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いきなり1級合格するための勉強方法
一級合格者である証拠の品です。
得点は58点だったらしいです。
2022年8月の終わりのある日のこと。私は化粧品専門のライターではないため、実は化粧品のことはよく知りません。美容に熱心な人に比べると、関心も薄い方だと思います。
ですが、少し思うことがあったため、いきなり1級受験で一発合格を目指すことになりました。
一発合格を果たすためには気持ちの余裕があった方が有利なので、満点の60点を取るつもりで勉強しました。
結果的に2問間違えたようで、満点は叶いませんでしたが、あまり何も知らない状態から高得点合格できたので、勉強の仕方は悪くなかったと思います。
そこでここからは、私と同じように2級は受験せず、いきなり1級合格したい人のための勉強方法について書きます。
1級の試験は、2級・3級の範囲からも出題される
試験勉強を始める前に、範囲の確認です。1級の試験は、2級・3級の範囲からも出題されます。したがって、試験勉強に必要なテキストは「1級」と「2級・3級」の2冊です。
2級と併願でも、1級のみの受験でも、どのみち2級・3級の範囲も勉強しておく必要があるのです。そして、2級までの範囲は比較的簡単で、出題されれば得点しやすい問題である可能性も高いので、押さえておいた方がお得です。
くれぐれも「1級の範囲しか勉強してなかった!」ということがないよう、気を付けましょう。
なお勉強の基本はインプットとアウトプットなので、インプット用教材として公式テキスト、アウトプット用教材として公式問題集を利用するのが近道です。
【用意しておくべき教材】
- 日本化粧品検定1級対策テキスト
(A5サイズ版 1,980円/A4サイズ版2,530円) - 日本化粧品検定2級・3級対策テキスト
(A5サイズ版 1,870円/A4サイズ版2,420円) - 日本化粧品検定1級対策問題集(2,640円)
- 日本化粧品検定2級対策問題集(2,200円)
テキストは書店やAmazonなどでも買えますが、問題集は公式サイトのみの販売となっています。
また、テキスト・問題集とも内容に間違いが出ることがあり、その場合は公式サイトの正誤表で訂正されます。
無駄を省いて効率よく、が大前提
1級合格するための勉強方法を考える上で私が大前提に据えたのは、「無駄を省いて効率よく」ということです。
検定試験のための勉強なので期限がありますし、仕事をしながらの受験だったため、最低限の努力で合格できるのが理想です。
性格的にも、興味があることしか頑張れないのを自分で分かっていたので、「きちんと机の前に座ってお行儀よく勉強」という優等生スタイルは、最初から放棄しました。
自分の認知特性に合わせた学習方法を取り入れる
私の1級合格を助けたお友達です。これを踏みながらテキストを読んだり、問題集を解いたりしていました。
勉強のやり方の基本は、インプットとアウトプットのくり返し。日本化粧品検定であればテキストを読む→問題集を解く、をくり返すのが基本です。ですが、「書くと覚えられる」「耳で覚えるのが得意」など、覚えやすい方法は人によって違うため、勉強のやり方に絶対的な決まりはありません。
自分が理解・記憶できればよいので、各自の認知特性に合った学習方法で行うのがもっとも効果的です。
私の場合は「語感」や「文字の顔つき」が印象に残りやすいので、それを利用しました。防腐剤の抗菌力が強い順を覚えるのに「ブチル・プロピル・メチル・エチル」とつぶやいたり、ノートに書いた成分名を凝視してその顔つきを覚えたり、といった具合です。
ノートは必要最低限取ればOK
必要最低限だけ書いたノート。膝の上で書いたので殴り書きですが、自分が覚えられればよいのです。
「書かないと覚えられないタイプの人」でない限りは、ノートは必要最低限取ればOKです。ノートを取ると勉強した気になれますが、それで覚えられるかどうかは人によるからです。
むしろ、書かなくても覚えられる部分については、その分の時間でテキストをくり返し読むなり、問題集をくり返し解くなりした方が効果的です。
ちなみに私の場合は、テキストは「1級」を3回、「2級・3級」を2回読みましたが、ノートは全部で13ページくらいしか書いていません。どうしても覚えにくい箇所だけ、「手早くさらえる暗記用教材」として書きました。このノートは、隙間時間にちょっとだけ勉強したいときや、試験当日に苦手箇所を確認するのに役立ちました。
ノートは自分が読めればOK
あまりやる気がないときでも読めるよう、ノートはスカスカに書きました。そして、あまりやる気がないときでも書けるよう、色分けなど面倒なことはしませんでした。必要最低限の努力でちゃっかり合格するスタイルです。
ノートの取り方も、自分が読めれば何でもOKです。お習字ではないので、美しく書く分の時間を、「知識を覚えるため」に使った方が効率的です。
