正しい洗顔のやり方
洗顔は1日2回まで
スキンケアの基本的な考え方は、肌をやさしく扱い、なるべく刺激を与えない・乾燥させないということです。 洗いすぎも肌に負担がかかるので、洗顔の回数は1日に2回までが望ましいです。
スポーツをする人などはもっとこまめに顔を洗いたくなるかもしれませんが、その場合も洗顔料で洗うのは1日2回まで。残りは水かぬるま湯ですすぐ程度にするとよいです。
なお、皮脂によるベタつきは、ティッシュを肌に当てて油分を吸わせる「ティッシュオフ」をしてから洗うと、洗顔料の使用を減らせます。
また、乾燥肌や混合肌の人は基本的に乾燥しやすい肌質なので、洗顔料を使うのは夜だけで十分です。朝は水かぬるま湯だけで洗う方が乾燥を避けられます。
こすらない・熱いお湯は避ける
洗顔料は顔を濡らし、よく泡立ててから肌に乗せます。(泡立てないタイプの洗顔料を除く。)手で泡立てるのが面倒な人は、泡立てネットを使うと手早く泡が作れます。
なお、洗顔料は界面活性剤などの洗浄成分が汚れとくっ付く作用を利用して洗うものなので、ゴシゴシこする必要はありません。 むしろ摩擦は肌を傷めるので、泡でなでるようにやさしく洗う方がよいです。
皮脂が多い顔の中心部分から洗い始めて、ひと通り洗えたらすぐにすすぎましょう。洗顔料を長く肌に乗せると、負担がかかります。
また、熱いお湯は肌を乾燥させるので、洗顔には水またはぬるま湯を使うとよいです。すすぎのときも肌をこすらないよう注意しましょう。
拭くときはタオルで押さえるように
洗顔後にタオルで水気を拭くときも、こすらずに押さえるようにして拭きます。「肌に対して、手を平行に動かしてはいけない」というのが、スキンケアの動作の基本なので覚えておくとよいです。
また、スキンケアは肌に触る回数が少ないほどよいので、タオルは吸水性がよいものを選ぶと、拭くときに肌に当てる回数を減らせます。
なお、タオルは柔軟剤でコーティングされると吸水性が落ちるので、タオルを洗うときは柔軟剤を使わないようにしましょう。
洗顔後は保湿がマスト
洗顔をすると汚れと一緒に、肌の水分も洗い流されます。水分が洗い流された状態で放置することをくり返すと、肌の乾燥が進んでしまいます。
肌を乾燥させないためには洗顔をしたら必ず、保湿もセットで行うようにしましょう。
脂性肌の人でも洗顔直後は、一時的に肌の水分が足りない状態になります。そのため、洗顔後の保湿はどの肌質の人にも必要です。
乾燥肌なら洗顔料よりオイル洗顔
乾燥肌の人は、洗顔料だと洗浄力が強すぎることがあります。また、敏感肌でどの洗浄成分も合わないという人もいるでしょう。
乾燥肌の人は基本的に油性の汚れが少ない肌質なので、洗顔は朝晩とも水かぬるま湯ですすぐだけでも問題ない場合も多いです。
ですが、水洗顔だけでは物足りないようであれば、オイル洗顔を試してみるとよいです。 オイル洗顔とは、洗顔料の代わりにベビーオイルやスクワランオイルで洗顔する方法です。
やり方はオイルを肌に塗って数分置き、ティッシュオフして完了です。気になる人は最後にすすいでもよいです。洗顔料では落とせない、日焼け止めクリームやファンデーションも落とせます。
(メイク落としのやり方の記事ですが、オイル洗顔も同じやり方です。)
正しい保湿のやり方
保湿の目的は水分・油分の補給
健康な肌は皮脂膜によって、外部刺激から守られています。皮脂膜を構成しているのは皮脂腺から分泌された皮脂(油分)と、汗腺から分泌される汗(水分)です。
しかし、肌の水分・油分は洗顔や紫外線による乾燥などで減ってしまうため、定期的に外から補わなければなりません。 スキンケアの主な目的も、保湿することで水分・油分を補給し、肌のうるおいを保つことにあります。
ニキビケアやエイジングケアなどさまざまな目的のスキンケアがありますが、どんな肌悩み・肌質であっても、基本となるのは保湿です。 肌の水分・油分が不足している状態では、いくら高機能な成分を塗っても効果が出にくいからです。
水分を与えて油分でフタをするのが基本
保湿のやり方の基本は、化粧水などで水分を与えてから、乳液やクリームの油分を重ねます。水分→油分の順に塗ることで水分の蒸発を防げるので、保湿効果が長持ちします。
また、油分が先だと水分が弾かれて浸透できないので、すべての成分を肌に届けるためにも、塗る順番は重要です。
違うブランドの商品を組み合わせて順番が分からなくなったときも、「水分→油分」の順に塗ると考えるとよいです。
なお、今は「オールインワンゲル」などのワンアイテムで保湿ケアが完了できる商品も売られているので、簡単に済ませたい人はそうした商品を選ぶのもよい方法です。
