見た目を美しく保つにはスキンケアやメイクだけでなく、体の内側のケアも大切です。体の中からキレイになるために必要なことの一つは、活性酸素によって細胞が酸化するのを防ぐこと。
ですが、活性酸素がよくないらしいと聞いたことはあっても、美容への影響や対策方法をきちんと知っている人は案外少ないかもしれませんね。
そこでここでは、活性酸素の美容や肌への影響と体内の活性酸素を減らす方法を書きます。
肌や体の酸化を防いで若々しさを保ち続けたい人は、参考にしてください♪
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活性酸素とは?美容や肌にどう影響する?
活性酸素は「酸化させる力が強力な酸素」
活性酸素とは呼吸によって取り込まれた酸素が、通常よりも活性化した物質です。「『物質を酸化させる力』が強力になった酸素」とも言い換えることができ、呼吸などの体の働きにともなって常に産出されています。
酸化とは、「りんごの切り口が茶色くなる」、「金属がさびる」といった現象がそうです。呼吸で取り込まれた酸素が二酸化炭素となって排出されるのも、酸化反応の一つです。
活性酸素は免疫機能の維持などに必要な物質で、体にとって不可欠なもの。しかし、増えすぎた活性酸素は細胞を傷付けるため、がんなどの病気を引き起こしてしまいます。
肌の細胞も傷付けるので、シミやしわなどの肌老化も誘発します。
健康な体には「抗酸化能力」がある
通常、人間の体は「抗酸化能力」によって、活性酸素の産生抑制や、活性酸素によるダメージの修復・再生が自動的に行われています。
体内でひっきりなしに活性酸素が発生しても、「抗酸化能力」が影響を抑えてくれるおかげで、大きな問題が起こることはありません。
「抗酸化能力」は、体の中で作られる「抗酸化酵素」に支えられていますが、ビタミンCなどの抗酸化物質を外から補うことでも肌や体の酸化に対抗することができます。
しかし、喫煙(受動喫煙含む)や過度な飲酒、激しい運動や紫外線などによって活性酸素が増えすぎると、活性酸素の産出が「抗酸化能力」を上回ってしまうこともあります。
活性酸素が及ぼす美容への影響
活性酸素によって真皮の「線維芽細胞」が攻撃されると、ハリのもととなる「コラーゲン」や「エラスチン」を生み出す力が弱まります。その結果、肌の弾力が低下するので、しわやたるみが生じます。
また、色素細胞である「メラノサイト」が攻撃されれば、メラニン色素が過剰に生成されてシミ・そばかすができてしまうことも。
活性酸素の美容への影響は、肌だけではありません。活性酸素の攻撃が頭皮に及べば、抜け毛・薄毛・白髪・うねりなど髪のトラブルも起こります。
活性酸素の健康への影響
- アトピー性皮膚炎
- がん
- 糖尿病
- 脂質異常症
- 動脈硬化
- 心筋梗塞
- 胃潰瘍
- 肺炎
- 骨粗鬆症
- パーキンソン病
- アルツハイマー型認知症
- 脳血管型認知症
- 白内障など
活性酸素は直接的な美容への影響以外にも、健康を害することで顔色が悪くなるなど、間接的に見た目の美しさが損なわれることもあります。
活性酸素が関係しているとされる病気はたくさんありますが、代表的なところでは上記のものが挙げられます。
活性酸素が増える原因
食品添加物・加工食品など
活性酸素が増える原因の一つは、加工食品に使用される食品添加物です。食品添加物が体内に入ると肝臓で解毒されますが、解毒の過程で活性酸素が発生します。
また、インスタントラーメンやスナック菓子など、加工食品には活性酸素と結合しやすい「脂質」が多く含まれます。そのため、こうしたものを食べると活性酸素が増えたときと同様の影響があるといわれています。
古い食用油も酸化して過酸化脂質となっているため、体の中で活性酸素を発生させます。
睡眠の質が悪い
人体の中で活性酸素多く産出される臓器の一つは、「脳」です。しかし、「寝つきが悪い」「熟睡できない」などで睡眠の質が悪いと、脳の活性酸素が排出されにくくなります。
ヒトの脳には、就寝中に老廃物を排出する仕組みがあり、脳の活性酸素も眠っているときに排出されるのです。
そのため、慢性的に寝不足が続くと脳細胞が酸化ストレスに曝され続け、アルツハイマー型認知症のリスクも非常に高くなるといわれています。
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喫煙・受動喫煙
煙草の煙に含まれる有害物質も、肺の中に活性酸素を大量発生させます。肺の免疫細胞である「肺胞マクロファージ」が、煙草の有害物質を取り込んで殺す際に活性酸素が発生するのです。
自分は喫煙しなくても、他人の煙草の煙による受動喫煙でも活性酸素が発生します。
排気ガスなどの汚染物質
排気ガスなどに含まれる有害物質も、体内の活性酸素を増やします。
大きな道路が近い場所や工業地帯など、空気が悪い環境で暮らしている人は特に注意が必要です。
過度な飲酒
ここまで読んで気が付いた人もいるかと思いますが、体が有害物質や毒素を処理するときには、活性酸素が発生します。
アルコールが肝臓で分解されるときにも活性酸素が発生するので、過度な飲酒も体を酸化させます。 適度な飲酒はむしろ健康によいとされていますが、お酒をたくさん飲む人は注意が必要です。
激しい運動
エアロビクスやランニングなどの激しい運動も、活性酸素を増やします。
