化粧品成分検定1級 試験当日の様子(CBT受験)
マークシート方式は会場数が少ない
「化粧品成分検定」はマークシート方式とCBTから選べますが、マークシート方式は会場数が非常に少ないです。 マークシート方式で受験できるのは、東京・大阪・福岡の3会場のみ。
一方、CBTは日本全国のテストセンターから好きな会場を選べて、会場数も多いです。 ただし、CBTは一つの会場に入れる人数が少ないため、人気の会場はすぐに予約が埋まってしまいます。
私も自宅から一番近いのは新宿でしたが、会場を選ぶ時点ですでに満席だったので、次に近い歌舞伎座センターで受験しました。
また、CBTはすべての会場を開放するわけではないらしく、予約できる会場がある程度限られており、家の近くの会場も選択肢から除外されていました。
「会場受験」と「CBT受験」は持ち物が違う
- 受験票(縦4㎝×横3㎝の写真を貼付)
- 鉛筆またはシャープペンシル(B・HB)
- 消しゴム
-
身分証明書
受験方法によって必要な持ち物が異なります。CBT受験は受験票がないので、試験日や会場を間違えないよう気を付けましょう。
マークシート方式は持ち物が多めです。特に受験票に貼る写真は忘れやすいので、証明写真を必ず用意しましょう。
また、筆記用具は普段使いなれているものが安心です。当日使用する予定の鉛筆や消しゴムを、試験勉強のときに使っておくとよいです。シャープペンシルを使いたい人は、マークシート用のものが芯が太くて塗りやすいです。
試験中のトイレ・退出は原則禁止
化粧品検定のときは試験監督に付き添ってもらえば、試験中でもトイレに行けました。
ですが、「化粧品成分検定」は試験中のトイレ・退出は原則禁止です。 部屋から出た時点で、その人は試験終了とみなされるのです。
当日の説明で「どうしてもトイレに行きたいときはお知らせください」と言われたので、絶対に行けないわけではないようですが、行けないものとして準備しておくと安心だと思います。
ですが、特に1級は試験時間が90分と長いので、「退出できないプレッシャー」はなかなかのものでした。
CBT受験は持ち物のルールが厳しい
マークシート方式は自分の席に荷物を置くことになると思いますが、CBT受験は教室の外のロッカーに、荷物をすべてしまった状態で受験します。そして試験が終わるまで、教室の外には出られません。
教室に持ち込めるのは身分証明書と、受付で渡される試験の説明書だけ。
例外として認められるのは、試験監督の許可を受けた「目薬・ハンカチ・ティッシュ」のみです。
それ以外は、腕時計も飲み水もロッカーにしまいます。持病の薬も教室には持って行けないのでかなり厳しいです。
持病などがある人は上手に対策を
試験が終わるまでトイレに行けず、薬も使えず・・・という決まりのようで、試験時間も長いので、持病のある私はその点についても対策する必要がありました。
同じような人が他にもいると思うので、そこについても簡単に書いておきます。
実はここ2年ほどパニック障害を患っており、化粧品検定では「飲み物で気を紛らわせる」などの手段が使えましたが、今回は気を紛らわせるアイテムは何も持ち込めません。精神科の薬で不安を抑える方法も、私は諸事情でNGです。
そこで必死に調べたところ、漢方薬で治療できるらしいことが分かったので、詳しいお医者さんを探して受診。その先生に事情を話して協力を仰ぎ、何とか乗り切れた次第です。
化粧品検定に比べると会場が暗い
会場にもよるでしょうが、私が受験した「歌舞伎座センター」は雰囲気が暗かったです。
化粧品検定は郊外の明るく開放的なキャンパスでしたが、歌舞伎座センターのあるビルは地下鉄直通の建物だからか、特に1階の歌舞伎座付近が暗いのです。
観光客が集まっているにもかかわらず、活気もあまり感じられません。 化粧品検定はみんな明るい顔をしていたことを考えると、かなり対照的です。
試験前は雰囲気のよい場所で過ごしたいですし、持病的にも圧迫感のある場所は避けた方が賢明です。そこで明るく静かな場所を求めて屋上庭園に避難し、時間になるまでベンチに座ってノートを見返しました。
試験時間はかなり余裕がある
内容は難しいですが、試験時間はかなり余裕があります。1級の試験時間は90分ですが、すべての解答を終えて2回見直しても、60分かからないくらいで終わってしまいました。
あまりに早く終わってしまったので、「見落として解答していない問題があるのでは・・・」と逆に不安になり、何度も画面を見直したほどです。
CBT受験だったのでマークシートを塗らなくてよいせいもありますが、マークシート方式でもだいぶ時間が余りそうです。
ですので、焦らずにじっくり解答しても見直しの時間は十分確保できます。
マークシート方式の方が集中しやすい
ペーパーテスト自体は慣れていてもコンピュータ受験が初めての私は、パソコンでの受験は集中しにくく感じました。 操作感や画面の高さが自宅のパソコンとは違うので、違和感があって集中しにくいのです。
