。その他のヒト型セラミドの種類と効果も表にまとめましたので、参考にしてください。

ヒト型セラミドの種類

効果

セラミドEOP(セラミド1)

バリア機能能の修復

セラミドNG(セラミド2)

バリア機能能の修復

セラミドNS(セラミド2)

バリア機能の修復

セラミドNP(セラミド3)

角層の水分を増やす、バリア機能のサポート

セラミドAG(セラミド5)

バリア機能の修復

セラミドAP(セラミド6)

バリア機能の修復

セラミドNPがおすすめな人

セラミドNPは、こんな人におすすめの成分です。

  • 肌がカサつく(乾燥肌・混合肌)
  • 敏感肌
  • 体調や季節の変わり目で肌がゆらぐ
  • 肌荒れしやすい

化粧品・花粉・紫外線などの外的刺激を受けやすい肌状態の人も、バリア機能をサポートしてくれるセラミドNPをスキンケアに取り入れてみるとよいでしょう。

セラミドスキンケアの上手な選び方

効果が高いのはヒト型セラミド

前述したように、セラミドにはヒト型セラミド・疑似セラミド・糖セラミド・セラミド類似体の4つがあります。このうち、もっとも肌になじみやすく効果が高いのはヒト型セラミドです。

他の種類に比べて価格が高くなる傾向はありますが、効果を重視するのであればヒト型セラミドが配合されている製品を選ぶのがよいでしょう。

複数種類のヒト型セラミドが配合されている

ヒト型セラミドは種類によっても、肌への作用の仕方が異なります。複数種類のヒト型セラミドが配合されているものを選ぶと、相乗効果が期待できます。

高濃度のセラミド化粧品は刺激が強くなる傾向

セラミドは肌の保湿やバリア機能のサポートに適した成分ですが、濃度が高いものは肌への刺激が強い可能性があります。

その理由は、乳化剤として使われる界面活性剤の存在です。セラミドは油性成分の一種ですが、化粧品の中に均一に溶解させるには乳化剤が必要になります。配合するセラミドの量が増えるほど、多くの乳化剤が必要です。

つまり、セラミドの濃度が高いということは、必然的に界面活性剤の濃度も高くなってしまうということなのです。

もともと、セラミドは0.1%でも高濃度といわれる成分ですので、濃度の高さにはこだわらなくてよいでしょう。特にセラミド化粧品が初めての人は、濃度が低いものから使い始めるのが安心です。

敏感肌・乾燥肌なら低刺激な処方のものを

敏感肌や乾燥肌の人は、刺激の強い成分が含まれていないことも確認して選ぶとよいです。特に注意が必要なのは、高濃度のエタノールとピーリング成分です。植物エキスや精油も、敏感肌の人は苦手なことがあります。

また、アレルギーテスト済み・スティンギングテスト済み・パッチテスト済みと書かれているものは、比較的低刺激であることが多いです。ただし、いずれもすべての人に皮膚刺激やトラブルが起こらないことを保証するものではないため、成分表示をよく確認することが大切です。

まとめ

セラミドNPは「ヒト型セラミド」の一種で、肌のバリア成分に似た構造を持ちます。セラミドNPのスキンケア効果は、角層の水分増加と、バリア機能のサポート。カサつきがちな肌や敏感肌のケアにおすすめの成分です。

セラミドNPをスキンケアに取り入れるときは、複数種類のヒト型セラミドと一緒に配合されている製品を選ぶと、相乗効果が期待できます。

ただし、セラミドの濃度が高いものは乳化剤の配合量も増えるので、刺激が強くなります。特に敏感肌の人やセラミドが初めての人は、濃度が低いもので様子を見るのがよいでしょう。