「日本化粧品検定」と「化粧品成分検定」 の違い|両方1級の人が授ける勉強方法

この記事を書いた人
小鳥遊 文子
コスメコンシェルジュ

【保有資格】 ・2022年~:日本化粧品検定1級 ・2023年~:特級コスメコンシェルジュ/化粧品成分上級スペシャリスト(化粧品成分検定1級) 化粧品を信仰しない、フラットな目線からの記事作成を心掛けています。

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世の中では「化粧品成分ブーム」が巻き起こっているそうで、化粧品の成分について勉強する人が増えているのだとか。

ですが、化粧品関係の資格や検定には大きく、「日本化粧品検定」と「化粧品成分検定」の2種類があるので、「どう違うの?」と混乱している人もいますよね。

そこでここでは、「日本化粧品検定」と「化粧品成分検定」の違いについて解説します。また、両方とも1級を持つ立場から、「一発で1級合格できる勉強方法」も教えます♪

これから「日本化粧品検定」や「化粧品成分検定」を受けてみたい人は、ぜひ参考にしてください。




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日本化粧品検定とは

 

文部科学省の後援を受けて、「日本化粧品検定協会」が主宰する民間資格です。美容系インフルエンサーの受験が話題になることもあり、化粧品関係ではもっとも有名な検定試験です。

3級はパソコンやスマホからいつでも無料で受験できますが、1級・2級はマークシート方式による会場試験です。

化粧品・美容に関する正しい知識の普及を目的としていますが、級によって出題範囲が異なります。 自分の美容に活用できるだけでなく、化粧品・美容業界でのキャリアアップや就職・転職にも役立つ資格です。

化粧品成分検定とは

「一般社団法人 CILA化粧品成分検定協会」が主催する民間資格です。「日本化粧品検定」の監修者の一人である、久光一誠さんが代表理事を務めています。

化粧品検定に比べるとマイナーですが、化粧品成分についての基本的な知識をより詳しく学べます

級によっても専門性の高さが異なりますが、1級の範囲までしっかり勉強すると、「パッケージの成分表示を見るだけで、目的に合った化粧品を選べるレベル」に到達できるようになっています。

こちらも3級はオンラインでいつでも無料受験でき、1級・2級は会場での受験になります。 会場での受験は「コンピュータ受験(CBT受験)」と「マークシート+記述式(会場受験)」から、好きな方を選べます。




「化粧品検定」と「成分検定」どちらを受けるべき?

化粧品・美容について全体的に学ぶなら「化粧品検定

化粧品・美容について全体的に学びたい人には、「日本化粧品検定」がおすすめです。化粧品の歴史やメイク方法、肌や髪の仕組み、化粧品にまつわる法律などを幅広く学べます。

例えば「ダイエットのために有酸素運動をするなら、筋トレしてからが効果的」のような、今すぐ自分の美容に役立つ情報も得られるので、キレイになる方法が知りたい人にもおすすめです。

知識をブラッシュアップし続けてもらうことを重視しているため、検定合格後のフォローも手厚いです。 コスメコンシェルジュなどの上位資格も用意されており、資格を仕事につなげるためのサポートも受けられます。

化粧品の成分を詳しく学ぶなら「成分検定

化粧品そのものについてより専門的に学びたい人には、「化粧品成分検定」がおすすめです。

華やかなイメージの化粧品検定に比べると、化学の要素が強いので苦手に感じる人もいるかもしれません。 ですが、しっかり勉強すると化粧品の成分表示の内容を理解できるようになりますし、自分以外の人に対しても、悩みに合った化粧品を選んであげられるようになります。

したがって、敏感肌で化粧品選びが難しい人や、化粧品販売で提案力を高めたい人が受験すれば、求めるような知識が得られると思います。化粧品開発の仕事に携わりたい人にもよいでしょう。

成分検定」は合格後のサポートはなし

「化粧品成分検定」はほぼ成分の話だけで完結しているため、1級まで取ったらそれでお終いです。

化粧品検定は有料会員になることで最新情報のメルマガ配信などのサポートが受けられますが、「化粧品成分検定」にはそうした育成システムはなく、仕事の斡旋もありません。 そのため、合格後もお世話して欲しいという人には物足りない面もあるでしょう。

また、資格の認定は別途申請が必要・別料金になります。申請しなくても「化粧品成分検定○級」と名乗ることはできますが、外部にアピールしやすい肩書きが欲しい人は申請した方がよさそうです。

化粧品検定成分検定」の順番だと学びやすい

「化粧品の勉強はほとんど初めて」という人が両方の検定を受けてみたい場合や、成分検定を受けたい場合は、化粧品検定成分検定」の順番で受験すると無理なく学べると思います。

化粧品の基本的な成り立ちや成分については、化粧品検定3~1級でもある程度学べますが、成分検定はもう少し専門的な内容になります。 そのため、できれば日本化粧品検定1級を取ってからの方が、成分検定の内容も抵抗なく頭に入ります。

特に理系に苦手意識がある人の場合、いきなり成分検定だと元素記号などが出てくるので、難しそうな印象を持ってしまうかもしません。




「化粧品検定」と「成分検定」の試験範囲と難易度

化粧品検定はしっかり勉強すれば難しくない

「日本化粧品検定」は、しっかり勉強すればそこまで難しい内容ではありません。1級であっても、満点かそれに近い点数を目指すことは十分可能です。

というのも、「日本化粧品検定」の試験範囲は、ある程度美容に関心がある人ならもともと知っている知識も多いからです。 範囲が広いので覚えることは多いですが、一つひとつの分野の専門性は低いので、全体としては「広く浅く」といった感じです。

