男性の美意識が高まっている昨今。ファッションや髪形に気を遣うだけでなく、スキンケアを欠かさない男性も増えてきました。ですがこんな疑問に行き当ってしまった人も多いはず。
「何となく彼女の化粧水を拝借してるけど、男でも女性用の化粧水を使っていいの?」、「ずっと母や姉の化粧水を一緒に使ってきたけど、男性は男性用の化粧水を使うべき?」
そこでここでは、「男性のスキンケアに、女性用の化粧水を使ってよいのか?」という疑問に答えます!男性と女性の肌の違いについても解説するので、スキンケアのことを知りたい男性は参考にしてください♪
男性のスキンケアも女性用の化粧水でいいの?
男性がスキンケアをする場合も、女性用の化粧水を使ってよいのでしょうか?
この問いに対する答えを先に述べてしまうと、
- 基本的には男性は男性用に作られたスキンケアを使った方が肌に合いやすい
- ただし肌の状態は個人差も大きいので、男性でも女性用の化粧水の方が合う人もいる
- 使ってみて肌の調子がよいのであれば、男性が女性用の化粧水を使っても構わない
- 性別よりも、肌質に合っているかどうかが大切
ということになります。
その理由について、次の章から詳しく解説していきましょう。
男性と女性では肌質が違う
ホルモンバランスの性差が、肌質にも影響
男性と女性では優位な性ホルモンが異なり、そのことが肌質にも影響しています。男女ともに「男性ホルモン」と「女性ホルモン」の両方が分泌されますが、男性は男性ホルモンの分泌がより活発です。
女性に比べて男性ホルモンの体への影響が大きいため、皮脂分泌も盛ん。毛穴が大きく開き、ニキビができやすく脂っぽいのが、男性の肌の傾向です。女性に比べると比較的皮膚が厚く、丈夫な人も多いです。
それに対して女性の肌は女性ホルモンの働きによって水分量が多く、キメが細かいのが特徴。コラーゲンの生成が活発なため、傷も治りやすい傾向があります。
ただし女性ホルモンにはメラニンの生成を促進する作用もあるため、シミの一種である「肝斑」に悩む女性も少なくありません。また皮膚が薄くて乾燥しやすいことから、男性に比べて敏感肌の人も多いです。
生活習慣や環境の肌への影響も、男女で違う
肌の状態は生活習慣や環境によっても大きく変わってきますが、男性と女性では、生活習慣や肌を取り巻く環境も異なります。
個人差も大きいのであくまで一般的な傾向ではありますが、男性はあまりスキンケアをせず、日焼けも気にしない人が多いです。
肌をケアしたり保護したりということがない分、生まれつきの肌質の影響がダイレクトに出てくるのが男性の肌。脂性の人はより脂っぽく、乾燥肌の人はよりカサカサに、といった具合です。
紫外線対策に敏感な女性に比べて、紫外線のダメージによるシミ・しわ・たるみなども男性の方が顕著。
高齢者の肌を男女で見比べると差が分かりやすい
ほんの少し前まで「男性の肌の手入れは、ヒゲ剃りのみ」という時代が長く続いていました。
職業などの生活環境も今よりもっと男女ではっきり違っており、建築作業員などアウトドア系の職業は、男性が担うものとされることがほとんどでした。
そういう時代を長く生きてきた高齢者の肌を男女で見比べてみると、男性と女性の違いが若い世代よりもはっきり顕れています。お婆さんよりもお爺さんの方が、シミが濃く、しわが深い人が多いのです。
男女の肌の傾向に当てはまらない人も珍しくない
ここまで男女の肌の違いについて解説してきましたが、肌質というのは個人差も非常に大きいもの。そのため男女の肌の傾向に当てはならない人も珍しくありません。
男性でもキメが細かく乾燥がちな、女性的な肌質の人がいますし、スキンケアなどの後天的努力によって美肌を実現している男性も増えています。
逆に女性にも「男性よりも皮脂が多くてニキビが絶えない」という人はいますし、美容への関心が薄い女性・スキンケアや紫外線対策をあまりしたがらない女性もいます。
また近頃は日常的にメイクをする男性も増えていることから、女性と同じようにメイク時の摩擦や化粧落としの工程で、肌を傷める人も増加傾向であることが考えられます。
肌質にはどんなものがある?見分け方は?
