【生活習慣・ストレスケア編】過剰な皮脂分泌を抑える対策方法
良質な睡眠
過剰な皮脂分泌を抑えるには、生活習慣を見直すことで全身の状態を整えることも大切です。
皮脂分泌を正常に抑える生活習慣として大切なものの一つは、「良質な睡眠」です。自分の体質に合った睡眠時間を、毎日同じタイミングで確保できるのが理想です。しかし、難しい場合は短時間でも「しっかり熟睡できる時間」を作ると、全身も肌も整いやすくなります。
もし、あまりよく眠れていないようなら、寝る直前の入浴や食事を控えるなど、できる範囲で毎日の習慣を見直してみるとよいでしょう。
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栄養バランス
食べた物が肌を作るので、栄養バランスも大切です。直接的に肌の材料になるタンパク質はもちろんのこと、肌の調子を整えるビタミン・ミネラルも意識して摂るようにするとよいです。
- タンパク質:大豆製品、肉、魚など
- ビタミンA:緑黄色野菜、レバー、卵黄など
- ビタミンB群:豚肉、穀類、レバー、にんにく、魚介類など
- ビタミンC:ブロッコリー、ピーマン、青菜類、ジャガイモ、サツマイモ、イチゴ、オレンジなど
- ビタミンE:ナッツ類、魚介類、油脂類、ツナ缶、西洋カボチャ、モロヘイヤなど
- 鉄:レバー、ほうれん草、小松菜、アサリ、サンマ、豆乳など
- 亜鉛:牡蛎、ホタテ、たらこ、煮干し、牛肩ロースなど
無理なく栄養バランスをよくするコツは、1日に食べる品目数をなるべく増やすこと。白米を炊くときに玄米や大豆を混ぜたり、ご飯にゴマや塩昆布をかけるなどすると、品数はそのままでも口に入る食材の種類を増やせます。
おやつにナッツ類やドライフルーツ、小魚などを取り入れるのもよい方法です。ただし、ナッツ類は脂性肌の人がたくさん食べるとニキビができることがあるので、様子を見ながら少しずつ食べるようにしてください。
自律神経を整える
皮脂分泌を抑えたいなら、自律神経を整えることでホルモンバランスも整えるとよいです。
- 規則正しい生活
- バランスの取れた食事
- 良質な睡眠
- 適度な運動
- 体を冷やさない
- ストレスを溜めない
端的に言えば「自分を大切にする」ということに尽きますが、忙しくてできないときもあるでしょう。 ですが、自分のことに手が回らないときこそ、できる範囲で心身を労わることが大切です。
とはいえ、「他はともかく、ストレスを溜めない方法が分からない」という人も多いと思うので、その点について一つだけコツを書きます。
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なお、自律神経の乱れを自分で改善できないときは、漢方薬を利用する方法もあります。内科などでも処方してもらえますし、市販薬も売っています。種類がたくさんあるので、体質に合ったものを試してみるとよいでしょう。
正しい姿勢を心がける
自律神経は首~腰にかけて背骨を通っているため、背骨のゆがみが原因で自律神経が上手く働かなくなり、その結果としてホルモンバランスが乱れて皮脂が多くなることもあります。
したがって、過剰な皮脂分泌を抑えたいのであれば、正しい姿勢を心がけることで、背骨をゆがませないことも大切です。
デスクワークなどで猫背になりやすい人・体が固まりやすい人は、トイレに立つついでのときだけでもよいので、意識して背筋を伸ばすようにしてみましょう。
また、腰や肩を使って背骨を左右に揺らすようにすると、ゆがんだ背骨に圧迫された神経が解放されやすくなります。
ただし、重い腰痛などがある場合は、信頼できる整体師などに相談してください。
煙草・お酒・刺激物を控える
- 煙草
- お酒
- 辛いもの
- 甘いお菓子
- スナック菓子
皮脂分泌を促す嗜好品・刺激物も、なるべく控えるとよいです。
ドクターストップでない限りは無理に止める必要はありませんが、摂取量や頻度を減らしてみるとよいでしょう。
女性は低用量ピルを利用する方法も
女性は低用量ピルの服用でも、皮脂分泌を抑えることができます。ニキビにも効きますが、保険適用で処方できるのは月経困難症と子宮内膜症に限られるため、肌治療を目的とする場合は自費診療になります。
副作用が皆無ではなく、飲むのを止めると効果がなくなりますが、服用している間は確実に皮脂を減らしてくれます。効果が出るのも比較的早いです。
ピルの種類によって値段や効き方が異なるので、詳しくは婦人科医に相談するとよいでしょう。
