香水の種類を知ろう。濃度・香調(ノート)の違いと、自分に合う選び方

「香水を買ってみたいけど、EDTやEDPと書いてあるのは何?」、「自分に似合う香水が欲しいけど、そもそもどんな香りのものがあるのかよく分からない」。

香水は化粧品の中でも知識や薀蓄が多いため、「興味はあるけど手を出しにくい」「何本か持っているけれど、未だに香水のことはよく分かっていない」という人も少なくないのではないでしょうか。

そこでここでは、香水の基本的な知識を知りたい人のために、香水の濃度・香調の違いを解説します。失敗しない香水の選び方も教えるので、参考にしてください♪



香水の濃度は全部で4種類

香水の濃度は全部で4種類あります。濃い順番に並べると、以下のようになります。

  1. パルファム
  2. オードパルファム
  3. オードトワレ
  4. オーデコロン

ただし、香水の濃度には法律などによる統一の基準はなく、メーカーが自由に種類を決められるようになっています。例えば、高級感を出したい場合に、それほど濃度が濃くなくても「オードパルファム」と商品名に付けることも可能です。

そのため、あるメーカーのオードトワレが、別のメーカーのオードパルファムより香料の配合率が高い、といったことも起こり得ますし、「オーデコロン」として販売されている商品が、意外にしっかり香るといったケースもあります。

情報源によっても細かい基準が多少異なるため、他の媒体と数値が違う部分もあると思いますが、濃度別の種類の特徴を下で説明していきましょう。

パルファム

香水の中でもっとも濃度が高く、賦香率(香料が含まれる割合)は15~30%。香りの持続時間は5~7時間程度とされています。「パフューム」、「パルファン」と呼ばれることもあります。

完成度と芸術性にこだわって開発されることが多く、各ブランドの香水ラインの中でも最上級に据えられるのが一般的です。価格も高価な製品が多いです。

なお、パルファムは少量でも強く香るので、付け方やTPOには特に注意が必要です。香水の中でも使い方が難しいため、濃い香水を使い慣れた上級者向きといえるでしょう。

ですが、自分に合った香りのものを上手に使いこなせれば、自信を与えてくれる素晴らしいアイテムです。

オードパルファム

賦香率は7~15%。持続時間は4~6時間ほどとされているのがオードパルファムです。商品説明や商品名に、「EDP」の略称で表示されていることもあります。

パフファムに比べると賦香率はやや低く、価格も控えめですが、それでも香りはかなり強めの傾向です。少量でしっかり香るものが多いので、付け方や利用シーンに注意しましょう。

ちなみにオードパルファムやオードトワレ、オーデコロンの「オード(オーデ)」とは、フランス語で「~の水」の意味。香水は液状で水のように見えるので、「オード(オーデ)~」と呼ばれるようになったようです。

オードトワレ

略称で「EDT」と書かれているのがオードトワレです。賦香率5~10%、持続時間は3~4時間ほど香水らしさが感じられつつも、そこまで強い香りではないため、初心者や強い香りが苦手な人にも比較的使いやすいものが多いです。

価格の面でも普段使いしやすいものがたくさん売られているので、初めての香水にもおすすめ。市場に流通している香水の大部分がオードトワレに分類されるため、選択肢も豊富です。

なお、香水は肌質の個人差でも香りの持続時間が異なります。香りが飛びにくい人だと、製品や付け方によってはオードトワレでも一日中香ることもあります。

オーデコロン

香水の中でもっとも濃度が薄く、賦香率は2~5%。持続時間も1~2時間ほどが一般的です。

短時間で香りが消えるので、「リラックスやリフレッシュのために、少しだけ香りを楽しみたい」というときによく利用されており、強い香りが苦手な人にも人気のタイプです。

香水禁止の職業の人が、夜だけ香りを楽しむといった使い方にも向いていますが、製品によっては香りの持続時間が長いものも。短時間で香りが消えることにこだわるなら、最初はお休みの日に様子を見るとよいでしょう。



形状による種類

画像は練り香水です。

香水はガラス瓶などに入った液体状のものが主流ですが、その他にも以下のような種類があります。

  • 練り香水(濃度5~10%・持続時間1~2時間)
  • 芳香パウダー(濃度1~2%・持続時間1~2時間)
  • 香水石鹸(濃度1.5~4%・持続時間1~2時間)