普通肌
肌のうるおいを構成する水分・油分のどちらも適量で、健康的でバランスのよい、理想的な肌質が「普通肌」。スキンケアで目指すのも、普通肌の状態です。
摩擦や乾燥・紫外線などの外部刺激から肌を守るバリア機能も正常に働いているので、多少肌トラブルが起きてもダメージが残りにくく、見た目にもキメが整っていて適度なつやが感じられます。
なめらかでやわらかく、毛穴が目立つとしても鼻などのTゾーンが少し気になる程度。
夏場は少しベタつくことがあり、冬も多少カサつきが気になることがありますが、基本的には丈夫で不快感もほぼなく、扱いやすい肌質です。
脂性肌(オイリー肌)
水分は適量~多め・油分が過剰な肌質は「脂性肌」。「オイリー肌」と呼ぶこともあります。
うるおいや弾力は感じられるものの、脂っぽくベタベタしています。キメが粗く、毛穴の開き・黒ずみが目立ちます。
毛穴に皮脂や古い角質が詰まることでトラブルが生じやすく、ニキビに悩まされる人も多い肌質です。
うるおいが足りているのでシワやたるみができにくいメリットはありますが、ベタベタとした不快感やニキビの痛みなどがストレスになることも。
なお男性の場合は脂性肌でも、女性の肌に比べて水分量が少ない傾向があります。
乾燥肌(ドライスキン)
水分・油分のどちらも足りないのが「乾燥肌」。「ドライスキン」とも呼ばれます。一見キメの細かい健康な肌に見えますが、キメの溝が浅いか、または溝が消失している状態です。
触るとかさかさしていて、洗顔後は肌がつっぱります。表面の角質が剥けて、粉を吹いたような状態になることも。
うるおい不足から細胞の結びつきが緩み、肌に刺激物質が入り込みやすい状態になっているため、敏感肌の人も多い肌質です。
水分不足によって皮脂が肌全体に広がりにくく、乾燥を避けるために洗顔が不十分になりがちなことから、毛穴に角栓が溜まる人もいます。
乾燥などによるダメージを受けやすく、シワやたるみなどの老化が進みやすい肌質でもあります。
混合肌(インナードライ)
乾燥肌と脂性肌、両方の性質を持ち合わせているのが「混合肌」。「インナードライ」とも呼びます。
油分が過剰・水分は少ない状態なので、「脂性肌から水分を抜いたものが混合肌」と考えれば分かりやすいでしょう。
比較的キメが粗く、Tゾーンや頬はベタついて毛穴の開きも目立ちます。ですが同時にカサつきやすくもあるため、部分的または全体的にかさかさ・ごわごわしています。脂っぽさが気になる部分もみずみずしさはなく、ごわついていたりします。
皮膚が硬いのも混合肌の特徴。混合肌は水分が足りないことから、「乾燥肌の一種である」ともいわれています。
脂性肌だと思ったのに、乾燥肌・混合肌の場合も
肌質を自己判断するときの注意点は、「乾燥肌と混合肌は、脂性肌と間違えやすい」ということ。
前述の通り、脂性肌というのは皮脂分泌が過剰で水分は適量または多め。
ですが肌という器官は水分不足のときにも、うるおいを補うために皮脂をたくさん出してしまう性質があるのです。主に混合肌で目立つ現象ですが、混合肌の場合は皮脂が出すぎる原因が“うるおい不足”なので、脂性肌とは根本的に皮脂が増える原因が異なります。
また乾燥肌でもうるおい不足から皮脂分泌が増えて、ベタつくことがあります。こうした混合肌や乾燥肌のベタつきを見て、「自分は皮脂が多いから脂性肌」と思い込んでしまう人も少なくありません。
肌質はプロに測定・診断してもらうのがおすすめ
一般の人が肌質を正確に判断することは、案外難しいもの。女性で美容に対する意識が高い人でも、自分の肌質を間違って認識しているケースは決して珍しくありません。
そしてスキンケアは、肌質によって合う製品や必要なアイテムが異なります。したがって自分の肌に合ったスキンケアに出会うには、大前提として肌質を正しく把握することが不可欠なのです。
自分の肌質を正しく知るには、プロの肌診断を受けるのがおすすめです。専用の機械で測定するので、正確な診断結果が得られます。
男性の肌診断は、肌治療を行う美容クリニックやメンズエステで受けられます。デパートなどの化粧品売り場のカウンターでも、男性も肌診断してもらえるところが増えています。
男性用と女性用。化粧水・スキンケアはどちらを選ぶべき?
