クレンジングの種類と特徴・選び方。敏感肌・乾燥肌にも使えるのはどれ?

この記事を書いた人
小鳥遊 文子
コスメコンシェルジュ

【保有資格】 ・2022年~:日本化粧品検定1級 ・2023年~:特級コスメコンシェルジュ/化粧品成分上級スペシャリスト(化粧品成分検定1級) 化粧品を信仰しない、フラットな目線からの記事作成を心掛けています。

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「クレンジングオイルは肌が乾燥する」、「いつもオイルタイプのクレンジングだけど、試しにクリームタイプを使ってみたらメイクが全然落ちない!」

毎日のことなのに、意外と難しいのが「正しいクレンジング選び」。オイルから水クレンジングまで種類がたくさんありますし、同じようなタイプのものでも、商品によってメイク落ちや使いごこちがまったく違ったりしますよね。

そこでここでは、クレンジングの種類と特徴・選び方を解説します。また、「敏感肌・乾燥肌に使えるか?」という点に注目しながら、種類別のおすすめ商品も紹介します。

クレンジング選びで迷子になっている人は、参考にしてください♪




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クレンジングの種類と特徴

種類によって、メイク落ちや肌へのやさしさが違う

クレンジングは種類によって、メイクを落とす効果の高さや、肌へのやさしさが違ってきます。

製品によっても違うので一概にはいえない部分もありますが、基本的にはメイク落とし効果が高いものほど脱脂力が強く、肌への負担が大きくなります

逆に脱脂力がマイルドで肌への負担が少ないクレンジングは、メイク落とし効果は低い傾向があります。

クレンジングオイル

もっともメイク落とし効果が高いのがクレンジングオイルです。角栓がよく取れるのもこのタイプ。

油でメイクなどの油汚れを溶かし、界面活性剤と水で洗い流す仕組みです。 特に「*エステル油」や「ミネラルオイル(炭化水素油の一種)」が配合されているものは、濃いメイクも非常によく落ちます

ただし、油汚れを簡単に落とせる性質上、必要な皮脂まで奪ってしまうことがデメリット。脂性肌をさっぱり洗うにはよいですが、乾燥肌・敏感肌は注意が必要です。

クレンジングオイルで肌への負担が比較的少ないのは、オリーブ油やアルガンオイルなどの「油脂」で落とすタイプのものです。 ただし、エステル油やミネラルオイルに比べるとメイク落とし効果は劣ります。

*エチルヘキサン酸セチル、エチルヘキサノイン、トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリルなど

クレンジングバーム

クレンジングバームは固形のメイク落としで、体温や圧力によってオイル状に変化します。クレンジングオイルほどではないものの、メイク落とし効果は高め

しっとりした洗い上がりのものも多いので、混合肌や乾燥肌の人にも人気があります。

ですが、油でメイクを浮かせて界面活性剤と水で洗い流す仕組みは、クレンジングオイルと同じです。そのため、特に乾燥が気になる肌質の人には、脱脂力が強過ぎることもあります。

クレンジングシート

界面活性剤が汚れを包み込むことで、メイクを落とすタイプのものです。界面活性剤のメイク落とし効果に、摩擦による物理的な力も加わるため、メイク落とし効果は高め。特にオイル成分が含まれているものは、ウォータープルーフのファンデーションなども落としやすいです。

あらかじめシートに液が染み込ませてあるので、簡単に手早くメイクが落とせるのも魅力です。 すすぎがいらないため、場所を選ばずに使えるのもメリット。

ですが、「拭き取る」という使い方である性質上、どうしても摩擦が生じるので肌への負担は大きくなりがちです。 したがって毎日使用することは避け、他の方法が難しいときにだけ利用するのがおすすめです。

ちなみに、シートはなしで液だけで売られているものは、「水クレンジング」と呼ばれています。

クレンジングリキッド

こちらも界面活性剤でメイクを落とします。ベース成分に水性成分が使われているため、さらっとした使い心地が魅力。

メイク落とし効果も比較的高めのものが多いです。 濡れた手で使えるものも多く、忙しい人や子育て中の人に便利です。

ただし、メイクを落とす効果が高い分、肌への負担も大きめ。乾燥肌・敏感肌の人は、クレンジング力が穏やかな製品を選ぶとよいでしょう。

「水クレンジング」と呼ばれる、拭き取りタイプのものもあります。

クレンジングジェル

クレンジングジェルはクッション性のあるテクスチャーで、比較的摩擦が少ないのがメリットです。

大きく分けて2つのタイプがあり、タイプによって使用感などが異なります。

 

  • O/W型(水性ジェル):界面活性剤で落とすタイプ。さっぱりした使い心地で見た目は透明。
  • W/O型(油性ジェル):油で落とすタイプ。比較的肌への刺激が少なく、見た目は白っぽい。

