アルコールフリー化粧品とは?アルコール・エタノールが入っていない化粧品の選び方

この記事を書いた人
小鳥遊 文子
コスメコンシェルジュ

【保有資格】 ・2022年~:日本化粧品検定1級 ・2023年~:特級コスメコンシェルジュ/化粧品成分上級スペシャリスト(化粧品成分検定1級) 化粧品を信仰しない、フラットな目線からの記事作成を心掛けています。

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「少し肌に付いただけで赤くなってしまうので、アルコールが入っている化粧品は使えない」、「アルコール入りのスキンケアは、揮発する感触やニオイが苦手」。

化粧品に含まれるアルコールが苦手という人は、とても多いですよね。そこでここでは、化粧品のアルコールを避けたい人のために、アルコールフリー化粧品について解説します。

アルコールフリー化粧品の定義や、アルコールフリー化粧品の選び方を知りたい人は参考にしてください♪




アルコールフリー化粧品とは?

エタノールが入っていない化粧品を指す

化粧品における「アルコールフリー」とは、「エタノール(エチルアルコール)」が入っていない製品を指します。そのため、「エタノールフリー」といわれることもあります。

エタノールには殺菌・収れん効果があり、その性質が化粧品にも多く利用されています。しかし、やや皮膚刺激が強い成分のため、敏感肌や乾燥肌の人が高濃度のエタノールを使用すると、刺激を感じたり肌が乾燥することがあります。

また、体質的にアルコールにアレルギーを持つ人もいます。そのような人の場合は、少量のエタノールであってもアレルギー反応が出る可能性があります。

アルコールフリーなのに「○○アルコール」が入っている?

アルコールフリーが謳われている製品でも、成分表示を見ると「ベヘニルアルコール」や「フェノキシエタノール」など、「○○アルコール(エタノール)」という成分名が書かれていることがあります。

アルコールフリー化粧品に含まれる「○○アルコール(エタノール)」は、構造上の特徴から「アルコール/エタノール」という名前が付いているものの、お酒や消毒薬のアルコールとはまったく性質が異なるものがいくつかあります

アルコールやエタノールと紛らわしい成分名のもので、実際はアルコールとは別物の成分の代表的なものを挙げておきます。

  • ステアリルアルコールベヘニルアルコールセタノール:硬さ調整・乳化に使われることが多い成分
  • フェノキシエタノール:防腐剤の一種




アルコールフリー化粧品のメリット

エタノール入りのものに比べて低刺激

アルコールフリーの化粧品のメリットの一つは、エタノール入りの化粧品に比べて刺激が少ないことです。

特に注射の際のアルコール消毒でピリピリとした刺激を感じる人や、肌が赤くなる人は、アルコールフリーの化粧品の方が快適に使用できる可能性があります。

美肌菌が残りやすい

エタノールを排除することで、肌に必要な「美肌菌」が残りやすいメリットもあります。

エタノールに殺菌効果があることは多くの人が知る通りですが、化粧品に配合されるエタノールは他の成分でだいぶ薄まっているため、そこまで強い殺菌力はありません。

しかし、肌をすこやかに保つ上で欠かせない、「美肌菌」と呼ばれる常在菌を減らしてしまう可能性は考えられます。

したがって、美肌菌を減らさないためには、エタノールが含まれない化粧品を使う方がよいでしょう。

肌のうるおいが奪われない

エタノールには高い揮発性があるため、肌に塗るとすぐに揮発します。揮発するときに肌の熱を奪うので、すーっとした清涼感も得られます。

さっぱりとしてさわやかな使い心地が魅力ですが、揮発するときに肌の水分も奪ってしまうため、乾燥肌・敏感肌にはよくありません。

乾燥が気になる肌質の人が使うなら、アルコールフリー化粧品の方が肌のうるおいが奪われないので適しています。




アルコールフリー化粧品の選び方

避けるのは「エタノール」「無水エタノール」「変性アルコール」

アルコールフリー化粧品を選びたいときは成分表示を確認し、以下の成分が含まれていないかをチェックします。

  • エタノール(濃度95%以上のエタノール)
  • 無水エタノール(濃度99%以上のエタノール)
  • 変性アルコール(飲用への転用を防ぐため、臭気などを加えたエタノール)

上記3つは純然たるアルコールですので、アルコールが苦手な人とは相性がよくありません。

また、これらの成分が含まれていない化粧品は、商品説明に「アルコールフリー」「エタノールフリー」「アルコール無添加」などと書かれていることもあります。そうした表示を目安に選んでもよいでしょう。

アレルギーでないなら、少量のエタノールは問題ない場合も

アルコールフリー化粧品を選びたい人は、大まかに「肌に異常が出ることはないが、アルコールの刺激・使用感が苦手」という人と、「アルコールにアレルギーがある」という人がいるかと思います。

アレルギーの場合は少量のエタノールであっても反応する恐れがあるため、一切のエタノールを避けた方がよいでしょう。

ですが、単に使用感が苦手なだけの場合は、少量のエタノールであれば問題なく使えることもあります。アルコールによる乾燥が心配な人も、少量のエタノールであれば問題ないでしょう。

成分表示の後ろの方にエタノールが出てくる製品は、基本的にエタノールは少量です。(ただし、医薬部外品は例外アリ。)そのため、アルコール特有のスーッとした感触はありません。

揮発する感触が抑えられている製品もある

エタノールが多く含まれる製品でも、処方によって揮発する感触が抑えられているものもあります

アルコールフリー化粧品ではありませんが、単にアルコールの使用感が苦手なだけの場合は、こうした製品も選択肢に入れられるかもしれません。

エタノール以外の苦手成分にも注意

アルコールフリー化粧品であっても、他の配合成分によっては、必ずしも低刺激でないものもあります。

苦手な成分が複数ある人は、エタノール以外にも苦手な成分が含まれていないかをよく確認しましょう。

なお、化粧品は全成分表示が義務付けられていますが、医薬部外品は表示指定成分以外の記載がないことがあります。

配合成分について不明な点がある場合は、苦手な成分を伝えた上で、メーカーに問い合わせてみるとよいでしょう。「○○の成分にアレルギーがあるのですが、この製品は使えますか?」と尋ねれば、ほとんどのメーカーは親切に教えてくれます。

まとめ


アルコールフリー化粧品とは、エタノールが含まれない化粧品を指します。化粧品のアルコールを避けたい人は、以下の成分が含まれていない製品を選ぶとよいです。

  • エタノール
  • 無水エタノール
  • 変性アルコール

なお、アレルギーではなく、アルコールの使用感が苦手なだけの人の場合は、少量のエタノールなら問題なく使えることもあります。少量のエタノールまで避けなくても済むのであれば、その分選択肢が広がります。

成分表示の後ろの方にエタノールが出てくるときは配合量が少ないので(医薬部外品は例外アリ)、可能な人はそうした製品にも目を向けてみるとよいでしょう。