そもそも日本化粧品検定の場合、覚えることは多いですが、「ノートを取らないと覚えられないほどの難しい情報」はごく限られています。ほとんどの内容は、テキストを読んで問題集を解くのをくり返すだけで覚えられます。
そして、ノートで大切なのは、パッと見たときに何が書いてあるのかが一目で分かること。狭い範囲にたくさんの情報が書かれていると、結局どの情報も頭に入らないからです。私は文字の色分けもしていません。私のノートは空白が多いため、黒一色でも内容を把握できるからです。
ノートは「法則」に気付くために書く
テキストで見ると分かりませんが、ノートに書き出してみると「覚えるための法則」が見えてくることがあります。
私の場合、ノートを取る目的の一つは、「自分なりの法則」を見つけて覚えやすくすることでした。例えば、美白有効成分は成分によって効果や作用機序が違うため、全部覚えようとすると大変です。しかし、効果別にノートに書き出してみると、約半数の成分は効果が「チロシナーゼ活性阻害のみ」であることに気が付きます。
つまり、それ以外の成分名と効果さえ覚えれば、残りは成分名だけ覚えておけば、美白有効成分に関する問題はだいたい答えられる寸法です。
同じやり方で、ニキビ予防の有効成分や、新指定医薬部外品と新範囲医学部外品なども覚えました。
公式テキストは非常に読みにくい
中をお見せできないのが残念ですが、控えめに申し上げて「これを根拠に他人をテストをしようというのは、いかがなものか」という想いをぬぐえなかったのが正直なところです。ただ、私が持っているものは少し版が古いため、現在は改善されているかもしれません。
日本化粧品検定の試験問題は、公式対策テキストの内容に基づいて出題されますが、このテキストが非常に読みにくいです。
一般的に、人間の視線は左から右に物を見ますが、このテキストは主に横書きの文章を右ページ→左ページの順に読む仕様のため、目の動線が悪くなります。ページのレイアウトもごちゃごちゃしていて視認性が悪いです。
図も一部のものは見づらいので、ネットで見やすい図を探してそれで覚えました。
文字にメリハリがないことも、読みにくさに繋がってしまっています。文字色を使い分けるも、どれも同じようなトーンのため、重要な個所が頭に入りにくいのです。
校正不足なので、たまに意味不明な文章も出てきます・・・。
テキストは音読することで読み飛ばしを防ぐ
公式テキストは非常に読みにくいため、「読んでいるつもりで読めていない」ということが起こりやすいです。問題集を解いてみるとよく分かります。
即座に理解・記憶できないことが書かれている箇所では、単純に「目がすべって読めない」ということもあるでしょう。私は1級のテキストの1回目は、とても目がすべりました。
読み飛ばしを防ぐには、すべての文字を音読するのが効果的です。黙読でしっかり読める人はそのままでよいですが、できない人はゆっくり音読してみるとよいです。
1回目で全部覚えられなくても、最初から最後まで読むのを2巡3巡とくり返すうちに、覚えている箇所が増えていきます。
カメラアイでないなら、問題集もあった方がよい
一度見たものは忘れない「カメラアイ」の人は別ですが、そうでないなら問題集もあった方がよいです。テキストを読んで覚えたつもりでも、いざ問題を解いてみると意外に頭に入っていない情報も多いからです。
出題形式が本番の試験と同じ4択なので、「自分が引っかかりやすい問題」を把握できる効果もあります。公式サイトによると、公式問題集を購入した人の方が、合格率が22%高かったそうです。
こちらも「1級」と「2級」の2冊あるので、1級を受験するなら2冊とも必要です。
「テキストを読む→問題集を解く→再びテキストを読む→再び問題集を読む」をくり返しても間違えるところ・覚えられないところは、ノートにまとめるとよいでしょう。
問題集は、「なぜ間違えたのか」までしっかり確認する
問題集は解いてお終いではなく、間違えたところは、「なぜ間違えたのか」までしっかり確認することで学習効果が上がります。
間違えたところはテキストで確認するか、問題集の「解答&解説」のページにも詳しい解説が載っています。
早期申し込み特典の「実践問題」も活用すべし
早めに受験を申し込むと、早期申し込み特典として「実践問題20問」がもらえます。たかが20問と思うかもしれませんが、過去問題から抜粋されているので、やっておく価値はあります。
日本化粧品検定は過去問題を流出できないシステムになっているため、「過去問題をチラ見できる唯一の方法」でもあります。
参考までに、合格者の半数以上の人は、早期申し込み特典を利用しているそう。申し込みが早い分、単純に勉強期間が長いせいで合格率が上がっているのもあるでしょう。しかし、「過去問は閲覧できず、問題集は各級1冊しかない」という試験なので、「プラス20問(しかも過去問)」はかなり貴重です。
早期申し込みすることで勉強せざるを得なくなる効果も