液体状のものに比べて目にすることは少ないかもしれませんが、もし機会があれば、こうしたタイプのものも使ってみると楽しいかもしれませんね。

なお、化粧品とは違いますが、仏教の世界で心身を清めるために使う「塗香(ずこう)」というものも市販されています。香木や漢薬をパウダー状にして混ぜ合わせたもので、少量を手のひら~手首にすり込んで使います。お寺の匂いが好きな人は、そうしたアイテムもリラックスできておすすめです。

天然香料と合成香料

天然香料

香水に使われる香料は、「天然香料」と「合成香料」に大別されます。天然香料は花や果実、樹木など、あるいはジャコウジカやマッコウクジラなどといった、動植物から抽出した香料を指します。

ですが、動物性香料は希少種の保護や動物愛護の観点から、ワシントン条約などで規制されるようになってきています。そのため、現在は動物性香料のほとんどが合成香料で代替されています。

参考までに、動物性香料とその由来を記載しておきます。

動物性香料の種類 ムスク シベット アンバーグリス

(竜涎香・りゅうぜんこう)

カストリウム
由来 ジャコウジカ

(雄の生殖腺)

ジャコウネコ

(雌雄の分泌腺)

マッコウクジラ

(腸内結石)

ビーバー

(雌雄の生殖腺のう)

合成香料

人工的に製造された香料は合成香料と呼ばれ、大まかに3つの種類があります。

  • 天然香料の構造を模して造られたもの
  • 天然香料から主成分を科学的に単離したもの
  • 天然にはない、化学合成されたもの

合成香料のメリットは、何といっても品質と供給量を安定させやすいこと。天然香料に比べると、コストも抑えられます。

一方、香水などに含まれる合成香料によって頭痛やアレルギー症状を引き起こす、「化学物質過敏症」という病気も社会問題になっています。症状が重いケースになると、退職に追い込まれるなど日常生活に支障をきたすこともあるため、健康な人にも無視できない問題になってきています。

したがって、合成香料が含まれる香水を使うときは特に、その匂いで気分が悪くなる人がいる可能性を考慮した上で、付けすぎないようにすることが大切です。



香調(ノート)

主な香調①【フローラル系】

レディース香水の代表的な香調の一つは、フローラル系です。バラやスズラン、ジャスミン、ラベンダーなどに加え、最近は金木犀の香りの香水も人気です。

また、フローラル系はさらに細分化でき、1種類だけの花の香りを再現した「シングルフローラル」と、複数種の花の香りを混ぜ合わせた「フローラルブーケ」、グリーンノートと組み合わせた「グリーンフローラル」などがあります。

なお、同じ種類の花を使っていても、製品によってまったく異なる香りを奏でるのが香水の面白いところ。例えばバラの香水一つとっても、A社のものは生花のような青臭さを押し出した香りなのに対し、B社のものは甘くパウダリーなど、製品によって香りの性質が大きく異なります。

主な香調②【オリエンタル系】

オポポナックスやアンバー、バルサム、スパイスなどを効かせた甘く濃厚な香りはオリエンタル系と呼ばれており、男性向けの香水も販売されています。

クセがあるので好き嫌いが分かれますが、樹脂や樹木系の落ち着いた香りが多く使われるため、「リラックスできる香り」として好む人も少なくありません。

主流は中東~インドをイメージしたものですが、日本を含めたアジア全域をイメージした香水もオリエンタル系に分類されることがあります。これは、「欧米から見たアジア」が前提になっているためです。

オリエンタル系の代表的な香水には、イヴ・サンローラン「オピウム」、シャネル「アリュール」などがあります。

主な香調③【ウッディ系】

サンダルウッドやシダーウッドなど、樹木の香りが前面に押し出されているものはウッディ系と呼ばれています。

特にサンダルウッドは、日本ではお線香の香りとして知られており、白檀の名前で親しまれています。スパイシーさが感じられるのはシダーウッド、濡れた土壌のような独特の香りを放つのがベチバーです。