紙と鉛筆ではないので、問題の重要箇所に線を引いたり、自信のない問題に印を付けたりすることもできません。
ですが、マークシート方式なら長年の習性があるので、鉛筆を持って答案用紙に向いさえすれば、どこでも自分の世界に集中できます。分からない問題が出ても、落ち着いて対処できます。
しかし、コンピュータ受験の場合は、分からない問題が出てくるとそれだけでパニック障害の動悸が出て気が散ります。操作などに違和感がある時点で通常の試験より緊張しており、そこに「分からないことによる動揺」がプラスされてしまうのです。
不安や焦りに飲み込まれない方法
私の場合は主に病気の症状で試験中に不安になりましたが、ペーパーテストが苦手な人は、試験のときのメンタル管理に苦労している人も多いと思います。
試験中に不安や焦りが生じたときは、「どうあっても絶対に合格するのだ!」と強く思うことで、ネガティブな気持ちや考えを上書きしてください。
そして分かるものからでよいので、ひとまず目の前の問題を解いてください。
「分からない・どうすればよいのか」などと考えるほど不安が増すので、できるだけ素早く気持ちを切り替えることが大切です。形だけでも、「私を落とすなんて許さない!」と思っておくくらいでちょうどよいです。
そして、そう思えるようにするためにも、納得いくまで試験勉強をしておきましょう。
化粧品成分検定を受けてみて感じたこと
化粧品成分への理解・知識が深まった
化粧品検定に比べると地味な存在ですが、私は受けてみてよかったです。 化粧品成分に対する理解・知識が飛躍的に深まったことで、このサイトで扱えるテーマや記事の切り口を増やせましたし、記事の精度も向上させられたからです。
以前は「メーカーが謳うこの効果は、どの成分が根拠なの?」など分からないことが多く、いちいち調べなければなりませんでしたが、そういう手間もだいぶ削減できました。
化粧品検定1級に受かるも、「化粧品成分に関しては知識が不十分すぎる」と感じたことが受験の動機でしたが、その辺りの問題を概ね解決できたと思います。
化粧品選びで失敗しにくくなった
公式サイトで説明されている通り、成分表示を見ればどんな化粧品か分かるようにもなりました。
店頭で気になる商品を見つけたときも、成分表示を見ただけで「自分が求めているものか、そうでないか」がだいたい分かるので、最近は化粧品選びの失敗も少なくなってきています。
学んだ知識を使って、「この化粧品の成分はこうだから、それならあれとそれで代用できる」といったこともできるので、化粧品代の節約にもつながっています。
効率よく情報収集できるようになった
試験勉強が進んでからは、メーカーサイトなどの商品説明もほとんど読まなくなりました。
「成分表示を読み解ける者」にとっては、法律とメーカー都合のマリアージュによる回りくどい説明よりも、全成分を見た方が早くて確実だからです。
また、化粧品の説明は法律の関係で「事実でも書けない効果」が多いですが、その辺りも成分知識があれば「事実を知る権利・必要な情報を得る権利」を自分で守れます。
ですが、「何かすごそうな説明や素敵なパッケージ」に騙されなくなったことで、化粧品に対するときめきが失われた感もあるので、人によってはそこがデメリットかもしれません。
1級まで取っても知らない成分もある
1級まで勉強するとだいぶ知識が身につきますが、教わらない成分もあるので、まだまだ知らない成分が出てくることがあります。より専門的な話を理解するには、化学の基礎知識も足りません。
さらに新しい成分もときどき開発されるので、仕事で扱い続ける限りは今後もずっと勉強が必要です。
ですが、化粧品検定を含めて基本的な知識はだいぶ与えてもらったので、何も知らなかった頃に比べると新しい知識を学びやすくなったと感じていますし、知らないことを学ぶのは単純に面白かったです。
また、私の出身校は普通科目の授業が極端に少なかったため、化粧品を入り口に化学の勉強も少しするようになりました。そういう意味では世界も広がったと思います。
メイクアップ品の成分は化粧品検定が詳しい
「化粧品成分検定」で扱う化粧品は主に、スキンケアや洗顔料、石鹸、シャンプー、トリートメント&コンディショナー、日焼け止めといったアイテムです。
ファンデーションや口紅などのメイクアップ品の成分については、少し触れる程度です。
メイクアップ品の成分に限っては、「日本化粧品検定」の方が詳しいです。ファンデーションに含まれる粉体の種類や、染料と顔料の違いなどが学べます。
まとめ
「日本化粧品検定」と「化粧品成分検定」は、どちらも化粧品に関する民間資格です。しかし、この2つはそれぞれ主宰する団体が異なり、学べる内容も異なります。
「日本化粧品検定」が化粧品・美容を幅広く学ぶのに対して、「化粧品成分検定」は化粧品成分についてより詳しく学びます。
どちらも化粧品・美容業界や医療業界などで働く上で役立ち、普段の生活でも重宝しますが、得られる知識が異なります。
もし、0から学ぶ人が両方受験したい場合は、「化粧品検定→成分検定」の順で受験すると、無理なく知識を習得できるでしょう。