美容に関心を持つ男性が増えつつある昨今。スキンケアをしてみようかと考える男性も珍しくなくなってきています。
ですが、母親や友達から情報を得られる女性たちと違い、男性は「スキンケアの先輩」が周りにいないことも多いため、「興味はあるけれど、やり方が分からない…」と足踏みしてしまう人も少なくありません。
また、「始めてはみたものの、面倒すぎて3日で挫折してしまった」という人もいるでしょう。
そこでここでは、男性のためのスキンケアのやり方と、長く続けるためのコツを紹介します。
男性の肌の特徴と、男性にもスキンケアが必要な理由
女性の肌に比べて水分が少なく、皮脂が多い
男性の肌は女性に比べて0.5mmほど厚く、脂肪層が少ないといわれています。また、肌の水分量が女性の半分ほどしかないため、女性の肌よりもキメが粗く、手触りも硬い傾向があります。
皮脂が多いのも男性の肌の特徴です。思春期の頃になると、男性ホルモンの影響で皮脂分泌が活発になり、女性の約2~3倍の皮脂を分泌します。
女性は加齢とともに皮脂が減っていきますが、男性の皮脂量は思春期から高齢になるまでほとんど変わりません。
ただし、これらはあくまで一般的な傾向であり、実際の肌状態は個人差も大きいです。そのため、自分に合ったスキンケアを行うには、「自分の肌に足りないもの・不要なもの」を的確に見極めることが不可欠です。
水分が少ないことで、皮脂が出やすくなることも
男性の皮脂分泌量が多いのは主に男性ホルモンの影響ですが、女性に比べて肌の水分量が少ないことも関係しています。
水分量が少ないということは、乾燥しやすい状態ということ。肌が乾燥すると異物やウイルスが侵入しやすくなるので、体にとってよくありません。
そのため、水分が足りなくなった肌は体を守るため、皮脂をたくさん出して乾燥を防ごうとするのです。
ヒゲ剃りによる肌荒れ・カミソリ負け
男性の肌が女性と大きく異なることの一つに、「ヒゲ剃り」の影響も挙げられます。
ヒゲ剃りはヒゲと一緒に肌表面の角質も削り取ってしまうため、肌荒れやカミソリ負けが起こることがあります。
特に日本の男性はヒゲを伸ばせない職場で働く人がほとんどのため、ヒゲ剃りが原因の肌トラブルに悩んでいる人も少なくありません。
肌悩みは女性だけのものではない
ニキビやシミ・しわ・たるみなどの肌悩みは、女性だけのものではありません。男性も思春期の頃にはニキビができやすくなりますし、年齢とともにシミ・しわ・たるみなどの「肌老化」も生じます。
特に紫外線を浴びる機会が多い職業・ライフスタイルの人は、毎日の生活の中での肌の負担が大きいため、シミやしわができやすいです。
肌は防御壁の役割を果たす重要な臓器
肌は見た目の良し悪しに影響するだけでなく、体の内部を守る「防御壁」の役割を担う重要な臓器でもあります。
もしも人間の体に皮膚がなければ、紫外線やウイルスなどの異物・有害物質は侵入し放題になり、体内の水分もどんどん蒸発してしまいます。
そして、肌が「防御壁」としての機能を十分に発揮するには、肌の各種細胞が正常に機能する必要があり、そのためには肌の細胞に水分が行き渡っていなければなりません。
つまり、健康管理の一環という観点から考えても、男性も肌のコンディションを整えるためのケアをした方がよいといえます。
スキンケアにはメンタルケアの効果もある
現代の人々は複雑かつ偏った社会で生きていかなければならないため、本人のキャパシティーを超えたストレスを解消できずに悩んでいる人も多いです。
精神的に辛いときに、手軽に心をケアできる手段としてもスキンケアは役立ちます。肌を大切に扱うことで自己肯定感が高まり、不安や緊張がやわらぐ効果が得られるからです。
特に男性は自分一人で悩みを抱え込んでしまう傾向があるので、他人の手を借りずに自分を労われるスキンケアは、男性のストレスケアに適した方法といえるでしょう。
アットコスメの運営会社が最近実施した、男性メンバーへのアンケート調査でも、スキンケアが精神面にもよい影響を与えると感じている回答があったそうです。
最低限必要なのは、洗顔・保湿・日焼け止め
男性のスキンケアで最低限必要なのは、洗顔・保湿・日焼け止めです。肌の汚れが蓄積したままだと毛穴のトラブルに繋がりますし、汚れの上から保湿してもスキンケアが浸透しにくいです。
水分が少ない肌質なので、女性以上に保湿も大切です。 また、紫外線は肌を乾燥・老化させるので、日中は日焼け止めクリームも塗っておくとよいでしょう。