男性用スキンケアと女性用スキンケアの違い
男性は脂っぽい肌質の人が多いことから、男性用のスキンケア製品は「皮脂対策に特化したもので、さっぱりした使用感のもの」が主流です。
テカリ・ベタつきを抑えて、清潔感のあるさらさら肌を作ることが男性のスキンケアの目的とされてきたため、脂性肌向けの製品は比較的充実していますが、乾燥肌・混合肌向けの製品が少ないのです。
それに対して女性用スキンケアは、どちらかといえば乾燥肌向けが主流。近年になって、混合肌や脂性肌向けの製品も積極的に開発されるようになりました。男性用スキンケアに比べると、美白やハリ対策などの「エイジングケア」を目的としたものなどもあり、肌悩みや目的に応じて細かく選べるようになっています。
敏感肌向けの低刺激なスキンケアも充実しているので、敏感肌で男性用の製品だと刺激を感じてしまう人も、女性用スキンケアに目を向けてみるとよいかもしれません。
脂性肌なら男性用スキンケアが合いやすい
脂性肌の男性なら、男性用スキンケアが肌に合いやすいでしょう。同じ脂性肌向けの製品でも、男性用のものは女性用のものに比べて、よりさっぱりと仕上がります。
そして男性用スキンケアの使い心地が合う肌質の人は、女性用の化粧水などは保湿成分が多すぎてベタつきが気になるなど、満足度が低くなる可能性があります。
ただし個人差もあるので、「脂性肌の男性は、絶対に男性用のスキンケアでなければいけない」ということはありません。男性用の化粧水でピンとこなければ、女性用のものを試してみてもOKです。
乾燥肌・混合肌は女性用のスキンケアの方がよい場合も
うるおいを与えるケアを重視すべき乾燥肌・混合肌の場合は、男性でも女性用スキンケアの方がよい人もいます。
男性用スキンケアで保湿力が足りないと感じるのであれば、性別にこだわらずに女性用スキンケアを試してみるとよいでしょう。
特に乾燥が気になる人は、保湿成分にセラミドやヒアルロン酸、ヘパリン類似物質、スクワラン、アミノ酸などが配合された製品がおすすめです。保湿成分も種類によって性質や作用が異なるため、自分に合ったものを選びましょう。
最初はBAさんに教えてもらいながら選ぶとよい
たくさんのブランド・製品の中から自分に合うスキンケアを選ぶのは、女性でもなかなか難しいもの。できれば最初はデパートの化粧品カウンターなどで、ビューティーアドバイザー(BA)と呼ばれる店員さんに教えてもらいながら選ぶのがおすすめです。
設備が整っていて男性の接客ができるお店を選べば、機械による肌測定の結果を踏まえた上で、その人の肌の状態に合ったスキンケアを提案してもらえます。
おすすめは「イセタンメンズ(新宿)」や「アットコスメトーキョー(原宿)」といった、メンズコスメが充実しているお店です。化粧品に詳しい男性スタッフに相談できるので、女性向けの化粧品カウンターより敷居が低いと思います。
女性用の化粧品店でも、男性も相談できるお店アリ
女性向けの化粧品店でも、男性客も肌測定やスキンケアのアドバイスを受けられるところもあります。
デパートや駅ビルなどの化粧品のフロアに行くと、ブランドごとにカウンターが設けられていて商品知識を持った販売員がいるので、気になるブランドのカウンターに行ってみるとよいです。
デパートによっては特定のブランドにこだわらず、「全ブランドの中からおすすめの製品を紹介してくれる、化粧品全般の総合カウンター」を設けているところもあります。
ただしすべてのブランド・ショップが男性客に対応できるとは限らないので、電話や店頭で「男性もスキンケアの相談ができますか?」と尋ねてみるとよいでしょう。
まとめ
【男性が女性用の化粧水を使ってもよいかどうかは人による】
- 基本的には男性は男性用に作られたスキンケアを使った方が肌に合いやすい
- ただし肌の状態は個人差も大きいので、男性でも女性用の化粧水の方が合う人もいる
- 使ってみて肌の調子がよいのであれば、男性が女性用の化粧水を使っても構わない
肌質は個人差も大きいため、男性でも女性に近い肌質の人も珍しくありません。特に乾燥肌・混合肌の人は男性でも、女性用の化粧水の方が合う場合があります。
化粧水などのスキンケアは、性別よりも肌質に合わせて選ぶことが大切。自分の肌質を正しく知ることで適切なスキンケアを選ぶためにも、最初は店頭で詳しい店員さんに相談しながら選ぶとよいでしょう。