マツエクのグルーは油分が苦手なため、マツエクをしている人には透明なO/W型(水性ジェル)が人気です。

メイク落ちは中程度ですが、どちらかというとベタつきが気になる肌質向きのため、乾燥肌・敏感肌にはつっぱり感が気になることもあるかもしれません。 また、濃いメイクは落とせないので注意しましょう。

クレンジングクリーム

油で落とすタイプのクレンジングです。洗浄力は低め~中程度。濃いメイクは落とせませんが、しっとりした洗い上がりなので乾燥肌・敏感肌におすすめです。

界面活性剤を完全に排除したものなど、敏感肌向けに開発されている商品もあります。

なお、クレンジングクリームの中には「マッサージにも使えます」と書かれているものもありますが、メイク落としの成分を長く肌に乗せておくのはよくありません。マッサージに使えるものでも、肌に乗せるのは1分程度までにしましょう。

クレンジングミルク

クレンジングミルクも油で落とすタイプですが、水分の割合が多いので、比較的さらっとした使い心地です。

洗浄力はかなりマイルド。薄めのメイクしか落とせませんが、みずみずしい洗い上がりで乾燥肌・敏感肌に使いやすい商品も多いです。

クレンジングフォーム

クレンジングフォームは泡で洗うタイプのメイク落としで、洗顔料も兼ねています。商品によって自分で泡立てるものと、最初から泡で出てくるものがあります。

洗浄成分は、洗顔料などに使われる「アニオン界面活性剤」と呼ばれるものが使われています。 そのため、メイク落とし効果は低めで、ナチュラルメイク程度までしか落とせません。また、人によっては泡立ての手間を面倒に思うこともあるでしょう。

ですが、普通の洗顔料のように脂性肌向きのものや乾燥肌向きのものがあるため、肌質に合わせて選べることがメリットの一つです。




クレンジングの選び方

メイクの濃さで選ぶ

クレンジングは、メイクの濃さに合ったものを選ぶことが大切です。 濃いメイクは洗浄力の低いクレンジングでは落とせませんし、逆に薄いメイクを洗浄力の高いクレンジングで落とすと肌を傷めてしまいます。

肌質で選ぶ

肌質も考慮して選びましょう。乾燥肌の人には、あまり洗浄力が高いものは脱脂力が強く、肌を乾燥させてしまいます。

乾燥に弱い肌質の人はなるべくマイルドな洗浄力のクレンジングを使うか、場合によってはクレンジングの代わりに、美容オイルでメイク落としをする方法なども検討してみるとよいでしょう。

W洗顔不要のものも、肌に触る回数を減らせるので、その分負担が減ります。

最近は洗顔料で落とせるファンデーションなども売られているので、通常の洗顔で落とせるメイクに切り替えて、クレンジングは止めてしまうのもよい方法です。

なお、脂性肌の人の場合は、洗浄力が低いものや油膜感が残るものはニキビの原因になることがあります。

マツエクに使えるか

まつげエクステンションをしている人は、マツエクに使えるタイプのクレンジングを選ぶようにしましょう。 マツエクのグルーは油分に弱いため、基本的にはオイルフリーのクレンジングが安心です。

しかし、オイルタイプのクレンジングなどでも、「マツエクにも使えます」と書かれているものがあります。

使用しているグルーによっても扱い方が違う可能性があるので、詳しくは施術してもらったお店の指示に従ってください。

成分で選ぶ

ある程度、化粧品成分の知識がある人や、苦手な成分が分かっている人は、成分にも注目して選んでみるとよいです。

クレンジングは剤形によってある程度の傾向がありますが、同じ剤形のものでも成分や界面活性剤の配合量によって、洗浄力や肌への負担が異なります

また、メイク落とし成分が肌にやさしいものでも、他の成分にアレルゲンが使われている可能性もあります。

なお、クレンジングの中には美容成分が配合されているものもありますが、すぐに洗い流してしまうものなので、クレンジングによる乾燥を軽減する程度のものと考えておくとよいでしょう。

保湿や美容成分の補給は、あとの化粧水や美容液などをメインにするのが効果的です。

ポイントメイクには専用リムーバーを

クレンジングの中には、「ウォータープルーフマスカラも落とせます」などと書かれているものもあります。ですが、ポイントメイクはあらかじめ、ポイントメイク用の専用リムーバーで落としておく方がスムーズです。

特に密着性の高いアイライナーやマスカラ、ティントリップなどの落ちにくいポイントメイクは、全顔用のクレンジングでまとめて落とそうとすると時間がかかります。

それだけ長くクレンジングを肌に乗せ続けることになるので、肌への負担も大きくなります。




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