そのため合格率も比較的高く、私が受験した第19回(2022年11月実施)1級の試験では、67.7%の受験者が合格したそうです。

しかも受験者の半数以上は、化粧品・美容業界ではない一般の人なのだそう。学生さんなどが自分の美容のために受験するケースも多いのだそうです。

化粧品検定の試験範囲と難易度

 

3級

2級

1級

試験範囲

美容の基本知識

  • 美容皮膚科学
  • スキンケア
  • メイクアップ
  • 生活習慣美容

3級の範囲

  • 化粧品科学
  • ヘアケア
  • ネイルケア
  • 香り
  • オーラルケア
  • サプリメント
  • 法律
  • 安全性

2級・3級の範囲

難易度

無料で何度でも受験可能

正答率70%前後

※問題の難易度によって、多少変動あり

正答率70%前後

※問題の難易度によって、多少変動あり

受験方法

Web受験(選択式)

会場(マークシート方式60問・1問1点 )

会場(マークシート方式60問・1問1点)

試験時間

 

50分

60分

試験時期

いつでも受験可能

年2回(5月、11月)

受験料

無料

6,600円

13,200円

「日本化粧品検定1級・2級」に合格するには、60問中7割程度の問題に正解する必要があります。つまり、合格の可能性が出てくるのは42点前後からということになります。

実施回ごとの難易度によっても多少変わるようですが、落とせるのは最大で18問くらいとして、余裕を見て45問程度は正解できるように備えておきたいところです。

ですが、ひねった問題はほぼなく、きちんと勉強した人は合格させるつもりであることが感じられる素直な出題が基本なので、テキストと問題集をくり返し勉強すれば、だいたいの人は大丈夫だと思います。

また、私が見た限りでは、合格できない人は「当日欠席した人=難易度とは無関係な理由での不合格」も多かったです。

成分検定1級は一般の人には難しめ

「化粧品成分検定1級」に関しては、一般の人はかなり勉強して行っても難しく感じると思います。 化粧品開発をしている人などもともと詳しい人なら別ですが、私はしっかり勉強したにもかかわらず、自信が持てない問題が数問出てきました

コスメコンシェルジュなのでまったく0から勉強する人よりは有利だったはずですが、それでも難しかったです。 得点が開示されないシステムで問題も持ち帰れないため、実際の点数は分かりませんが、少なくとも3~4問は落としたのではないかと思います。

合格率は1級で60~70%程度と意外に高めですが、これは化粧品・美容業界からの受験者が多いことが影響しているようです。

成分検定の試験範囲と難易度

 

3級(入門)

2級(基礎)

1級(応用)

合格者の認定名称(別途申請が必要)

 

化粧品成分スペシャリスト

(資格認定料5,500円)

化粧品成分上級スペシャリスト

(資格認定料5,500円)

試験範囲

2級相当の問題から成分知識のみ、10問3択

  • 頻出の化粧品成分名と種類、主な働き
  • 成分の表示名称、成分の種類の穴埋め(記述問題)
  • 全成分表示の読み解き
  • 化粧品の処方に必要な基礎知識をもとにした、全成分表の読み解き
  • 処方の背景、成分の配合目的
  • 全成分表示の中での、各成分の役割
  • 同じ役割の別の成分との置き換え

(2級の範囲含む)

難易度

正答率90%で合格

正答率80%で合格

正答率80%で合格

受験方法

Web受験(選択式)

  • 会場試験(マークシート方式/試験時間70分)
  • CBT(コンピュータ受験/5択60題)
  • 会場試験(マークシート・記述方式/試験時間90分)
  • CBT(コンピュータ受験/5択70題)

試験時間

 

70分

90分

試験時期

いつでも受験可能

年2回(6月、12月)

受験料

無料

6,600円

11,000円

第18回(2023年12月実施)より受験料を見直し予定との情報アリ

「化粧品成分検定」はマークシート方式かCBTかによって、会場が分かれています。紙と鉛筆で回答するか、パソコンで回答するかの違いですが、それ以外の条件は同じです。

「1級・2級は」正答率80%で合格となるので、2級は落とせるのが12問まで1級は14問までの失点であれば合格できます。

しかし、化粧品検定に比べるともともと内容が難しい上に、非常に細かい知識を問う問題も出題されるので、しっかり勉強したつもりでも油断大敵です。

化粧品検定はロジックが分かっていれば、その場で考えてもある程度正解できる問題もあります。ですが、「化粧品成分検定」はほぼ暗記力が頼りです。




【2023年8月情報】両方受験したい場合のスケジュール

次回の化粧品検定は2023年11月26日(日)

次回の日本化粧品検定は、2023年11月26日(日)です。2級は午前、1級は午後でお昼休みもあるので、1級・2級を両方とも受けたい人は、同日に併願受験できます

2級を飛ばして1級だけの受験も可能です。

合格発表は約1ヶ月後なので、年末に合否通知が届くと思います。

次回の化粧品成分検定は2023年12月10日(日)

次回の化粧品成分検定は、2023年12月10日(日)です。1級・2級とも午後の同じ時間に実施されるため、併願受験はできません

ですが、特に受験の資格は定められていないため、2級を受けずにいきなり1級だけ受験することも可能です。

ただし、化粧品検定から約2週間後なので、人によっては勉強の時間が足りないと感じることもありそうです。(化粧品検定の合否もまだ分からないタイミングです。)

十分な準備ができそうになければ、次々回2024年6月の試験まで待つ方法も検討してみるとよいでしょう。

なお、成分検定も約1ヶ月後に合否通知が届きます。

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