「シャンプーを止めたら頭皮のニオイが出なくなった」、「湯シャンの方が頭が臭くならない」。SNSなどで、こんな話を聞いたことはありませんか?
かくいう私も湯シャンを始めたら加齢臭がなくなったため、ずっとその理由を調べていました。それで分かったのは、どうやら頭皮のバリア機能が関係しているらしいということです。
そんなわけで今回は、シャンプーで頭が臭くなる原因と、湯シャンで頭皮のニオイが改善する可能性があるのはどんな人か?というテーマで情報をまとめました。
さらに、私が湯シャンを開始してから1年6ヶ月経った現在の様子や、これまでに分かったことも紹介します。
頭皮のニオイが気になる人や、湯シャンに興味がある人は参考にしてください♪
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頭皮は洗いすぎると臭くなる!?
頭皮が臭う原因は5つ
- 過剰な皮脂分泌
- 加齢に伴う頭皮環境の変化
- 脂質の摂りすぎ・暴飲暴食
- 脂漏性皮膚炎などの皮膚疾患
- 過剰な洗浄力によるバリア機能の低下
頭皮が臭う原因は主に5つあり、人によっても原因が異なります。自分はどのタイプに当てはまるかに注目しながら、一つずつ詳しく見ていきましょう。
①過剰な皮脂分泌
皮脂の分泌が多いほど、頭皮のニオイが出るリスクが高まります。皮脂は分泌された直後は無臭です。しかし、皮膚の常在菌によって皮脂を構成するたんぱく質やアミノ酸、脂質などが分解されると、独特のニオイを発します。
なお、頭皮はTゾーンの約2倍の皮脂が分泌されるといわれています。
また、汗をたくさんかいたときも頭皮のニオイが出やすくなります。汗もかいた直後は無臭ですが、皮膚の常在菌に分解されることで、酸っぱいニオイを発します。
②加齢に伴う頭皮環境の変化
頭皮のニオイは、加齢によっても変わります。赤ちゃんや若い女性は甘い匂いがしますが、あのよい匂いの正体は、「ラクトン」という成分です。ラクトンは10代の頃にもっとも分泌量が増え、その後徐々に減少して、30代にはだいぶ少なくなります。
そして、男性は30代後半、女性は40歳以降から、「ノネナール」という加齢臭の原因となる物質が分泌されるようになります。ノネナールは皮脂の酸化によって生じる不飽和アルデヒドの一種で、青臭いニオイで知られます。
③脂質の摂りすぎ・暴飲暴食
スナック菓子やジャンクフードなどの脂質の多い食品の食べ過ぎも、頭皮のニオイの原因になります。これは、脂質の過剰な摂取によって、皮脂分泌が増えるためです。
肉類などの動物性脂肪を多く含む食品も、加齢臭の原因となるノネナールの生成を増やすといわれています。
また、暴飲暴食によって内臓の機能が低下することでも、頭皮のニオイが強くなることがあります。
④脂漏性皮膚炎などの皮膚疾患
脂漏性皮膚炎や粉瘤などの皮膚疾患が、ニオイの原因となっているケースもあります。
脂漏性皮膚炎は、過剰に分泌された皮脂がエサとなり、常在菌の一種であるマラセチア菌が増えすぎることで発症します。
粉瘤は、毛穴の中に袋ができ、その中に皮脂や垢などの老廃物が溜まってしまうものです。何らかの理由で溜まった老廃物が排出されると、不快なニオイを発します。
もしもニオイだけでなく、頭皮に赤みや痒みなどの異常が見られる場合は、皮膚疾患の可能性も考えられます。その場合は、皮膚科などで治療を受けることがニオイの改善にもつながります。
⑤過剰な洗浄力によるバリア機能の低下
①~④までの原因に心当たりがない、またはきちんと対策しているのにニオイが改善しない場合は、使用しているシャンプーの洗浄力が強すぎる可能性があります。
強過ぎるシャンプーは頭皮の乾燥を招くため、バリア機能が低下することがあります。頭皮のバリア機能が低下すると、皮膚の細菌のバランスが崩れるので、雑菌が繁殖しやすくなります。その結果として、不快なニオイが出てしまうことがあるのです。
頭皮が臭わないようにするには、ある程度清潔に保つことが必要ですが、洗いすぎても逆効果です。
シャンプーで頭が臭くなる原因
頭を洗いすぎると、かえって雑菌の繁殖を招く
くり返しになりますが、洗浄力が強いシャンプーを使ったり、あるいは頻繁に頭を洗いすぎると、かえって臭くなってしまうことがあります。これは、洗いすぎによって頭皮のバリア機能が低下することで、雑菌が繁殖しやすくなるからです。
私は以前の記事で、シャンプーを止めて湯シャンに切り替えたら頭皮の加齢臭がなくなったという話をしました。そのときは理由が分かりませんでしたが、当時の私は乾燥肌でしたので、シャンプーを止めたことでバリア機能が回復し、その結果、雑菌の繁殖が抑えられてニオイが出なくなったのだと思われます。
乾燥肌・敏感肌の人は特に注意が必要
乾燥肌・敏感肌の人は皮膚のバリア機能が低下しやすいため、特に注意が必要です。こうした肌質の人で、きちんとシャンプーしても頭皮のニオイが気になる場合は、試しにしばらく洗浄力が弱いシャンプーに変えるか、あるいは湯シャンに切り替えてみてもよいかもしれません。
特に、頭皮に乾燥を感じたり、細かく白いフケが出るようなら、洗いすぎの可能性は高いです。
なお、頭皮が乾燥することによって、逆に皮脂分泌量が増える場合もあります。そのため、「乾燥肌なのに頭皮はベタつく」という人も、洗いすぎを疑ってみるとよいかもしれません。
湯シャンで頭皮のニオイが改善するのはどんな人?