私は当初、「合格できそうな感触が掴めてから、受験の申し込みをしたい」と考えていました。ペーパーテストは20年以上ぶりで、若いときに比べて脳も衰えている可能性がありますし、試験勉強にどのくらいの時間を要するか、さっぱり見当が付かなかったからです。
そもそも化粧品に対してそこまで興味や情熱がないので、合格できるほどちゃんと勉強するかどうかも怪しいです(汗。となると、合格が見込めるまでは受験料を払いたくないのが人情ではないでしょうか。
ですが、私の経験上、そういう人ほど、早期申し込みした方がよいと思います。早くに受験料を支払ってしまうことで、「お金を無駄にしないためにも合格しなければ」という気持ちから勉強せざるを得なくなるからです。
計算問題は電卓なしでできるように
公式問題集には、計算問題も出てきます。例えば、こんな問題です。
【計算問題の例1】
次のうち、1製品中のコラーゲンの含有量がもっとも多いものはどれか。
【計算問題の例2】
SPF24と表示された製品で日焼けを防げるのは、約何時間か。何も塗らない場合、20分で日焼けするものとする。
【計算問題の例3】
スキンローションに精油を入れる場合、濃度は何%がよいとされているか。
(テキストに書かれているベースの量と精油の量を暗記して、そこから計算。)
私が受験した第19回の試験では計算問題の出題はなく、他の回でもこうした問題が出ることがあるかは分かりません。
ですが、試験中は電卓が使えないことは確かです。1点でも多く得点したいのであれば、計算問題は電卓なしで答えを出せるようにしておくと安心です。
合格できそうな手応えになるまで勉強する
勉強の基本はインプットとアウトプットのくり返しですが、理解力や記憶力が人によって異なるため、合格に必要な学習量には個人差があります。そのため、「テキストを○回読めば合格できます」ということは言えません。
1級合格のために必要な学習量は、「合格できそうな手応えを感じられるようになるまで」です。そのあと、追加で苦手箇所を強化できるとベストです。そのためには、ある程度期間にゆとりがあった方がよいでしょう。
気持ちに余裕を持って試験当日を迎えるためには、試験日の1~2週間前には合格できると思える段階に持って行けるのが理想です。
1級合格に必要な勉強期間
必要な学習量に個人差があるので、合格に必要な勉強期間も人によって異なります。働きながら試験勉強をするのか、試験勉強だけに集中できる環境なのかなどによっても変わってくるでしょう。
ですので、あくまで一例として捉えていただきたいのですが、私の場合は約3ヶ月勉強できる期間がありました。学習のペースとしては、仕事の合間に10~30分程度の短時間の学習を積み重ね、たまに1~2時間まとめて勉強する感じです。
そして、試験の2週間前頃になって、テキストも問題集もほぼ知っている内容しか出てこなくなったため、試験直前~当日は必要以上に緊張せずに過ごせました。ですが、準備期間があと1ヶ月短かったら厳しかった気がします。
独学が難しい人は対策講座を利用する方法も
検定の難易度としては、1級であっても独学で合格できるレベルです。私もあまり何も知らないところから、独学で合格できました。したがって、自分で勉強できる人は、必要な教材さえしっかり揃えれば、独学でまったく問題ありません。
ですが、極端に勉強が苦手な人や、1人で頑張れない人の場合は、認定スクールの対策講座を利用する方法もあります。受講のための費用が別途かかりますが、必要であればそうした方法も検討してみるとよいでしょう。
受験することを公言しておく
勉強方法とは違いますが、受験することを周りの人に言っておくのも効果的です。人に知られてしまった以上は落ちると気まずいので、勉強を頑張るしかなくなるからです。
ただし、言う相手は「合格を望んでくれる人」に限定した方がよいでしょう。他人の不幸を喜ぶような人に言ってしまうと、足を引っ張られる可能性があるからです。
私の場合もこのサイトの責任者の方に、「化粧品検定1級を取ります。一度の受験で満点合格を目指します(`・ω・´)」と宣言しておいたことが、わりと有効だったと思います。2点落としましたが(笑)。そして、他の受験予定者や近い業種の人、他人をねたみやすい人には、試験が終わるまで隠し通しました。
運の悪さで合格を逃さないよう、入念に準備を
合格したいのに不合格になってしまう人は大まかに、「学習量が足りなかった人」と「運が悪かった人」、「勉強不足と不運が重なった人」に分けられると思います。
今なら新型コロナウイルスの感染が疑われると会場に入れてもらえませんし、寝坊して来られなかった人などもいたかもしれません。会場周辺の土地勘がなく、「思ったより乗り換えに時間がかかってしまった」といったケースもあるでしょう。
このように、勉強不足以外にも不合格の原因になる要素はいろいろあります。むしろ、勉強さえしっかりすれば、あとは完全に運の問題です。
勉強不足以外の理由で落ちては残念過ぎますので、体調管理や会場への行き方の下調べなど、勉強以外の準備も入念に行いましょう。