ウッディ系として有名な香水には、エルメス「ナイルの庭」、「シャネル No.5 EDT」などがあり、メンズ香水にもウッディ系の香りのものが販売されています。

なお、樹木系の香料は、ウッディ系以外の香水でもベースノートによく使われています。

主な香調④【マリン系】

海や潮風をイメージした香調で、「オゾン」「アクア」とも呼ばれます。「海水をイメージをしたものだけがマリン系」、「淡水をイメージしたものはアクア系」と細かく分ける場合もありますが、透明感のある涼し気な香りが共通します。

いずれにしても水の匂いは自然界から抽出できるものではないため、合成香料で再現するのが基本。この、マリン系香水に使用される合成香料がスイカやメロンの香りに似ていることから、「瓜系香水」と呼ばれることもあります。

代表的なマリン系香水は、ダビドフ「クールウォーター ウーマン」、ジバンシィ「ウルトラマリン EDT」など。

ウッディ系同様に性別を問わないことから、メンズ香水でも人気の香調の一つです。

主な香調⑤【シトラス系】

オレンジやレモン、ベルガモットなどの柑橘類の香りです。苦手な人が少なく、万人ウケしやすいという意味では、もっとも無難な香りといえます。

軽く飛びやすい香りであることからオーデコロンに多用されますが、メンズ香水でもよく使われています。

ファッションとして使うのはもちろん、気分をすっきりさせたいときにもおすすめ。

代表的な香水にはドルチェ&ガッバーナ「ライトブルー」や、カルバンクライン「シーケーワン」などがあります。ユニセックスで使える銘柄も多く、カップルでシェアする使い方も人気です。

その他の香調

香水の香りは多岐に渡り、上に挙げた代表的なものの他にもさまざまな香調が存在します。みんなと同じ香り・無難な香りに飽きたら、マニアックな香りに目を向けてみてもよいかもしれませんね。

香調 特徴
フルーティー系 ベリーや洋ナシなど、柑橘系以外のフルーツの香り。夏向きの香水が多い。
グリーン系 青草をもんだような香り。爽やかで落ち着いた印象。
グルマン系 バニラやココナッツなど、スイーツを連想させる香り。甘さとセクシーさが感じられる反面、苦手な人も多い香り。
ムスキー系 石鹸のような、パウダリーで清潔感のある香り。「おばさんぽい」、「苦手」と感じる人も。
フゼア系 ハーブのような渋みと青み、オークモス(苔)による日陰の土のような重厚感が感じられる。

メンズ香水に多い香調で、「昔のおじさんの整髪料の匂い」という声も。

シプレー系 フゼアノートの女性用といった位置付けの香調。オークモスを基調に、柑橘のベルガモットやローズなどの花々で構成される、複雑でミステリアスな香り。
ハーバル系 ハーブの香り。薬っぽい匂いという意見も。
アロマティック系 ラベンダーやタイムなど、ハーブガーデンの香り。ハーバルに比べると、親しみやすくやわらかい香り。
スパイシー系 ペッパーなどのスパイスの香り。個性的な香水が多い。
レザー系 新品のレザージャケットを思わせる香りで、メンズ香水の香調の一つ。樹木・スパイス・バニラの組み合わせが一般的。
タバコ系 タバコの葉の香りをアクセントにした香調。スモーキーで深み・渋みが感じられる重厚な香り。
バルサム系 東南アジアの樹木であるベンゾイン(安息香)を主とする、樹脂の重厚な甘さの香り。個性的な香水が多い。
アニマル系 動物性香料を使用した、力強く獣臭い香り。




自分に合う香水の選び方

シーン・TPOに合った香水を選ぶ

メイクと同じように、香水にもTPOがあります。仕事のときに使いたいのか、プライベートで使いたいのかなど、香水を選ぶときは「どんなシーンで使いたいのか」を明確にしておくとよいでしょう。

職業にもよりますが、オフィスならオードトワレかオーデコロンが軽くておすすめです。特にフローラル系やシトラス系は、嫌う人が少ないので職場でも使いやすいでしょう。

パーティーならフローラル系やオリエンタル系といった、華やかな香りが似合います。ただし、食事やお茶の席では香水はNG。せっかくのお料理の味と香りが分からなくなってしまうため、他のお客さんに迷惑ですし、お店に対しても失礼になるからです。