乾燥肌・敏感肌は湯シャンが合う可能性が高い
湯シャンに切り替えることで頭皮のニオイが改善する可能性が高いのは、乾燥肌・敏感肌の人です。シャンプーの使用を止めるか、使用頻度が減ることで、頭皮のバリア機能が改善し、細菌バランスが整う可能性が考えられるからです。
脂性肌・混合肌で洗いすぎている人
また、脂性肌や混合肌の人も、ベタつきが気になるあまり洗いすぎている可能性があります。その場合も、湯シャンを取り入れることでバリア機能が回復し、ニオイが改善するかもしれません。
湯シャンだと洗い足りなそうであれば、シャンプーを洗浄力の低いものに変更してもよいでしょう。
湯シャン開始から1年6ヶ月後の様子
湯シャンを長く続ける間に感じたこと
- ニオイ・痒みはほとんど気にならない
- ヘアオイルなど保湿のための対策はほぼ不要に
- 湯シャンのみだとブラシに汚れが付きやすい(埃、油分)
- 途中で肌質が変わり、重曹での洗髪では油分があまり落ちなくなった
- ボリュームが少ない髪質のため、油分によるボリュームダウンが気になる
私が湯シャンを開始してから1年6ヶ月ほど経ちました。たまに重曹で洗ったりしながらも、基本は湯シャンを続けて、その間に上記のことを感じました。
湯シャンを始めるにあたってもっとも懸念されたニオイと痒みについては、まったく問題なし。むしろ、湯シャンで数日後の髪よりも、普通にシャンプーした翌日の晩の方がニオイと痒みが強いほどです。
ただし、体調の関係で肌質が乾燥肌から混合肌に変わったことで、油分が落としきれないことが少し問題になってきました。髪のボリュームが出なくなりますし、髪が空気を含まないので、冬は少し寒いです。
ですが、それだけ髪が脂っぽくなっても、シャンプーを使っていたときよりニオイは少なく、痒みもほとんど出ないのには驚きました。
油分の落とし方を試行錯誤
肌質の変化で重曹の洗浄力では足りなくなってきたため、洗い方をいろいろ試してみました。個人差があるのであくまで私のケースですが、ざっと以下のような感じです。
- シャンプー:指通り成分が肌に合わないようなので選択肢から除外
- シャンプーブラシ:気持ちよいが、油分は落とせない
- 重曹の濃度を上げる:頭皮が乾燥し、乾性フケが発生。しかし、髪の油分はあまり落ちない
- 浴用石鹸(アルカリ性のごく一般的なもの):洗浄力が強すぎたようで、頭皮から嫌なニオイが発生。翌日のベタつき・痒みも気になる
- アミノ酸系全身用洗浄料:刺激がなく、頭皮のトラブルもなく、ニオイも出ない
このような結果になったので、現在は普段は湯シャンで、気になるときだけミノンの全身用洗浄料で洗っています。ただし、これもやり過ぎればバリア機能の低下からニオイを再発させる恐れがあるため、洗浄料はあまり頻繁に使わないように気を付けています。
また、湯シャンを始めたばかりの頃は髪がゴワつきましたが、現在は保湿のためのケアはほぼ不要です。気になるときは、食品グレードのクエン酸かお酢でリンスをします。あとは、パサつきやすい季節だけシルクのナイトキャップを毛先に巻く程度です。
湯シャンは合わない人もいる
肌質などの条件によっては、湯シャンで頭皮のニオイを解決できることがあります。しかし、湯シャンは誰にでも合う万能な洗い方ではありません。
肌質やライフスタイルによっては合わないこともありますし、かえってトラブルを招く場合もあります。
したがって、湯シャンを試すときは様子を見ながら行うことが大切です。頭皮にトラブルが出るなどした場合は、必要に応じてシャンプーを使用するなど柔軟に対応しましょう。
湯シャンについて詳しくは、次の記事で紹介しています。
アラフィフ女性が湯シャンを3ヶ月続けた結果報告と、メリット・デメリット・注意点を解説
まとめ
- 乾燥肌・敏感肌である
- 乾燥肌なのに頭皮はベタつく
- 洗浄力の強いシャンプーを頻繁に使う
上記の一つでも当てはまるなら、湯シャンで頭皮のニオイが改善する可能性があります。こうした人は、シャンプーの洗浄力によって頭皮のバリア機能が低下しているために、雑菌が繁殖しやすくなっていることが考えられるからです。
ただし、頭皮のニオイは別の原因のこともありますし、湯シャンが合わない人もいます。
記事を参考にニオイの原因を見極め、自分に合った対策方法を講じてみてくださいね。