なお、低用量ピルを服用できるのは40代までとされています。また、血栓ができやすくなる薬なので、喫煙者が服用を希望する場合は禁煙が必要です。
大豆イソフラボンも皮脂分泌を抑える
低用量ピルが使えない人は、大豆イソフラボンの摂取によっても皮脂分泌を抑える効果が期待できます。 大豆イソフラボンは女性ホルモンの一種「エストロゲン」に似た構造のため、皮脂の分泌抑制やコラーゲン生成促進など、美肌に役立つ働きを持っています。
納豆や豆腐、豆乳などの大豆製品に多く含まれる成分ですが、サプリメントも市販されています。(低用量ピルと大豆イソフラボンのサプリメントは併用できません。)
摂りすぎにさえ気を付ければ副作用の心配がなく、男性も摂取できます。(持病や体質で食べられない人を除く。)
脂漏性皮膚炎が疑われるなら医師に相談
過剰な皮脂分泌の原因として脂漏性皮膚炎が疑われる人は、皮膚科医などに相談しましょう。
皮膚疾患の場合は外用薬などによる治療も必要になるため、自宅でのケアだけでは改善が難しい可能性があります。
【対症療法的な対策】今日の肌をさらさらに保つ方法
皮脂分泌を減らすには時間がかかる
ここまでは根本的に皮脂分泌を減らすための対策方法を書きましたが、皮脂が出やすい肌質が改善されるまでには時間がかかるため、「今日始めれば明日にはサラサラ」というわけにはいきません。
しかし、脂性肌はベタつきや化粧くずれなどの不快感や不便も多いため、即効性がない対策方法だけでは続けにくいでしょう。
脂性肌によるストレスを軽減しながら、皮脂が出すぎない肌を根気よく作るためには、「とりあえず今日の肌をさらさらに保つための、『対症療法的な対策方法』」を併用するとよいです。
メイクは日焼け止め+フェイスパウダー
脂性肌をサラサラに保つには、油分をなるべく塗らないことが大前提です。メイクも油分が多いアイテムを控えると、皮脂くずれしにくく肌も軽いので快適です。
おすすめは「日焼け止め+フェイスパウダーだけ」のベースメイク。
日焼け止めは「酸化亜鉛」「酸化チタン」が配合されているものを選べば、ファンデーションなしでもトーンアップ効果が見込めます。
フェイスパウダーは皮脂を吸着してさらさら肌を保つためのアイテムです。固形タイプの「プレストパウダー」と呼ばれるものを選ぶと、毛穴や色ムラを多少カバーできます。
植物エキスが苦手でなければ、花西子のプレストパウダーはカバー力高めでなめらかな肌に仕上がります。
毛穴カバー下地も便利
「日焼け止めとフェイスパウダーだけでは皮脂や毛穴が気になる」という人は、毛穴カバー下地も併用するとよいでしょう。
毛穴カバー下地には、皮脂を吸着してテカリを抑えたり、毛穴の凹凸をフラットに整える効果があります。透明で単品では効果が分からないものもありますが、上からパウダーなどを重ねると、毛穴が目立たなくなります。
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油取り紙よりティッシュが便利
テカリ・ベタつきを抑えたいときは、油取り紙よりもティッシュがおすすめです。 油取り紙でチマチマと皮脂を取ろうとすると、同じところに何度も当たるので刺激になりますし、皮脂も取りすぎがちです。
ですが、ティッシュなら一度に広範囲の皮脂を吸着できるので、何度も肌に当てなくても簡単にさらっとした感触がよみがえります。 油取り紙のように皮脂を吸収しすぎないので、適量の皮脂を肌に残せるメリットも。
油取り紙の吸着力に慣れていると物足りなく感じますが、その場合はティッシュオフのあとにフェイスパウダーをたっぷりはたけばサラサラになります。
乾燥によるベタつきにはミスト化粧水
乾燥が原因で皮脂が増えている場合は、メイクの上から使えるタイプのミスト化粧水を持っていると重宝します。
乾燥が気になったときやメイク直しのときに吹きかけるだけで、肌にうるおいを補給できます。
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まとめ
脂性肌を治したいなら、「スキンケア」と「生活習慣の見直し・ストレスケア」で皮脂腺の働きを正常に導くことが根本的な解決に繋がります。
ですが、皮脂分泌が正常に抑えられるまでには時間がかかるので、フェイスパウダーでさらさらにするなどの対症療法的対策を併用するとよいです。
とはいえ、間違ったスキンケアや生活習慣を一気に改めるのは大変なので、できるものから・できる範囲で取り入れていく形で構いません。
この記事で書いた対策方法の多くはシミ・しわなどの肌老化の予防にも通じるものなので、少しずつでも心がけていくことで、確実に未来の美肌に繋がっていきます。