敏感肌に合ったスキンケアの選び方
低刺激処方のものを選ぶ
- パッチテスト済み
- スティンギングテスト済み
- アレルギーテスト済み
敏感肌の人がスキンケアを選ぶときは、低刺激処方のものを選ぶとよいです。低刺激であることの目安として、パッチテスト・スティンギングテスト・アレルギーテストをクリアしている製品を選ぶのもよいでしょう。スティンギングテストは、ヒリヒリ感や痒みが出ないかをテストするものです。
ただし、これらのテストをクリアしていても、すべての人にトラブルが起こらないということではないため、注意が必要です。
敏感肌の人が避けた方がよい成分
成分表示を見て、苦手な成分が含まれていないか確認する
敏感肌ブランドから選ぶ方法もありますが、敏感肌ブランドに明確な定義はなく、製品によっては刺激が強い成分が使われていることもあります。
個人差もありますが、一般的に敏感肌が避けた方がよいとされる成分には、以下のものが挙げられます。
- アルコール(エタノール・無水アルコール・変性アルコール)
- メントール
- カチオン界面活性剤(3級アミン、4級アンモニウム塩)
- 植物エキス
- 精油
- ベースメイクに含まれる高濃度のシリコーン
カチオン界面活性剤は、一般の人にはあまりなじみがないかもしれませんが、簡単にいうと柔軟剤に使われるタイプの界面活性剤です。化粧品では、ヘアトリートメント成分として配合されることが多く、シャンプーやファンデーションなどにも「ポリクオタニウム-10」という成分名のものがよく配合されます。
また、シリコーンについてはスキンケア製品に含まれるものや、配合量が少ないものは基本的には問題ありません。ですが、ファンデーションや日焼け止めクリームなどで、多量のシリコーンが配合されているものは、避けた方がよいです。これは、メイク落としで落としきれないシリコーンによって、肌荒れすることがあるからです。
これ以外にも、人によって「BGが苦手」「グリセリンが苦手」などあるので、自分が苦手な成分が入っていないかも、よく確認すると安心です。
バリア機能をサポートする成分に注目して選ぶ
肌に含まれるうるおい成分がおすすめ!
敏感肌は肌のバリア機能が低下することで、刺激を受けやすくなっています。そのため、スキンケアは低刺激であることに加えて、バリア機能をサポートする成分が配合されていると理想的です。
肌のバリア機能をサポートする成分には、以下のものがあります。
- セラミド:角層の細胞間脂質の主成分
- アミノ酸:角質細胞に含まれるうるおい成分である、NMF(天然保湿因子)の主成分
- ヒアルロン酸:真皮に多く含まれ、水分保持の役割を担う成分
いずれもヒトの皮膚にもともと存在する成分ですが、敏感肌ではこれらの成分が不足しやすいため、スキンケアで補うとよいです。
洗顔料やシャンプーは洗浄成分をチェックする
洗浄成分の種類 |
特徴 |
成分名 |
---|---|---|
サルフェート(硫酸)系 |
シャンプーの洗浄成分として知られる。洗浄力が高く、油性の整髪料なども落としやすい。 一方、脱脂力の高さから、敏感肌・乾燥肌には肌荒れなどのトラブルが懸念される。 |
ラウレス硫酸Na、ラウレス硫酸アンモニウムなど |
スルホン酸系 |
サルフェート系洗浄成分の代用成分として普及。シャンプーの洗浄成分として配合され、洗浄力が高い。サルフェート系と同様に、敏感肌・乾燥肌には不向き。 |
オレフィン酸(C14-16)スルホン酸Na、スルホコハク酸(C12-14)パレス-2Naなど |
石けん系 |
アルカリ性洗浄成分。シャンプー、洗顔料、ボディーソープなど幅広い洗浄アイテムに配合される。 洗浄力が高く、敏感肌や乾燥肌には不向き。 |
カリ石けん素地、ラウリン酸K、 脂肪酸*・油脂+水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなど
*ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸 |
アミノ酸系 |
弱酸性の製品もあり、皮膚刺激が低い。洗浄力は弱め。 敏感肌・乾燥肌に使いやすいが、泡立ちや洗浄力が物足りなく感じることも。 シャンプー、洗顔料、ボディーソープなどに配合される。 |
ココイルグルタミン酸TEA、ラウロイルメチルアラニンNa、ココイルメチルタウリンNaなど |
ベタイン系 |
主にシャンプーの洗浄成分。低刺激だが、泡立ちや洗浄力は弱め。他の洗浄成分の刺激を抑える目的で配合されることも。 |
コカミドプロピルベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ラウリルベタイン、ココアンホ酢酸Naなど |