活性酸素の材料となるのは、呼吸で取り込んだ酸素。激しい運動をすると呼吸量が増えることで酸素が多く取り込まれるため、活性酸素も産生されやすくなるのです。
ストレス
ストレスも活性酸素が増える原因の一つです。人間の体はストレスを感じると、一時的に血流が滞ります。そして元に戻るときに、活性酸素が発生します。
そのため、「ストレスで血流が停滞→元に戻る」というプロセスをくり返すたびに、体が酸化していくことになります。
紫外線
紫外線を浴びると、皮膚の活性酸素が増えます。皮膚で産生された活性酸素は、シミ・しわ・たるみなどの肌老化を招きます。
加齢
ヒトの体に備わっている「抗酸化能力」は、20歳がピークだといわれています。それ以降は年齢が上がるにつれて、体の酸化を防ぐ力が低下していくとされています。
抗酸化能力の衰え方には個人差もありますが、少なくともある程度の年齢になったら、体を酸化させないことを意識した方がよいでしょう。
活性酸素を減らす対策方法
- 活性酸素を増やす原因をなるべく減らす
- 体の抗酸化力を高める
体の活性酸素を減らすには、これら2つの面から対策を考えていくと効果的です。
たんぱく質とミネラルを摂る
体の「抗酸化能力」の正体は、体内で生成される「抗酸化酵素」です。「抗酸化酵素」は主にたんぱく質でできているので、毎日の食事でたんぱく質を補うことが大切です。
たんぱく質は肉・魚・卵・大豆などに多く含まれています。
また、抗酸化酵素の生成・活性には、ミネラルも関わっています。そのため、亜鉛・銅・セレン・マンガンなどのミネラルも積極的に摂るとよいです。ミネラルには、抗酸化酵素の 効果を高める働きもあります。
ミネラルを多く含む食品は、牡蛎をはじめとする魚介類や豚レバー、大豆、ナッツ類などです。
抗酸化力の高い栄養素を摂る
- ビタミンC:緑黄色野菜、果物、ジャガイモ、サツマイモなど
- ビタミンE:ひまわり油などの植物油、ゴマ、ナッツ類など
- ポリフェノール:りんご、プルーン、赤ワイン、コーヒー、緑茶、紅茶など
- ミネラル:海藻、魚介類、納豆など
- カロテノイド:緑黄色野菜、黄色~赤色の果物、甲殻類、いくら、鮭など
抗酸化力の高い栄養素を摂るのも、よい方法です。活性酸素の影響を減らす方法としては、即効性も高いです。
なお、抗酸化物質として知られる「アスタキサンチン」や「リコピン」は、カロテノイドの一種です。
また、「イソフラボン」「アントシアニン」「タンニン」も抗酸化作用を持つことで知られますが、こちらはポリフェノールの一種です。
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適度な運動を心がける
激しい運動は活性酸素を増やしますが、軽い運動であれば逆に、体の抗酸化能力を高めてくれます。 酸化しにくい体を作りたいなら、ウォーキングや水中ウォーキング、ストレッチなどの軽い運動を取り入れてみるとよいでしょう。
なお、スポーツをする人の中には、ジョギングなどの激しい運動をしていると思います。その場合は軽い運動にとどめるのは難しいので、運動以外の方法をなるべく心がけることでバランスを取ってみてください。
飲酒・喫煙はほどほどに
煙草やお酒をたしなむ人は、ほどほどの量を楽しむようにしましょう。ドクターストップでない限りは完全に止めなくてもよいですが、吸いすぎ・飲みすぎには注意が必要です。
自分なりの摂取量を決めて、それを超えないようにするとよいでしょう。
また、お酒を飲むときのおつまみも、揚げ物や加工食品は少量にとどめ、枝豆や焼き魚などの抗酸化能力を高めてくれる食品を優先的に食べるとよいです。
ストレスを溜めない
体の中の活性酸素を減らすには、ストレスを溜めないことも大切です。とはいえ、現代人は日常的に過度な緊張を強いられている人がほとんどでしょう。
そうした生活の中でストレスを溜めないためには、「意識してリラックスすること」が非常に重要になってきます。
自分の意志で自由にリラックスできるようにするためには、「ゆったりした気分になれるトリガー」を自分なりに設定しておくとよいです。 「短時間でも外の空気を吸う」、「好きな香りを嗅ぐ」など、気になったときにいつでもできるような簡単なものがおすすめです。
「これをすると気分が落ち着いて、頭がすっきりする」と感じるものを、何か探してみるとよいでしょう。
休養・睡眠をきちんと取る
ストレスを溜めないことにも通じますが、休養・睡眠をきちんととることも活性酸素を減らすのに役立ちます。
忙しければ短時間でもよいので、「頭と体をしっかり休められる時間」を確保することがポイントです。
寝る前のスマホは控えるなど、できる範囲で改善してみるとよいでしょう。
紫外線対策をする
紫外線を浴びないようにすることも、肌の活性酸素を増やさないために効果的な方法です。
顔や体だけでなく、頭も帽子や日傘などでガードしましょう。
まとめ
活性酸素が増えすぎると細胞を傷付けるため、体にさまざまな不調をもたらします。肌のハリにかかわりの深い細胞や、メラニン色素を作り出す細胞にも影響するので、しわ・シミ・たるみなどの肌老化も引き起こします。
体の活性酸素を減らすには、活性酸素を増やす原因をなるべく避けるとともに、体の抗酸化能力を高めることを意識するとよいです。
抗酸化力の高い食べ物を積極的に摂る、ストレスを溜めずに規則正しい生活を心がけるなど、できる範囲で取り組んでみるとよいでしょう。