「レチノールとパルミチン酸レチノールはどちらが効果的?」、「レチノールを使いたいけれど、副作用があると聞いた。敏感肌でも使えるレチノールクリームはどれ?」、「トレチノインとはどう違うの?」。
レチノールはハリが気になる人を中心に注目されていますが、種類がいくつかあって分かりにくい上に、皮膚刺激が強いことから選び方・使い方に注意点もあります。
そこでここではレチノールの効果や、トレチノインとの違いについて解説します。レチノール化粧品の選び方とおすすめ商品9選も紹介するので、レチノールを使ってみたい人は参考にしてください♪
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レチノールの効果・トレチノインとの違い
レチノールはビタミンAの一種
レチノールはビタミンA(レチノイド)の一種です。不安定な成分なので、安定性を高めるため誘導体化した「酢酸レチノール」や「パルミチン酸レチノール」の形で使うこともあります。
また、誘導体化したものと区別するために、何も添加していないレチノールを「ピュアレチノール」と呼ぶメーカーも存在します。
レチノールの効果は主にしわ改善
誘導体化されていないレチノール(ピュアレチノール)は、しわを改善する効果が厚生労働省に認められた医薬部外品の有効成分です。 本来は不安定な成分ですが、安定的な状態で配合できるメーカーが登場し、有効成分として登録されました。
ピュアレチノールは肌のターンオーバーを促進する作用と、表皮のヒアルロン酸産生を促して水分量を増やす作用によって、しわを改善します。
また、ターンオーバーを促進することから、メラニンの排出が促される効果も期待されています。ただし、真皮に到達してしまった濃いシミには効果がありません。
そして、レチノールには抗酸化作用や皮脂分泌を抑える作用もあることから、アメリカでは古くからニキビ治療薬として使用されているそうです。ただし、炎症を悪化させる場合もあるため、注意が必要です。
パルミチン酸レチノールは線維芽細胞を活性化させる
パルミチン酸レチノールは、ハリのもととなる肌のコラーゲンやエラスチンの生成を促すといわれています。そのため、光老化などによる深いしわを対象とした化粧品によく配合されます。
ただし、パルミチン酸レチノールは今のところ、有効成分としては認められていません。
また、コラーゲンやエラスチンが生成されるのは、真皮の線維芽細胞というところです。したがって、パルミチン酸レチノールでしわを改善するには、成分を真皮に届ける必要があります。
しかし、基本的には、化粧品は角層までしか浸透させてはいけない決まりになっています。例外的に、医薬部外品に限っては真皮まで浸透させてもよいことになっていますが、すべての医薬部外品が真皮に浸透できるわけではありません。
真皮まで浸透できる製品は、パッケージなどにそのように書かれているので、それで見分けられます。
トレチノインとの違い
レチノールと似たものに、「トレチノイン」もあります。トレチノインはビタミンA誘導体の一種で、「レチノイン酸」とも呼ばれます。
レチノールに比べると50~100倍の生理活性を持つもので、人体への作用が強力なため、化粧品には配合できません。医薬部外品であっても不可です。
したがって、トレチノインを入手するには医師の処方が必要です。皮膚科などでは、シミ・シワ・ニキビ・毛穴・ニキビ跡の治療にトレチノインが使用されています。 トレチノインを処方してもらうときは、使い方や副作用について、医師・薬剤師の説明をよく聞きましょう。
レチノール化粧品の選び方・注意点
- 低濃度から始める
- 敏感肌の人は慣れるまで使用頻度を減らす
- 酢酸レチノール・パルミチン酸レチノールは比較的低刺激
レチノール化粧品は人によって刺激を感じたり、一時的に肌トラブルが出たりすることもあるため、選び方・使い方にいくつかのポイントがあります。
レチノール反応が出る場合アリ
レチノールを使い始めのときに、「レチノール反応」と呼ばれる乾燥・赤み・皮剥けなどの副作用が出ることがあります。「A反応」「レチノイド反応」とも呼ばれる現象です。
肌が慣れるにしたがって数日から一週間程度で治まるのが一般的ですが、長いときは3~6週間ほど症状が出ることもあります。 レチノール反応はビタミンAが不足している肌で起こりやすく、高濃度のレチノールでも起こりやすくなります。
低濃度のものから始める
レチノールを使い慣れていない人は副作用を避けるため、低濃度のものから始めるとよいです。 低濃度のものを使ってみて問題がないようなら、必要に応じて高濃度のものに切り替えるとよいでしょう。
特に乾燥肌の人は、低濃度のものでしばらく様子を見た方がよいです。レチノールは、肌の乾燥を悪化させることがあるからです。
ニキビ肌の人もレチノールによる乾燥からニキビが悪化することがあるので、注意が必要です。
ブランドによっては少しずつ肌を慣らして行けるように、濃度が何段階か用意されていることもあります。
敏感肌の人は使う頻度に注意
敏感肌の人は、使う頻度にも注意しましょう。2~3日に1回程度から始めて、2週間ほど様子を見て問題がなければ毎日使用するなど、肌の様子を見ながら適切な使用頻度を探るのがよいでしょう。
誘導体化されたものは刺激が少ない
肌への刺激が心配な人は、誘導体化された「酢酸レチノール」や「パルミチン酸レチノール」を選ぶとよいです。
有効成分ではなくなってしまいますが、ピュアレチノールよりも刺激が少ない傾向があるため、比較的初心者向きです。
レチノールを使うなら紫外線対策が必須
レチノール配合の化粧品を使うなら、紫外線対策が必須です。レチノールを使っていると、紫外線への感受性が高くなることで、日焼けしやすくなったりシミができたりすることがあるからです。
これは肌自体の変化になるので、日中はレチノールを塗らなければ大丈夫ということではありません。 朝はレチノールを塗らなくても、夜にいつも塗っているなら、日中も日焼けしやすい状態が続くため、紫外線対策が必要です。