洗顔料やシャンプーなどの洗浄系アイテムを選ぶときは、洗浄成分もチェックしましょう。洗浄成分の種類によって、脱脂力や皮膚刺激の強さが異なるからです。特に乾燥しやすい肌質の人は、洗浄成分が強すぎることでも肌荒れすることがあります。
メイク落としはマイルドなものを
- クリームタイプかミルクタイプがおすすめ
- 拭き取りタイプは摩擦に注意
- 拭き取る方向は内側→外側
敏感肌のお手入れは、肌を乾燥させないことが大切です。したがって、メイク落としもなるべくマイルドなものを選ぶとよいです。
おすすめは、クリームタイプまたはミルクタイプのメイク落としです。肌のうるおいを取りすぎないので、負担をかけずにメイクを落とせます。ただし、メイク落ち効果はそれほど高くないため、落ちにくいファンデーションなどは使用を控えた方がよいでしょう。
拭き取りタイプのメイク落としも比較的マイルドな処方ですが、拭き取り方によっては摩擦によるダメージが加わります。使用する場合はシートやコットンを肌に数秒当て、メイクが浮き上がるのを待ってからやさしく拭き取ると摩擦を減らせます。
拭き取る方向は、顔の内側から外側へ。一方向に拭き取ります。
日焼け止めクリームは利用シーンに合ったものを
日焼け止めクリームは、利用シーンに合ったものを使用しましょう。製品にもよりますが、基本的にはサンケア指数が高いものほど強いメイク落としが必要になるからです。一般的なライフスタイルであれば、日常生活ではSPF30程度のものでよいでしょう。
なお、紫外線防御成分は「紫外線吸収剤」と「紫外線散乱剤」に大別されます。「紫外線吸収剤は刺激が強い」とされ、「紫外線散乱剤は刺激が少ない」とされますが、実際のところは個人差も大きいです。さらに、利用シーンや何を優先すべきかによっても、どちらの成分がよいかが変わります。
したがって、紫外線吸収剤と紫外線散乱剤のどちらを選ぶべきは、人によると考えた方がよいでしょう。
紫外線防御成分について詳しくは、次の記事で解説しています。
「紫外線吸収剤」と「紫外線散乱剤」はどっちがいい?メリット・デメリットを比較
意外に敏感肌との相性がよい成分
- 高純度の鉱物油は皮膚刺激が少ない
- 防腐剤が入っていた方が刺激が少ない場合も
敏感肌の人が避けるべき成分として、「鉱物油」と「防腐剤」が挙げられることがあります。しかし、これらの成分は、意外にも敏感肌と相性がよい面もあります。
高純度の鉱物油は皮膚刺激が少ない
鉱物油というと肌に悪いイメージがありますが、鉱物油で肌トラブルが起こるのは、主に不純物が原因です。鉱物そのものは、むしろ植物油などに比べて皮膚刺激やアレルギーが起こりにくいといわれます。水分の蒸発を防ぐ効果も高いです。
したがって、高純度の鉱物油に限っては、敏感肌に適した成分であるといえます。その証拠として、皮膚科の外用薬の基剤には、代表的な鉱物油である「ワセリン」が多用されます。ベビーオイルの成分としてよく使われる「ミネラルオイル」も鉱物油です。
防腐剤が入っていた方が刺激が少ない場合も
防腐剤も肌に悪いイメージがありますが、肌への刺激を抑えるという観点から考えると、防腐剤が入っていた方がよい場合もあります。
その理由は、2つ。1つは、防腐剤を入れない場合、他の抗菌・静菌作用を持つ成分で代用することが挙げられます。
防腐剤として登録されている成分は、配合量の上限が定められることで、安全に使用できるようになっています。しかし、代用成分にはそうした取り決めがなく、代用成分が苦手な人もいるので、場合によっては防腐剤を使うよりも皮膚刺激が強くなってしまうことがあるのです。
ただし例外として、容器を工夫したり、使用期限を短く設定するなどの工夫によって、防腐成分を完全に排除している製品もあります。
2つめの理由は、防腐剤を排除することで、保管中に品質が低下しやすくなることです。化粧品の中身が腐るなどした場合、それによって生じた雑菌や、変質した成分が皮膚刺激になる恐れがあります。
まとめ
敏感肌に明確な定義はありませんが、バリア機能が低下し、刺激に対して過敏な肌状態を指すのが一般的です。原因によってさまざまなタイプの敏感肌がありますが、いずれのタイプも肌のバリア機能が低下していることが共通します。
したがって、洗顔や保湿をするときは、肌に負担をかけないことが非常に大切です。摩擦や刺激の強い成分を避け、肌をやさしく扱うようにしましょう。セラミドなど、バリア機能をサポートする成分を取り入れるのもおすすめです。
敏感肌のタイプによっても適した成分が違うので、記事を参考に自分がどのタイプか見極めて、上手に対策してくださいね。