保湿についてもっと詳しく知りたい人は、次の記事も参考にしてみてください。
>>ほとんどの肌トラブルは保湿で解決できる?保湿の効果と正しいやり方
先に塗ったアイテムが乾いてから次を塗る
2種類以上のアイテムを塗るときは、先に塗ったアイテムが乾いてから次を塗ります。 乾かないうちに次を塗ると、肌から浮いてしまって密着できず、本来の効果を発揮できないからです。
また、スキンケアにはシリコーンなどの被膜を形成することで肌を保護するものもありますが、先に塗ったアイテムが乾いてからでないと、被膜の形成もできません。
正しい日焼け止めの塗り方・選び方
適量をムラなく塗ると効果的
日焼け止めクリームは、適量をムラなく塗ると効果的です。クリーム状のものならパール1粒大、乳液状のものは1円玉大くらいが適量の目安です。 商品によっても多少異なることがあるので、パッケージなどに指示がある場合はそれに従います。
日焼け止めクリームをムラなく塗るには適量を手に取り、両頬・額・鼻・あごの5ヶ所に置いてから、両手で一気に広げます。小鼻のワキや生え際も忘れずに塗りましょう。
なお、夏は汗や皮脂で日焼け止めクリームが落ちやすいので、2回重ねて塗るとよいです。ただし、一度に2回分まとめて塗るとムラになり、くずれやすくなるので、面倒でも2回に分けて塗りましょう。
2~3時間おきに塗り直すのが理想
日焼け止めクリームは汗や皮脂、こすれなどで少しずつ落ちるため、時間が経つにつれて効果が低くなってしまいます。 日焼け止めクリームの紫外線防止効果をしっかり発揮させるには、2~3時間おきに塗り直すのが理想です。
ですが、現実にはこまめな塗り直しは難しいことも多いので、「落ちにくくするための工夫」もするとよいです。 日焼け止めクリーム自体を汗・皮脂に強いタイプのものを選んだり、上からフェイスパウダーを重ねると落ちにくくなります。
また、塗り直しのときはスプレータイプの日焼け止めを利用すると、手を汚さずに手早く塗れて便利です。
利用シーンに合ったサンケア指数のものを選ぶ
サンケア指数(SPF・PA)の目安
- 日常生活(室内で過ごす、散歩、買い物など):~SPF20・PA++
- 屋外での軽いスポーツ・レジャー:SPF15・PA++~SPF35・PA+++
- 海や山でのレジャー、炎天下での活動:SPF30・PA++~SPF50+・PA++++
- 赤道直下のリゾートなど特に紫外線が強い場所、紫外線に過敏な人:SPF50・PA+++~
日焼け止めクリームにはサンケア指数といって、「SPF・PA」が表示されています。SPFは肌を赤くするUV-Bを防ぐ効果、PAは肌を黒くするUV-Aを防ぐ効果を表しています。
SPF値の数値が大きくなるほど、UV-Bを防ぐ効果が高くなります。日本では最大で50までの数値しか表示できないため、それよりSPF値が高いとされる場合は「SPF50+」といった形で表示されます。
PAはPA+~PA++++までの4段階があり、+が多くなるほどUV-Aを防ぐ効果が高くなります。
ですが、日焼け止めクリームは数値が大きいものほど肌への負担が大きくなるため、利用シーンに合ったサンケア指数のものを選ぶことが大切です。
メイク落としが必要なものも
日焼け止めクリームには洗顔料で落とせるものと、メイク落としでないと落とせないものがあります。 日焼け止めクリームを買うときは、メイク落としが必要かどうかを確認しておくとよいです。
メイク落としが必要なタイプの商品を使うのであれば、メイク落としも用意しておきましょう。 なお、メイク落としはベビーオイルまたはスクワランオイルと、乳液で代用することも可能です。
詳しいやり方については、次の記事で紹介しています。
【脱クレンジング】美容オイルでメイク落とし。おすすめのオイルの種類とやり方
白浮きが気になるなら紫外線吸収剤メインのものを
日焼け止めクリームの中には、肌が白く浮いて見えるものもあります。日焼け止めクリームで白浮きするのは、「紫外線散乱剤」として配合される酸化チタン、酸化亜鉛が原因です。
日焼け止めクリームの白浮きが気になる人は、紫外線防止成分が「紫外線吸収剤」メインの商品を選ぶとよいです。
具体的には、全成分表示の初めの方に「オキシベンゾン」「メトキシケイヒ酸エチルヘキシル」、「t-ブチルメトキシジベンゾイルメタン」といった成分名が書かれているものがそうです。
紫外線吸収剤は透明なので肌に色が付かず、色黒肌の人も違和感なく仕上がります。 ただし、紫外線吸収剤は人によって刺激を感じることもあります。
紫外線吸収剤と紫外線散乱剤の違いについては、次の記事で詳しく解説しています。