敏感肌向けだから安心とは限らない
敏感肌の人が洗顔料を探すなら、「敏感肌向けブランド」から探すのが効率のよい方法ではあります。 ですが、敏感肌向けとされる製品であっても、必ずしも安全とは限りません。
人によってアレルゲンや合わない成分は異なり、「安全性が高いとされる成分・皮膚刺激が少ないとされる成分」であっても、合わない人もいるからです。 「水」ですらごく稀にアレルゲンになるので、「万人にアレルギーが起きない成分・化粧品」は存在しないのです。
したがって、自分で分かっている範囲のものだけでも、苦手な成分が含まれていないかは確認した方がよいでしょう。
さらに、「敏感肌用なのに、刺激の強い成分を入れちゃうの?」という謎処方の商品もときおり見かけるので、敏感肌用というだけで信用するのは危険です。
肌への負担が少ない洗顔料5選
ここでは化粧品成分上級スペシャリスト(化粧品成分検定1級)としての知見から、「肌への負担が少ない処方」と判断できた洗顔料を5つ紹介します。
同じ敏感肌同士でも人によって合わない成分が違うため、ここで紹介する商品もすべての人にトラブルが起きないとは限りません。ですが、まったく情報がない状態から探すよりは、肌に合うものを見つけやすいと思います。
①ラ ロッシュ ポゼ|トレリアン ハイドレーティング ジェルクレンザー
グリセリン、ココベタイン、プロパンジオール、ココイルグリシンNa、ジオレイン酸PEG‐120メチルグルコース、塩化Na、水酸化Na、クエン酸、セラミドNP、ナイアシンアミド、EDTA‐2Na、カプリロイルグリシン、カプリリルグリコール、アクリレーツコポリマー
ベタイン系洗浄成分である「ココベタイン」と、アミノ酸系洗浄成分の「ココイルグリシンNa」を組み合わせた洗顔ジェルです。
保湿・整肌成分にはグリセリンとセラミドNP、ナイアシンアミドを配合。
防腐剤の代わりに抗菌作用を持つ「プロパンジオール」を使用しており、香料・着色料などの余計な成分も含まれていません。
脱脂力が低めの洗浄成分を使用していて、処方全体もミニマムなので、敏感肌でも比較的トラブルが起こりにくいと思います。
皮膚科医の協力のもとテスト済み*1、アレルギーテスト済み*2、ニキビのもとになりにくい処方*3。
容量・価格は100ml 2,200円。
*1すべての人に肌トラブルが起きないわけではありません。
*2すべての人にアレルギーが起きないわけではありません。
*3すべての人にニキビのもとができないわけではありません。
②イグニス|モイスト ウォッシュ クリーム
水・BG・セテアリルアルコール・ワセリン・ラウロイルグルタミン酸ジ(オクチルドデシル/フィトステリル/ベヘニル)・ステアリン酸グリセリル・水添ヤシ油・ヘキサ(ヒドロキシステアリン酸/ステアリン酸/ロジン酸)ジペンタエリスリチル・ホホバ種子油・ウイキョウ果実エキス・カミツレ花エキス・チャ種子油・トコフェロール・ヨーロッパブナ芽エキス・加水分解クダモノトケイソウ果汁エキス・(アクリル酸Na/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー・(アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C10-30))クロスポリマー・イソヘキサデカン・オレイン酸ソルビタン・カルボマー・キサンタンガム・ジメチコン・ステアロイルグルタミン酸・セスキオレイン酸ソルビタン・ドロマイト・パルミチン酸セチル・パルミチン酸ソルビタン・ヒドロキシプロピルメチルセルロース・ポリソルベート80・ミネラルオイル・レシチン・水酸化Al・水酸化Na・水添パーム油・水添レシチン・フェノキシエタノール・香料・カラメル・酸化チタン
泡立てないクリーム洗顔料です。サクランボ大を顔全体になじませたあと、水またはぬるま湯ですすぎます。濡れた肌にも乾いた肌にも使えます。
油性成分が汚れを絡め取ることで洗浄するため、洗浄のためのアニオン界面活性剤は一切含まれていません。(乳化のための非イオン界面活性剤は含まれています。)
成分の種類が多く、植物エキスも配合されているので、人によっては注意が必要ですが、基本的には刺激の強い成分は含まれていません。 テクスチャーが固いことと、ハーブ系の香りで好みが分かれるようですが、口コミ評価はおおむね好評です。
容量・価格は120g 3,300円。
③カルテ|カルテHD モイスチュア ウォッシングフォーム
- 有効成分:グリチルリチン酸ジカリウム
- その他の成分:精製水、1,3‐ブチレングリコール、N‐ヤシ油脂肪酸アシルグリシンカリウム液、濃グリセリン、ヤシ油脂肪酸メチルタウリンナトリウム、2‐アルキル‐N‐カルボキシメチル‐N‐ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、マルチトール液、グリコシルトレハロース・水添デンプン分解物混合溶液、L‐セリン、L‐テアニン、N‐アセチル‐L‐ヒドロキシプロリン、エデト酸二ナトリウム、グリセリル‐N‐(2‐メタクリロイルオキシエチル)カルバメート・メタクリル酸ステアリル共重合体、グリセリルグルコシド液、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、フェノキシエタノール