香水の香りは三段階で変化する

香水については、「お店で嗅いだときはいい匂いと思ったのに、時間が経ったら何だか微妙・・・」という経験をしたことのある人もいるでしょう。

これは、香水の香りは「トップノート」「ミドルノート」「ベースノート」の3段階で変化するように作られているものが多いからです。ミドルノートを「ハートノート」、ベースノートを「ラストノート」と呼ぶこともあります。

  • トップノート:香水を付けて最初の10~30分ほどに香る部分。シトラス系やグリーン系、フルーティー系、ハーバル系が該当。
  • ミドルノート:トップノートに続いて、30分~1時間ほど香る。その香水の個性の中心となっている場合が多く、大半がフローラル系で構成される。
  • ベースノート:香水を付けて2~3時間後から、消えるまでの香り。付ける人によって香りが変わるとされる部分で、バニラやムスク、アンバー、オリエンタル系、ウッディ系、バルサミック系といった残香性の高いものが該当。

このように香水の香りは時間とともに変わっていくため、最初の印象だけで決めてしまうと失敗することがあります。香水を選ぶときは時間が経ってからの香りも確認した上で、後日改めて買いに行くのがおすすめです。

なお、香りの変化がなく、同じ香りが持続する「シングルノート」と呼ばれる香水もあります。

ムエットと肌に乗せた状態では香りが違うことも

香水を吹き付けて匂いを確認するための、細長い厚紙をムエットといいます。「匂い紙」と呼ばれることも。

香水は付ける人の肌質や体温によっても、香りが変わります。そのため、香水を選ぶときはムエットだけでなく、自分の肌に付けた状態でどのように香りが変化していくかを確認することが大切です。

ただし、一度に何種類もの香水を付けると匂いが混ざって分からなくなるので、最初はムエットで嗅いでみて、気に入ったら肌に付けて確認する流れにすると効率がよいです。

ムエットの場合は、2~3回振ってアルコール分を飛ばしてから嗅ぎます。肌に付けるときは手首に内側に1~2プッシュしてアルコール分を飛ばし、鼻から少し放した状態で、手であおぐようにして嗅ぐと実際に使うときと同じ香りが確認できます。

一度に嗅ぎ比べられるのは2~3種類まで

香水を買いに行くからには、その日のうちに気に入る香水を見つけたいのが人情というもの。ですが、嗅覚は疲れやすいため、一度に嗅ぎ比べられるのは2~3種類までといわれています。

特に、なかなかピンとくる香りに出会えないときなどは、種類を嗅ぎ過ぎて匂いが分からなくなってくることもあります。そんなときは無理に決めようとせず、日を改めて選び直すようにしましょう。

自分の好きな香りを知っておくと選びやすい

自分の好きな香り・苦手な香りの傾向が分かっていると、香水選びがスムーズです。お店の人に「フローラル系の香水が欲しいけど、甘すぎる香りは苦手」というように、自分の好みを伝えて一緒に選んでもらうこともできます。

ですが、香水の香りは製品によってさまざまな個性のものがあるため、「使ったことのないタイプの香りがすごく好みだった」、「苦手な系統の香りのはずなのに、この香水の香りは大好き」ということもしばしば起こります。

したがって、ときには好みに捉われすぎず、新しい香りにチャレンジしてみるのも視野が広がって楽しいと思います。

まとめ

香水の種類は、主に濃度と香調の2つの要素で分類できます。基本的には自分が好きな香りを纏うのが一番ですが、TPOに応じて適切に使い分けられるとより素敵です。

ですが、「初心者だし、とりあえず1本だけでやりくりしたい」という人もいるでしょう。その場合は軽めの香水の中から、シーンを選ばずに使えてクセの少ない、シトラス系かフローラル系のものを選ぶと使い回しが利きます。

あるいは休日用と割り切って、本当に好きな香りのものを選ぶのもよい方法です。

いずれにしても、香水は化粧品の中でも自己満足の側面が大きく、香りの好き嫌いもかなり分かれます。香水の匂いが苦手な人がいることも理解した上で、周りの迷惑にならないよう上手に使いこなしたいですね。

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