泡で出てくるタイプの洗顔料です。洗浄成分はアミノ酸系*1と、アミノ酸系に近いタウリン系界面活性剤*2を配合。 そして、おそらくは泡立ちを補助する目的だと思いますが、ベタイン系*3界面活性剤も配合されています。
保湿成分はアミノ酸や糖類です。 肌荒れを防ぐ有効成分に「グリチルリチン酸ジカリウム」が配合されており、刺激の強い成分は含まれていないので、肌荒れしやすい人・ニキビが気になる人にもよいでしょう。
容量・価格は150ml 1,320円。
*1 N‐ヤシ油脂肪酸アシルグリシンカリウム液
*2 ヤシ油脂肪酸メチルタウリンナトリウム
*3 2‐アルキル‐N‐カルボキシメチル‐N‐ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン(ココアンホ酢酸Na)
④レシピオ|モイストウォッシングフォーム
水、BG、ココイルグリシンK、ココイルメチルタウリンNa、ココアンホ酢酸Na、グリセリン、アルギニン、エクトイン、オウゴン根エキス、カミツレ花エキス、グリシン、セリン、テアニン、トレオニン、ヒアルロン酸Na、ポリアスパラギン酸Na、EDTA‐2Na、フェノキシエタノール
マツモトキヨシグループが作っている洗顔料です。マツキヨ以外のお店でも取り扱われています。 洗浄成分はアミノ酸系とタウリン系を中心に、ベタイン系も配合。
保湿成分にはグリセリン、アミノ酸、ヒアルロン酸などが配合されています。 比較的シンプルな処方で、刺激の強い成分も控えられています。
容量・価格は200ml 1,650円/詰め替え用180ml 1,320円。
⑤キュレル|潤浸保湿 泡洗顔料
- 有効成分:グリチルリチン酸2K
- その他の成分:精製水、グリセリン、ラウロイルアスパラギン酸Na液、マルチトール、ラウリルヒドロキシスルホベタイン液、PG、PEG6000、ヤシ油脂肪酸アシルグルタミン酸Na、ステアリン酸POEソルビタン、グリセリルエチルヘキシルエーテル、水酸化カリウム液(A)、エデト酸塩、フェノキシエタノール、パラベン
肌荒れを防ぐ有効成分「グリチルリチン酸2K」を配合。洗浄成分はアミノ酸系*1とベタイン系*2が配合されています。
保湿成分はグリセリンとマルチトール。防腐剤が使用されていますが、使用量を抑えられる設計になっているため、アレルギーなどでなければあまり気にしなくてよいでしょう。
容量・価格は150ml 1,540円/詰め替え用130ml 1,210円/大サイズボトル300ml 2,805円。
*1 ラウロイルアスパラギン酸Na液、ヤシ油脂肪酸アシルグルタミン酸Na
*2 ラウリルヒドロキシスルホベタイン液
敏感肌を守るには洗顔のやり方も大切
熱いお湯は避け、こすらずやさしく洗う
せっかく洗顔料を吟味しても、洗顔のやり方が悪ければ肌に負担がかかってしまいます。 デリケートな敏感肌の場合は特に、肌に負担をかけないように洗うことが大切です。
そのためには、すすぎに熱いお湯は乾燥を招くので避け、体温より低い水またはぬるま湯を使うようにしましょう。
ザラつきや角栓などはこすって取りたくなりますが、摩擦も敏感肌には大敵です。洗い足りないようでも、こすらずにやさしくなでるように洗いましょう。
タオルで水気を拭き取るときもゴシゴシこすらず、軽く押さえるようにして、タオルに水滴を吸わせます。
正しい洗顔のやり方について詳しくは、次の記事でも紹介しています。男性向けの記事ですが、洗顔の基本的なやり方・注意点は女性にも共通するので、興味がある人は読んでみてください。
メンズスキンケアで肌イケメンに!基本のやり方と長く続けるためのコツ
洗顔料は毎日使わなくてもよい
洗顔というと、「朝晩2回、洗顔料で洗うもの」というイメージを持つ人も多いと思います。ですが、洗顔料は必ずしも毎日使わなければならないものではありません。
特に敏感肌は乾燥傾向であることが多いため、メイク汚れを除くと水だけで落とせる汚れがほとんどです。 そういう人が毎日2回も洗顔料を使っては、洗浄力が強すぎてますます敏感肌を悪化させてしまいます。
洗顔料を使うのは、クレンジング後の油分が気になるときなど、「水で落とせない汚れがあるとき」だけでよいです。 特に朝の洗顔は、汚れの内訳のほとんどが汗とホコリ=水で落とせる汚れなので、水かぬるま湯で軽くすすぐ程度で十分です。
まとめ
敏感肌の人が洗顔料を選ぶときは、以下のポイントを押さえて選ぶとよいです。
- 洗浄成分はアミノ酸系かベタイン系、クレイ系
- 刺激の強い成分・余計な成分は避ける
- 保湿成分が配合されている(グリセリン、アミノ酸、糖類、ヒアルロン酸など)
- ニキビ・肌荒れがある人は抗炎症成分が入った薬用タイプ
特に洗浄成分は種類によって、脱脂力や皮膚刺激が大きく異なるので、こだわって選びたいこところです。
ですが、洗浄成分がよくても他の成分が悪いと肌に負担がかかるため、苦手な成分が入っていないかなどもよく確認するようにしましょう。
「敏感肌用」とされているものは条件を満たす製品が多いですが、中には敏感肌にはイマイチな処方のものもあるため、最終的には成分をよく確認することが大切です。
また、人によっても合わない成分が違うので、他の敏感肌の人に評判がよくても自分には合わないといったこともあります。使ってみて少しでも肌に違和感が生じるようなら、無理に続けず使用を中止するようにしましょう。